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日本調剤 認定栄養ケア・ステーション14カ所

日本調剤 認定栄養ケア・ステーション14カ所

 日本調剤(東京都千代田区、三津原庸介社長)の調剤薬局14店舗が今年4月、日本栄養士会が取組む「認定栄養ケア・ステーション」の認定を受けた。同社では初の認定。薬剤本部薬剤管理部の皆川紘美次長は「食事や栄養について、気軽に相談ができる地域の栄養ケアの拠点として、薬局内に栄養ケア・ステーションを設置した。薬局に薬をもらいに来るだけではなく、ご家族やご自身の栄養や健康のことを相談してほしい」と期待を寄せる。

 認定栄養ケア・ステーション(CS)は、医療機関や薬局、NPO、教育機関などが地域住民の栄養相談や特定保健指導、料理教室の企画・運営などを実施する地域密着型の栄養ケア拠点。都道府県栄養士会が運営する栄養CSとあわせて、4月時点で356カ所が設置されている。

 日本調剤は7月1日現在、全国681カ所で調剤薬局を運営。約1割の店舗に管理栄養士が在籍する。今回はその中で地域の主要な拠点となりうる14カ所を選出した。今後も増やしていく見込みだ。

 取組みの背景として、同社は2017年より管理栄養士の専門性を活かした食・健康イベント、健康啓発活動など健康サポートに関する情報発信を積極的に展開してきた。皆川氏は「他社では資格を持っていても、医療事務や商品の品出しが主な業務になっている管理栄養士もいると聞く。当社では、管理栄養士の職能を確立させることに注力してきた」と説明する。

 管理栄養士がいる薬局では毎月10日を糖尿病について考える「糖の日」、17日を「減塩の日」、29日をフレイルやサルコペニアを知る「筋肉の日」に設定。セミナーや、薬局に来た人が薬を待つ間に試してもらう「減塩クイズ」など、実施内容はバラエティに富む。

 これと並行し、同社では「健康チェックステーション」も75店舗で展開。体組成計や血圧計、さらには脂質・血糖値等を測定するための検体測定室を設置し、誰でも健康チェックを行える環境を整える。

 これらはいずれも、薬局へ気軽に足を運んでもらうための取組み。「病院での栄養相談・指導は医師の指示が必要になる。普段の生活でのちょっとした相談に応じるのが我々の役割。処方箋がなくても、定期的に来るリピーターも増えている」と同氏は強調する。

薬・栄養を双方向に

 栄養相談を受ける際、薬歴等を確認しやすい点が薬局ならではの強みだと同氏は述べる。「薬の副作用によっては、口内炎や食欲減退、逆に体重増なども起こり得る。常に密接な関係にある」。

 また、同社薬局の94%は訪問での薬剤管理を実施しており、医療ニーズが高い患者や要介護者を抱える。とろみ剤の調整や嚥下食など、管理栄養士が薬剤師をフォローできる部分も多く、両職種の情報共有・連携を同氏は強化ポイントにあげた。

(シルバー産業新聞2021年7月10日号)

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