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居宅介護支援 認知症・独居加算を本体報酬包括化

居宅介護支援 認知症・独居加算を本体報酬包括化

 厚生労働省は11月19日、社会保障審議会介護給付費分科会(座長・田中滋=慶應義塾大学名誉教授)を開き、来年4月からの居宅介護支援の報酬や基準の見直しについて議論を行った。国から示された論点は①福祉用具貸与のみのケアプランの基本報酬の適正化②認知症加算・独居高齢者加算の基本報酬への包括化③特定事業所集中減算の強化④特定事業所加算の見直し⑤介護予防支援の基本報酬見直し⑥個別サービス計画提出の義務化⑦地域ケア会議への協力――の7点。質の高いケアマネジメントの実施や公正・中立の確保、地域への貢献などを評価していく内容だ。

特定事業所加算は3種類に

 基本報酬の見直しでは、8割程度の事業所で算定されている認知症加算と独居高齢者加算を「個人の心身の状況や家族の状況等に応じたケアマネジメントの提供であり、ケアマネジャーの基本業務」として位置付け、基本報酬に一本化する案を示した。加算を内包した評価となるため、基本報酬の引き上げが予想されるが、これまでの基本報酬と加算を取得した場合の総額に対し、どの程度までの引き上げになるかは未定であり、予算編成との兼ね合いなどによっては、実質的な報酬減につながる可能性もある。

 介護予防支援については、市町村の地域支援事業化に伴い、今後、多種多様なサービスが介護予防サービス計画に位置付けられていくことを踏まえ、「適正に評価し、基本報酬を見直す」と、こちらは純粋に報酬単価を引き上げる考えを示した。

 一方、福祉用具貸与のみのケアプランについては、複数サービスを利用した場合と比べ、ケアマネジャーの業務量が1月当たり38.5分少ないデータなどを示し、「ケアマネジメント業務の負担が軽減されている」として、基本報酬の引き下げを提案した。

 これに対し、委員からは「ケアマネジメントプロセスは、全てのケースで等しく実施されるべきもの。これまで通りの評価が必要」(鷲見よしみ・日本介護支援専門員協会会長)、「結果として単品サービスになっただけで、手間のかけ具合は変わらないのでは」(齋藤訓子・日本看護協会常任理事)、「(示されたデータでは)負担が軽減されているとまではいえない」(斉藤秀樹・日本老人クラブ連合会常務理事)など、国に再考を求める意見が相次いだ。

 加算の見直しでは、特定事業所加算を現行の2種類から3種類に細分化し、主任ケアマネなどの配置要件の強化や法定研修の実習受け入れなどを新たな要件として追加する案が示された(図)。質の高いケアマネジメントを実施している事業所の評価を、引き続き推進していく考えだ。

 さらに、公正・中立性を確保する観点から、特定事業所集中減算について強化する考えも示された。具体的には、特定の事業者への偏りの割合を90%から、さらに引き下げるとともに、対象サービスの範囲も、現行の訪問介護、通所介護、福祉用具貸与だけに限定せず、すべてのサービスに適用する方針だ。

 運営基準の見直しでは、居宅介護支援事業所と各サービス提供事業所の意識の共有を図る観点から、サービス事業所の担当者に個別サービス計画の提出を義務付け、ケアプランとの連動性を高めることを推進していく案が示された。

 また、法定化された地域ケア会議については、市町村から個別のケアマネジメントの事例提供の求めがあった場合に、協力するよう運営基準に規定する考えも示された。

 質の高いケアマネジメントの実施や公正・中立の確保に加え、法定研修の実習受け入れや地域ケア会議への協力など、地域に対する貢献についても、今後の居宅介護支援事業所の役割にしていく考えといえるだろう。

 一方で、前回の審議で論点に上げられていたインフォーマルサービスのみをケアプランに位置付けた場合の評価は、今回の論点には示されず、見送りになる方向。

 また、小規模多機能の利用を促進する観点から、居宅のケアマネジャーが利用者に引き続き関わる案も、議論が深まらずに、見直しの論点から外された。


シルバー産業新聞の事業所で算定されている認知症加算と独居高齢者加算を「個人の心身の状況や家族の状況等に応じたケアマネジメントの提供であり、ケアマネジャーの基本業務」として位置付け、基本報酬に一本化する案を示した。加算を内包した評価となるため、基本報酬の引き上げが予想されるが、これまでの基本報酬と加算を取得した場合の総額に対し、どの程度までの引き上げになるかは未定であり、予算編成との兼ね合いなどによっては、実質的な報酬減につながる可能性もある。
 介護予防支援については、市町村の地域支援事業化に伴い、今後、多種多様なサービスが介護予防サービス計画に位置付けられていくことを踏まえ、「適正に評価し、基本報酬を見直す」と、こちらは純粋に報酬単価を引き上げる考えを示した。
 一方、福祉用具貸与のみのケアプランについては、複数サービスを利用した場合と比べ、ケアマネジャーの業務量が1月当たり38.5分少ないデータなどを示し、「ケアマネジメント業務の負担が軽減されている」として、基本報酬の引き下げを提案した。
 これに対し、委員からは「ケアマネジメントプロセスは、全てのケースで等しく実施されるべきもの。これまで通りの評価が必要」(鷲見よしみ・日本介護支援専門員協会会長)、「結果として単品サービスになっただけで、手間のかけ具合は変わらないのでは」(齋藤訓子・日本看護協会常任理事)、「(示されたデータでは)負担が軽減されているとまではいえない」(斉藤秀樹・日本老人クラブ連合会常務理事)など、国に再考を求める意見が相次いだ。
 加算の見直しでは、特定事業所加算を現行の2種類から3種類に細分化し、主任ケアマネなどの配置要件の強化や法定研修の実習受け入れなどを新たな要件として追加する案が示された(図)。質の高いケアマネジメントを実施している事業所の評価を、引き続き推進していく考えだ。
 さらに、公正・中立性を確保する観点から、特定事業所集中減算について強化する考えも示された。具体的には、特定の事業者への偏りの割合を90%から、さらに引き下げるとともに、対象サービスの範囲も、現行の訪問介護、通所介護、福祉用具貸与だけに限定せず、すべてのサービスに適用する方針だ。
 運営基準の見直しでは、居宅介護支援事業所と各サービス提供事業所の意識の共有を図る観点から、サービス事業所の担当者に個別サービス計画の提出を義務付け、ケアプランとの連動性を高めることを推進していく案が示された。
 また、法定化された地域ケア会議については、市町村から個別のケアマネジメントの事例提供の求めがあった場合に、協力するよう運営基準に規定する考えも示された。
 質の高いケアマネジメントの実施や公正・中立の確保に加え、法定研修の実習受け入れや地域ケア会議への協力など、地域に対する貢献についても、今後の居宅介護支援事業所の役割にしていく考えといえるだろう。
 一方で、前回の審議で論点に上げられていたインフォーマルサービスのみをケアプランに位置付けた場合の評価は、今回の論点には示されず、見送りになる方向。
 また、小規模多機能の利用を促進する観点から、居宅のケアマネジャーが利用者に引き続き関わる案も、議論が深まらずに、見直しの論点から外された。

(シルバー産業新聞2014年12月10日号)

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