ニュース

都栄養士会「栄養ケア・ステーション」連携促す

都栄養士会「栄養ケア・ステーション」連携促す

 2021年介護報酬改定では、医療機関や介護施設、栄養ケア・ステーション(以下「CS」)の管理栄養士との連携による栄養関連の報酬・加算が拡充した。東京都栄養士会(西村一弘会長)は栄養CSのさらなる活用へ、診療所等への周知活動、管理栄養士のスキルアップ、会支部化等の活動に注力している。

報酬改定「満足いく内容」

 栄養CSは、医療・介護・福祉などの領域を問わず、あらゆる食支援を提供する地域拠点。都栄養士会は会員4100人の1割、約400人が栄養CSに登録している。病院や施設、調剤薬局のほか、フリーで活動する管理栄養士もいる。

 西村会長(写真)は日本栄養士会の常任理事でもあり、栄養ケアの介入効果に関するデータワーキングの委員長も務める。「リハビリと栄養の一体的な提供によるADL維持・改善はデータからも明らか。ただ、介護施設の管理栄養士は人員が少なく、在宅、その他サービスまで見るには限界がある。地域の管理栄養士を活用する必然性は高い」。今回の改定については「我々が要望した以上の評価をいただいた」と手ごたえを口にする。

 18年改定では、通所系サービスの栄養改善加算が、外部の管理栄養士との連携でも算定可能に。今回はこれに加え①管理栄養士が在宅を訪問する「居宅療養管理指導」②通所系、看多機に新設の「栄養アセスメント加算」③グループホームに新設の「栄養管理体制加算」④看多機に新設の「栄養改善加算」――も認められた(表)。

 ①は主に、管理栄養士を配置していない診療所が想定される。診療報酬の「在宅患者訪問栄養食事指導料」も外部連携可。都栄養士会では診療所向けに案内チラシを作成。各報酬のしくみや、連携の依頼を出す場合の業務委託契約、管理栄養士の紹介、委託費用の清算の具体的な流れが記されている。通所系向け、グループホーム向けも同様に作成。栄養CSの周知と共に食支援のニーズの掘り起こしをはかる。

 あわせて同氏は、人材育成の必要性を強調。「栄養CSの支援対象は学校や食育なども含まれ、職域が広い。医療・介護で活動できるのは400人中おそらく50人程度。在宅経験者も多くはない」と話す。

 同会では外部連携のための研修を現在実施中。栄養マネジメントの基本、他職種連携、科学的介護データベース「LIFE」の取扱いも内容に含まれる。「これまでは栄養計算だけの『指導型』になりがちだったが、在宅で大切なのは『解決型』。生活全体を見て、本人・家族、他職種の協力を得ながら、食・栄養の課題に向き合わなくてはならない。そういった視点をぜひ養ってもらいたい」(同氏)。

 日本栄養士会では改定前後の効果を検証するための実態調査を今年度予定。同氏は「管理栄養士の働きが広く報酬で評価された。今からは実績を作る2年。極めて重要となる。その結果をもって、次期改定では管理栄養士の配置基準化の促進、栄養関連の加算の単位数引上げなどを求めたい」と強調する。

地域拠点化で身近に栄養士

 栄養CSを地域に根付かせるため、現在取り組んでいるのが栄養士会の支部化だ。現在、都内では5カ所設置。「まずは二次医療圏に1カ所ずつ。ゆくゆくは全市区町村に展開したい」(同氏)。これ以外に、医療機関や調剤薬局などが地域住民の栄養相談窓口となる「認定栄養ケア・ステーション」も70カ所を超えた(認定栄養CSは外部連携先の対象外)。

 なお、地域の拠点化は災害時支援としての意義も大きいという。日本栄養士会は東日本大震災を機に災害支援栄養チーム(JDA-DAT)を発足。専門のトレーニングを受けた管理栄養士等が、災害発生地域で食・栄養の支援活動を行う。支援に使う専用車は炊出しも行えるキッチンカー仕様。「平時は市区町村と災害協定の締結、防災訓練への協力などを行っている。支援拠点を増やせば、地域の相支援の迅速化が期待できる」(同氏)。

 栄養相談、連携等の依頼は同会(TEL03・6457・8592)まで。

(シルバー産業新聞2021年6月10日号)

関連する記事