ニュース

特定事業所集中減算 各プラン10件以下適用外

特定事業所集中減算 各プラン10件以下適用外

 厚生労働省は3月2、3日に「全国介護保険・高齢者保健福祉担当課長会議」を開き、2015年介護報酬改定および運営基準等の省令改正に係る通知案を発表した。居宅介護支援は特定事業所集中減算の適用外要件に「各サービス計画数10件以下」を追加。また、個別サービス計画の提出を求めてケアプランとの連動性を高める方策も示された。

 特定事業所集中減算(▲200単位)は適用割合を90%超から80%超へ厳格化。対象サービスも訪問介護、通所介護、福祉用具貸与から居宅・地域密着型全サービスへと拡大する。

 一方で、減算が適用されない「正当な理由」として、各サービスの計画数が1月平均10件以下と利用が少ない場合を新たに追加。また、実施地域に各サービスが少ない(5事業所未満)場合は既に減算適用外だが、拡大した対象サービスにも当てはまる。

 なお、サービスの質が高いため利用者が特定の事業所を希望する場合は、その旨の理由書を利用者から受け取った上で地域ケア会議等へケアプランを提出し、意見・助言を受けるなどにより減算適用外とする。

【居宅介護支援】 集中減算の厳格化と適用外要件の追加

 特定事業所集中減算(▲200単位)は適用割合を90%超から80%超へ厳格化。対象サービスも訪問介護、通所介護、福祉用具貸与から居宅・地域密着型全サービスへと拡大する。

 一方で、減算が適用されない「正当な理由」として、各サービスの計画数が1月平均10件以下と利用が少ない場合を新たに追加。また、実施地域に各サービスが少ない(5事業所未満)場合は既に減算適用外だが、拡大した対象サービスにも当てはまる。

 なお、サービスの質が高いため利用者が特定の事業所を希望する場合は、その旨の理由書を利用者から受け取った上で地域ケア会議等へケアプランを提出し、意見・助言を受けるなどにより減算適用外とする。

サービス計画提出でケアプランと連携

 ケアプランと個別サービス計画書との連動性を高める観点から、ケアマネジャーはケアプランに位置づけたサービス担当者へ、個別サービス計画の提出を求めることを義務づける。

 ケアプランと個別サービス計画の連動性・整合性の確認はケアプランの交付時に限らず必要に応じて行うとし、サービス担当者会議前にケアプラン原案を担当者へ提供し、当会議に個別サービス計画の提出を求め、情報共有・調整をはかるのも有効としている。

地域ケア会議への協力

 ケアマネジャーは、15年度から全市町村が実施する地域ケア会議へ積極的に参加し、地域ケア会議から個別のケアマネジメントの提供の求めがあった場合には、協力することとする。

【訪問系サービス】 同一建物への減算対象を拡大

 事業所と同一建物(養護老人ホーム、軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅)への訪問介護、訪問入浴、訪問看護、訪問リハビリテーション、夜間対応型訪問介護の提供に対する10%減算については、「同一建物」の定義を「事業所と構造上・外形上一体的な住宅」から「同一敷地内または隣接敷地内」まで拡大。具体的には▽住宅と事業所が渡り廊下でつながっている▽同一敷地内の別棟▽幅員の狭い道路を挟んで隣接――が該当する。

 また、利用者は「30人以上」を撤廃し、人数に関わらず減算が適用される。

 さらに、事業所と同一建物以外の集合住宅でも、利用者数が月平均20人以上の場合新たに10%減算を適用。ただし、同一敷地内の別棟や道路を挟んで隣接する建物の利用者合計が20人以上の場合や、同一建物にサービス付き高齢者向け住宅が複数登録され住戸が点在し、総戸数におけるサ高住の登録戸数が50%未満の場合は適用外となる。

【通所系サービス】 送迎時の居宅内介助を所要時間にカウント

 通所介護、通所リハビリテーション、認知症対応型通所介護の送迎時に実施する着替え、ベッド・車いすへの移乗、戸締り等の介助に要した時間については、1日30分を限度にサービス提供時間に含める。

 ケアプランとサービス計画に予め位置づけた上で、介護福祉士等の介護職員、看護職員、機能訓練指導員等が居宅内介助を実施することが要件。

【訪問介護】 サ責の配置要件を緩和

 訪問看護の常勤サービス提供責任者(サ責)が3人以上の場合、サ責の配置基準を利用者40人に1人から50人に1人へ緩和する。ただし、うち1人以上はサ責の業務に主として従事しなければならず、具体的には訪問介護員として提供したサービス時間を1月あたり30時間以内とする。

