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歯科医師の菊谷武氏、21年度介護報酬改定を評価

歯科医師の菊谷武氏、21年度介護報酬改定を評価

 メディア株式会社のIOCiL運営事務局(東京都文京区)は、21年介護報酬改定をテーマに、「2021年介護報酬改定から読み解く これからの歯科医療の姿とは何か」と題するオンライン講演会を開いた。講師は日本歯科大学教授で、口腔リハビリテーション多摩クリニック院長の菊谷武氏。約400人の参加者が耳を傾けた。

 菊谷氏は、摂食・嚥下リハビリを専門とする同クリニックで、歯科医師、歯科衛生士の他、管理栄養士、リハビリ職、MSWなど、多職種とともに、地域包括ケアシステムを目指して、外来と訪問診療を行っている。介護保険を利用する場面も多く、医療職は介護保険制度に疎いという現状を指摘しながら、今回の介護報酬改定に注目すべきだと話した。

 今回の法改正のポイントについて菊谷氏は二つ挙げる。一つは「科学的介護の導入」。もう一つは「口腔栄養サービスの充実」だ。

 「科学的介護の導入」については、根拠に基づいた介護保険サービスが始まったという大きな流れだと説明。サービスありきではなく、今後、意味のないサービスや効果のないサービスをなくし、結果に対して報酬を上乗せするといった可能性を持つシステムだと話した。医療保険も今後、アウトカムに基づくシステムの導入も図られるのではないかと述べた。

 「口腔栄養サービスの充実」については、口腔機能向上加算、経口維持加算、新規に通所に導入された「口腔栄養スクリーニング加算」などに触れた。

 菊谷氏は「口腔・栄養スクリーニング加算」の国の計画にも関わったが、栄養から口腔にようやく着目された点を評価する。利用者の生活をよく見ているデイサービスの職員が、情報をケアマネに伝え、そこから歯科医師らに繋げる流れで、本当に必要なサービスのスクリーニング表を開発したと説明した。

 菊谷氏は、自分の歯を維持する高齢者は増えたが、咀嚼障害は逆に増えていると指摘。外来に来る高齢者は75歳くらいから通院しなくなる現状があり、医師はその後を見捨ててはいけない。この移行期の高齢者を口腔面で支える必要性を強調した。外来依存の歯科業界に警鐘を鳴らす形ともなった。

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