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令和2年7月豪雨 熊本県の特養で14人犠牲

令和2年7月豪雨 熊本県の特養で14人犠牲

 7月3日から続いた豪雨が日本各地を襲い、全国で死者82人、行方不明者4人、全半壊895棟など甚大な被害になった。熊本県では、特養「千寿園」(球磨村)で想定を上回る球磨川の増水により14人が亡くなるなど、全県で65人が死亡した。高齢者施設の被災では全国99カ所(厚労省の調べ)に及んでいる。

 7月3日以降に発生した集中豪雨により、日本各地で被害が発生した。最も被害が大きかった熊本県で34施設が被災した他▽福岡県45施設▽長崎県11施設▽大分県6施設▽長野県2施設▽岐阜県1施設――の合計99施設が被災した(表)
 
 全国老人福祉施設協議会(平石朗会長)は7月9日に熊本県老施協(跡部尚子会長)の要請を受け、職員が出勤できない熊本県内の介護施設に対して全国老施協DWAT(災害派遣福祉チーム)の派遣を行った。全国老施協では、他県からの派遣は行わず、熊本県内のDWATが対応した。

 13日に特養「アゼリア」(人吉市)にDWAT第1班3人を派遣。そのほか、同市内の特養「聖心ホーム」と「龍生園」に県内8チーム21人が派遣された。

 この他、マスクや手先消毒液、ウエットティッシュ・タオルなどの支援物資の提供も行われた。

 熊本県介護支援専門員協会(土屋政伸会長)は、保健師と日本赤十字病院の医者らのD―MAT(災害派遣医療チーム) の3者で被災支援にあたり、保健師の被災地域の全戸訪問などを手助けした。

 今回新型コロナ感染予防の観点から日本介護支援専門員協会でも人員派遣を見送った。
 
 「甚大な被害があった球磨村の地域包括支援センターに、ケアマネジャーがバックアップに入り、認定審査や認定調査、暫定プランの作成などを支援し、サービスが可能な介護事業所を探して、つないだ」と土屋会長。被災の千寿園では、水害の避難訓練を何度も実施してきたが、今回は間に合わなかったと言う。復旧には相当時間を要すると予想し、早めに手を打つ必要があると話している。

 「担当する芦北町や人吉市など球磨川の氾濫した地域では、浸水や家屋損壊などで被災した利用者宅は25件あった」と、福祉用具レンタルのミタカ熊本南営業所の畠山寛人さん。用具の引き上げの要請が相ついだ。「水に浸かった自宅に住み続けることが難しく、病院、ショートステイ、親戚宅などへ避難している。自宅とは環境が変わることで状態の悪化が懸念される」と話す。

(シルバー産業新聞2020年8月10日号)

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