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SOMPOケア 来年4月に処遇改善実施

SOMPOケア 来年4月に処遇改善実施

 SOMPOケア(東京都品川区、遠藤健社長)は、約24億円を投じて、来年4月から社員の大幅な処遇改善を実施する。介護職のリーダーや、介護現場のマネジメントを担う社員を中心に、年収を約50万円~55万円引き上げる。高い技術や知識を持ち、成長を続ける社員の処遇を引き上げることで、介護の担い手を質と量の両面から充実させるとともに、介護職の社会的地位向上につなげるのが狙い。同社は2019年10月にも大幅な処遇改善を実施しており、今回は第二弾。第一弾の10億円と合わせると、社員の処遇改善に年間約34億円の投資を行うことになる。

 19年10月に実施された第1弾の処遇改善では、「地域トップクラス」の水準をターゲットに、介護付きホームの副ホーム長やケアリーダー、訪問介護のサービス提供責任者など、介護職のリーダーを担う正社員に対し、年間24万円、それ以外の介護福祉士相当の資格を保有する正社員に対し、年間8.4万円の処遇改善を実施。さらに、人材確保が困難な地域、業態に対し、重点的な処遇改善も実施し、モデル年収として、東京都世田谷区で働く介護職のリーダーの場合、年収456万4000円(夜勤5回/月、日祝日手当てを含む)を実現してきた。

 来年4月に予定している第二弾では、介護職のリーダーを担う社員の処遇を「看護師と同等水準」まで引き上げるほか、マネジメント職らの処遇も大幅に引き上げる計画になっている。具体的には、以下の内容を実施する。

(1)介護職のリーダー(約1000人)。年収50万円引上げ

 介護福祉士として3年程度の現場経験をし、専門性を高めた介護職を対象に、その能力や資質が一定水準以上と評価された場合、介護職のリーダー(同社での呼称:ケアコンダクター)として、現場マネジメントを担う。この介護職のリーダーの年収を約50万円引き上げる。介護リーダーの業務はここ数年、ICT機器など、高度なテクノロジーの活用や後進の育成など難易度が上がっており、その業務に見合った処遇とすることで、日々の働きに報い、若手社員にとって魅力あるポストとすることで、明確な短期目標となり、成長の加速を促す。

(2)介護現場のマネジメント職(約1200人)。年収55万円引上げ

 ホーム長など施設・事業所の責任者に対し、その職責や期待役割に応じた処遇水準とするため、年収を約55万円引き上げる。マネジメントポストの魅力を高めることで、多くの社員が社内でのキャリアビジョンを描き、その実現に向けて計画的に成長していくことを促す。

(3)介護現場の看護職(約800人)。年収を平均15万円程度引上げ

 看護職の高い専門性や能力に見合った処遇水準へと見直しを図り、介護現場が医療現場に劣らない魅力的な労働環境であることを見える化するために、すべての看護職の処遇を平均で15万円程度引き上げる。

(4)介護プライドマイスター

 同社では、「ご利用者の生きがいや充実感ある毎日を支えていくために必要な、社員の高い専門性と豊かな心の態度」を「介護プライド」と位置づけ、20年度から「介護プライドマイスター制度」を創設。

 これまで、介護プライドマイスターに任命されている社員は人事制度上での等級にバラつきがあったが、今回、一定以上の等級に位置づけることにした。

(5)その他

 ケアマネジャーなどの専門職においても、高い技術や知識を持つ現場のマネジメント職を中心に処遇改善を実施。パートスタッフとして活躍する介護職員も、専門性や貢献度に伴い処遇水準を広く引き上げるなど、介護サービスの品質や高生産性を支える職員にとって魅力的な労働環境を構築していく。

 処遇改善の財源は、新規入居者や在宅サービス利用者の獲得や、M&A、介護事業運営のノウハウを提供する事業、ICT機器などの活用による生産性向上などで得た収益を充てていく考え。

(シルバー産業新聞2021年12月10日号)

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