半歩先の団塊シニアビジネス
「不眠」 の解消とシニアビジネスの可能性(3)/村田裕之(連載151)
前回説明した不眠症の要因とメラトニン分泌の仕組みを考慮すると、眠りの質を上げるには次が有効と考えられる。
眠りの質を上げるには?
1.入眠前2時間は 「活動モード」から「リラックスモード」に切り換える
これは寝つきをよくするための対策で、具体的には次がお勧めだ。
(1)38度ほどのぬるめのお湯に5~30分浸かり、体をじっくり温める。
(2)仕事場とは別の場所で照明を薄暗くして過ごす。照明は蛍光灯や白色LEDではなく、電球のような暖色系の間接照明にする。
(3)ブルーライトを浴びない。パソコン、スマホ、タブレッ
ト、テレビなどを見ない。
(4)穏やかな音楽を聴く。聴くのは静かなクラシックやヒーリング系の音楽がよい。
(5)カフェインのない温かい飲み物を飲む。自然な眠気は体温が下がり始めるときに起きるので、寝る前に温かい飲み物を摂って内臓から体温の上昇を促し、体温低下のリズムを作る。
(6)アロマ(植物から抽出した香り成分の精油)の香りを装置で部屋に拡散するのもよい。
2.入眠前2時間はアルコール類を飲まない
これは中途覚醒を減らすための対策だ。アルコール類を飲むと中枢神経の活動が抑制され、一時的に眠気を生じる。しかし、抑制性の神経伝達物質であるGABAの作用も抑制するため、中途覚醒が起きやすくなる。
また、アルコールには利尿作用があるため、夜中に何度もトイレに行きたくなり、中途覚醒しやすくなる。
3.入眠前2時間は激しい運動をしない
これも寝つきをよくするための対策であり、中途覚醒を減らす対策でもある。適度な運動により身体の疲労感があると睡眠の質が上がる。
だが、入眠前に心拍数を上げて息があがるほどの運動をすると、交感神経が優位になり、体が覚醒状態となるため睡眠を妨げてしまう。
夜のリラックスタイムには、ストレッチや呼吸運動主体のヨガなどの軽い運動を行うのがお勧めだ。
4.入眠前2時間は食事をしない
入眠前2時間以内に食事をすると、身体は消化吸収に集中することになり、睡眠時に脳や身体を休めることができなくなる。
どうしても夜遅い食事になってしまう場合には、牛乳やヨーグルトなどのたんぱく質を多く含み、消化のいい乳製品を少量摂るのがよい。牛乳は秋から冬の季節には脂肪分が高くなるので、気になる人は低脂肪のものにする。
5.自分に合った寝具を選ぶ
見落としがちな重要なポイントは枕だ。自分の体型に合わせて高さや形状、硬さを調節できる枕がお勧め。私もこれまでさまざまな枕を試してきたが、自分の体型にパーソナライズできる枕が、首痛などを防ぎ、質のよい睡眠に有用である。
マットレスも重要だ。枕と同じように自分の体型に合わせて高さや形状、硬さを調節してくれるものがお勧めだ。
こうした特殊なマットレスは通常品に比べ高価だが、眠りの質の向上を考慮すれば決して割高な出費ではない。
6.昼寝をするなら午後3時までの20分にする
人によっては午後の早い時間に眠気を催すことがある。その場合、20分程度の短い昼寝によって、頭をすっきりさせ集中力や作業効率の低下を防ぐのがよい。
ただし、長時間(30分以上)の昼寝は深い眠りになってしまい、脳と体が休息モードに切り替わってしまうため逆効果になる。また、午後3時以降の夕方に眠るのは、夜の睡眠の妨げになるので避けたい。
最近は働き方改革の影響か、昼寝を奨励する職場も現れている。オフィスに仮眠スペースを設ける会社も少しずつ増えている。
近頃は、街中にもカプセルホテルのような施設で昼寝スペースを提供するサービスも見かける。さらに昼間のカラオケルームを仕事場として提供したり、その中で仮眠に利用したりする人もいる。米国では「仮眠用のカプセルホテル」などもかなり増えている。