 加えて、サ責業務の効率化・省力化も利用者50人に1人の要件に位置付ける。取り組み例として▽訪問介護員のシフト管理に業務支援ソフトを活用▽タブレット端末等のIT機器・技術を用いて利用者情報を共有▽利用者に対し複数のサ責が共同体制を構築し、課題へのチーム対応や、一方のサ責が不在時に別のサ責による補完が可能――などが示されている。

訪問・通所リハマネジメント加算新設しリハビリ会議を実施

 リハビリ計画の策定・活用の充実、ケアマネジャー等が加わるリハビリテーション会議を評価する観点から、訪問・通所リハにリハビリテーションマネジメント加算(訪問リハⅠ:60単位、Ⅱ:150単位、通所リハⅠ:230単位、Ⅱ:6月以内1020単位・6月超700単位、いずれも1月)を設ける。

 両サービスの加算Ⅱの要件に、3月に1回以上のリハビリ会議運営を位置づけ、リハビリの専門的見地から利用者情報の共有や、状態変化に応じた計画書の見直しを実施。構成員は医師、理学療法士、言語聴覚士、ケアマネジャー、ケアプラン上の居宅サービス担当者、総合事業担当者、保健師などとし、やむを得ない理由を除き利用者、家族の参加も基本とする。
 (8239)

【定期巡回・小規模多機能・複合型】 医療・看護との連携体制を評価

 定期巡回・随時対応型訪問介護看護、小規模多機能型居宅介護、複合型サービス(4月より看護小規模多機能型居宅介護)に、主治医や看護師等の多様な主体との連携体制を評価する総合マネジメント体制強化加算(1000単位/月)を創設する。

 多職種協働での随時適切なサービス計画の見直しを共通要件とし、定期巡回サービスはさらに病院・診療所・老健等へ日常的にサービス内容の情報提供を行う。

 また、小規模多機能居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護は地域住民等の日常的な交流を実施。▽利用者に関する相談対応▽行政の会議や町内会・自治会活動への参加、認知症や介護に関する研修等を通じた地域課題抽出と解決▽地域行事への参加――を活動例とする。

自己・外部評価を実施

 1年に1回以上、サービスの改善と質向上を目的に自己評価を実施し、その結果を推進会議等で外部評価を行う。外部評価は利用者、医療関係者、行政、住民代表等が第三者の観点から行い、新たな課題等を明らかにする。自己・外部評価の結果は利用者・家族へ提供し、また情報公表システムへの活用も考えられる。

介護福祉施設重度者等要件を新規入所者に限定

 重度者の積極的な受け入れを評価する観点から、日常生活継続支援加算の利用者要件については、算定日の属する月の前6月間または12月間の新規利用者に対象を変更。単位数は23単位/日から従来型36単位/日、ユニット型46単位/日へ分類し引き上げる。

【施設・地域密着サービス等】 看取り加算を引き上げ体制強化

 小規模多機能は看取り体制連携加算(64単位/日)を新設。死亡日を含む30日を上限に自宅、事業所内のいずれでも算定できる。

 看護師による24時間連絡体制確保、看取り期の方針策定および利用者・家族の同意などが主な要件。連絡体制については、夜間でも事業所から連絡でき、かつ緊急呼び出しに応じて出勤できる体制であれば、事業所内勤務を要しない。

 介護福祉施設等の看取り介護加算は死亡日前4~30日を80単位/日から144単位/日へ引き上げ。PDCAサイクルを用いた看取り体制の構築・強化の推進を要件に追加する。

 具体的には①看取りの指針を策定②医師の診断を前提にその人らしい最期を迎えられる支援を行う③多職種のケアカンファレンス等を通じて、看取り実施後の検証、職員の精神的負担の把握と支援を行う④看取りの指針内容、実施体制について適宜見直しを行う――などの取組みを求める。

【介護療養型医療施設】 生活期リハ・地域貢献を行う基本報酬創設

 介護療養型医療施設の基本報酬に「療養強化型」を新設。医療ニーズへの対応を強化しつつ、生活機能維持・改善に係るリハビリや地域貢献活動など行う。

 地域貢献に関しては▽地域住民との交流に努め自ら創意工夫▽健康教室、認知症カフェ等を通じた地域住民と利用者との交流、および地域高齢者の活動の場を提供▽16年度の活動予定のものは、地域の実情にあわせて可能な限り早期から実施――の考え方に基づいて行う。

【特定施設】 要支援2の人員緩和と報酬引き下げ

 特定施設は要支援2に対する介護・看護職員の配置基準を、3対1から要支援1と同じ10対1へ見直し。それに伴い、基本報酬は456単位/日から308単位/日へ大幅に引き下げる。


(シルバー産業新聞2015年3月10日号)

関連する記事

2024年度改定速報バナー
web展示会 こちらで好評開催中! シルバー産業新聞 電子版 シルバー産業新聞 お申込みはこちら

お知らせ

もっと見る

週間ランキング

おすすめ記事

人気のジャンル