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特定処遇改善加算 加算率は訪問介護6.3%など

特定処遇改善加算 加算率は訪問介護6.3%など

 厚生労働省は2月13日、社会保障審議会介護給付費分科会(分科会長=田中滋・埼玉県立大学理事長)を開き、今年10月の介護報酬改定で実施する新たな処遇改善の加算率・要件を公表した。名称は「介護職員等特定処遇改善加算」。サービス提供体制強化加算などの取得を要件に、加算率は2段階とした。最も高い加算率は(夜間対応型)訪問介護、定期巡回の6.3%。現行の処遇改善加算Ⅰの13.7%と合計すると、20%の報酬上乗せが可能となる。

現行加算Ⅰとあわせて報酬1.2倍

 特定処遇改善加算は、経験・技能を有する介護人材の更なる処遇改善を目的に創設。今年10月の消費税率引上げに伴い、その税収分から1000億円、同額の保険料分と合わせて2000億円を投じる。

 加算率は各サービスの介護職員に占める「勤続10年以上の介護福祉士」の割合などをもとに2段階で設定。訪問介護は加算(Ⅰ)6.3%、(Ⅱ)4.2%で全サービス中最も高く、通所介護は(Ⅰ)1.2%、(Ⅱ)1.0%で最低だった。また、施設サービスでは特養が(Ⅰ)2.7%、(Ⅱ)2.3%、老健が(Ⅰ)2.1%、(Ⅱ)1.7%などとなっている。

 新加算(Ⅰ)は、人員体制等を手厚くしている場合に算定が可能。具体的には、訪問介護だと「特定事業所加算(Ⅰ、Ⅱ)」、特養は「日常生活継続支援加算」または「サービス提供体制強化加算(Ⅰ)」の算定が必要となる。

 また、新加算は現行の処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを算定していることが要件。仮に現行加算、新加算ともに加算率が最も高いⅠを算定した場合、訪問介護は20.0 %、通所介護は7.1%、特養11.0%、老健6.0%が報酬に上乗せされることとなる()。

「月8万円増」か「年収440万円」

 特定処遇改善加算の算定要件では、賃金改善の基準を明確化したことが最大のポイントだ。

 まず、賃金改善の対象を①経験・技能のある介護職員②その他の介護職員③その他の職員――の3つに分類。そして①の中で最低1人、「月額8万円以上の賃金改善」もしくは「賃金改善後の年収が440万円以上」の実績を作らなくてはならない。

 さらに、①の賃金改善の平均額は②の2倍以上、②の賃金改善の平均額は③の2倍以上であることも要件。経験・技能のある介護職員への処遇改善を第一優先とした「傾斜配分」をルール化した格好だ。ただし、①の経験・技能に関しては「勤続10年以上の介護福祉士」を基本に議論を進めてきたが、勤続年数が同一事業所・法人によるものか、また業界内での通算にするのかについて同省は厳密に定義せず「事業所の裁量に委ねる」にとどめた。事業規模、職種割合が個々に異なる現場において、人材確保・定着に向けた加算の配分方法が今後注目される。

 このほか、資質の向上、労働環境改善といった賃金改善以外の処遇改善の内容についても実施するとし、さらにインターネット等を通じて公表することも要件に加えられた。賃金改善に関する計画書の届出、実績報告等については現行の処遇改善加算と同様。同省は年度内に、算定要件の詳細(留意事項)を発出する予定としている。

(シルバー産業新聞2019年3月10日号)

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