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20年度 介護のエビデンス蓄積へ 収集項目今夏に

20年度 介護のエビデンス蓄積へ 収集項目今夏に

 厚生労働省は5月9日、「科学的根拠に基づく介護に係る検討会」(座長=鳥羽研二・長寿医療研究センター理事長特任補佐)を開催、介護領域におけるエビデンス蓄積に必要なデータベース(CHASE)構築へ向け、収集すべき項目の基本的な考え方を整理した。

 収集項目は、昨年3月の中間とりまとめで①栄養②リハビリ③ケアアセスメント④認知症――の分類で265項目を提示。今夏を目途に絞り込みを行い、モデル事業を経て来年度にはCHASEの本格運用を開始する。ここで蓄積されたエビデンスは、早ければ次期21年改定で自立支援・重度化防止のアウトカム評価として、報酬化される可能性もある。

 この日は、収集項目の選定にあたり①信頼性・妥当性がある②収集に新たな負荷がかからない③国際的に比較が可能――の3つの視点を整理。②については、多くの介護サービスが既に把握している「既往歴」、また加算の算定上収集が必要なバーセルインデックス(ADL維持等加算)やBMI(栄養スクリーニング加算)を例示した。BIやBMIは③の国際的に使用されている評価項目にも該当する。

 委員からは①について「例えば褥瘡の重症度で、看護師と介護職員の評価結果が異なるようなことはあってはならない」など、収集における客観的な尺度を必要とする意見が相次いだ。次回検討会では、収集時の専門職の関与のあり方についてヒアリングが行われる。

 また、収集した項目の分析・比較に必要な「介入」項目案については①介助内容・程度②加算の有無③頻度(計画の見直し・会議等)④関連する職種――に整理。例として、①では離床支援の「あり」「なし」や、入浴介助の「見守り」「全介助」、④では経口維持に関する会議に管理栄養士が「参加」「不参加」といった項目を示した。

 同時に、これら介入をCHASEへデータ化するには、各介入項目のコード化が必要になると同省は説明。加えて、介護事業所が使用する既存の業務支援システムが収集項目にどこまで対応できるかを課題に挙げ、CHASEと連携できるシステム整備への施策等も検討するとした。


(シルバー産業新聞2019年6月10日号)

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