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ヤマシタ・山下和洋社長 社名変更 「ファン獲得」へ

ヤマシタ・山下和洋社長 社名変更 「ファン獲得」へ

福祉用具レンタル大手のヤマシタコーポレーション(東京都港区)はこの4月に「株式会社ヤマシタ」へ社名を変えた。山下和洋社長は今回の社名変更について、企業ブランディング見直しの一環であり、狙いは同社の「ファン」の獲得と強調する。

――社名変更の狙いは。

 顧客や関係者が、より覚えやすく、親しみやすいシンプルな名称にしたかった。特に福祉用具レンタルのホームケア事業では、今もケアマネジャーの方などから「ヤマシタさん」と呼ばれていて、現場でも定着している。ただ、社名変更はあくまで企業ブランディングを見直す取り組みの一つに過ぎない。

――企業ブランディングの見直しとは。

 昨年度、1年をかけて当社の強みを前面に打ち出すブランディング強化に取り組んできた。当社が掲げるミッションの新設や社員の行動基準の改定から、ロゴマークの細かな見直しに至るまで、全ては「今以上に当社を知ってもらい、社員も含めてファンになってもらう」ことが最大の目的。シンプルでより親しみやすい「ヤマシタ」に社名を改めたのも、このブランディングの一環だ。

 特に大きな点でいえば、昨年10月に「世界の『生きる』をもっと豊かに」を当社の新たなミッションに加えた。企業理念「正しく生きる、豊かに生きる」が源流にある。例えば、すでにインバウンドを追い風に海外からの宿泊客が増加しているが、当社もリネンサプライサービスで間接的に関わることで、訪日客の満足度を高め、日本により良い印象を持ってもらえる。

――福祉用具事業での海外展開は。

 ホームケア事業でも、いずれは海外展開に乗り出す時期が来るだろう。アジアでは少子高齢化が急速に進む。日本の福祉用具レンタルの仕組みで、国外のニーズにも応えることができれば、まさしく「世界の『生きる』をもっと豊かに」を体現したといえるのではないか。もちろん今すぐということではないが、ベストなタイミングを逸さないよう、今後も注視していく。

 また社員のバリュー(行動基準)も見直した。バリューは人事制度とも紐づけている。元々、6項目あったものを、①お客様を原点に②チームヤマシタ③挑戦④やり抜く――の4項目に整理した。これも会社が求める価値観を、より簡潔に社員へ示すため。しかし、掲げるだけでは何も具体化されない。一人ひとりが日々の業務で、この共通の価値観に繰り返し立ち返ることで徐々に体現されていくものだろう。より多くの方に、「ヤマシタのファンだ」と言ってもらえるよう、新たなミッションやバリューを目指し、実践を積み重ねていきたい。

(シルバー産業新聞2019年4月10日号)

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