これは寝つきをよくするための対策で、具体的には次がお勧めだ。
(1)38度ほどのぬるめのお湯に5~30分浸かり、体をじっくり温める。
(2)仕事場とは別の場所で照明を薄暗くして過ごす。照明は蛍光灯や白色LEDではなく、電球のような暖色系の間接照明にする。
(3)ブルーライトを浴びない。パソコン、スマホ、タブレッ
ト、テレビなどを見ない。
(4)穏やかな音楽を聴く。聴くのは静かなクラシックやヒーリング系の音楽がよい。
(5)カフェインのない温かい飲み物を飲む。自然な眠気は体温が下がり始めるときに起きるので、寝る前に温かい飲み物を摂って内臓から体温の上昇を促し、体温低下のリズムを作る。
(6)アロマ(植物から抽出した香り成分の精油)の香りを装置で部屋に拡散するのもよい。
2.入眠前2時間はアルコール類を飲まない
これは中途覚醒を減らすための対策だ。アルコール類を飲むと中枢神経の活動が抑制され、一時的に眠気を生じる。しかし、抑制性の神経伝達物質であるGABAの作用も抑制するため、中途覚醒が起きやすくなる。
また、アルコールには利尿作用があるため、夜中に何度もトイレに行きたくなり、中途覚醒しやすくなる。
3.入眠前2時間は激しい運動をしない
これも寝つきをよくするための対策であり、中途覚醒を減らす対策でもある。適度な運動により身体の疲労感があると睡眠の質が上がる。
だが、入眠前に心拍数を上げて息があがるほどの運動をすると、交感神経が優位になり、体が覚醒状態となるため睡眠を妨げてしまう。
夜のリラックスタイムには、ストレッチや呼吸運動主体のヨガなどの軽い運動を行うのがお勧めだ。
4.入眠前2時間は食事をしない
入眠前2時間以内に食事をすると、身体は消化吸収に集中することになり、睡眠時に脳や身体を休めることができなくなる。
どうしても夜遅い食事になってしまう場合には、牛乳やヨーグルトなどのたんぱく質を多く含み、消化のいい乳製品を少量摂るのがよい。牛乳は秋から冬の季節には脂肪分が高くなるので、気になる人は低脂肪のものにする。
5.自分に合った寝具を選ぶ
見落としがちな重要なポイントは枕だ。自分の体型に合わせて高さや形状、硬さを調節できる枕がお勧め。私もこれまでさまざまな枕を試してきたが、自分の体型にパーソナライズできる枕が、首痛などを防ぎ、質のよい睡眠に有用である。
マットレスも重要だ。枕と同じように自分の体型に合わせて高さや形状、硬さを調節してくれるものがお勧めだ。
こうした特殊なマットレスは通常品に比べ高価だが、眠りの質の向上を考慮すれば決して割高な出費ではない。
6.昼寝をするなら午後3時までの20分にする
人によっては午後の早い時間に眠気を催すことがある。その場合、20分程度の短い昼寝によって、頭をすっきりさせ集中力や作業効率の低下を防ぐのがよい。
ただし、長時間(30分以上)の昼寝は深い眠りになってしまい、脳と体が休息モードに切り替わってしまうため逆効果になる。また、午後3時以降の夕方に眠るのは、夜の睡眠の妨げになるので避けたい。
最近は働き方改革の影響か、昼寝を奨励する職場も現れている。オフィスに仮眠スペースを設ける会社も少しずつ増えている。
近頃は、街中にもカプセルホテルのような施設で昼寝スペースを提供するサービスも見かける。さらに昼間のカラオケルームを仕事場として提供したり、その中で仮眠に利用したりする人もいる。米国では「仮眠用のカプセルホテル」などもかなり増えている。
【村田アソシエイツ代表・東北大学特任教授 村田裕之】
(シルバー産業新聞2019年11月10日号)
(シルバー産業新聞2019年11月10日号)