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メグラス「職員をハラスメントから守る」 カスハラ対策に独自制度導入

メグラス「職員をハラスメントから守る」 カスハラ対策に独自制度導入

 名古屋市を拠点に有料老人ホームなどを展開するメグラス(名古屋市、飛田拓哉社長)は、入居者や家族によるハラスメント対策として、独自の「スタッフプロテクション制度」を導入した。悪質なハラスメントと判断された場合は、入居者に退去を求めるなど、職員を守るために厳しく対処する。

 同制度では、職員に対する入居者・家族の言動について、①青(正当な指摘)②黄(過剰な要望)③赤(ハラスメント)――の3段階に振り分けるための基準を策定(表)。過剰要望やハラスメントに該当する場合の手順も定めている。
入居者・家族の言動を3段階に振り分ける基準(一部を抜粋)

入居者・家族の言動を3段階に振り分ける基準(一部を抜粋)

 まず、自身が「黄」「赤」に該当する行為をされたと感じた職員は、社内SNS(LINE WORKS)に設けた報告フォームへ事実を報告する。すると、同社の人事部門が24時間以内に再度、基準に照らして判断。そこでも「黄」以上とされた場合はSNS上で、該当施設職員などの関係者を集めたグループを立ち上げる。情報共有後、さらに詳細な事実確認や審議を経て、最終的に「黄」と判断されれば、過剰要望として本人や家族へ、提供可能なサービス内容や範囲などを改めて説明する。「赤」だと、ハラスメントとして臨時経営会議の場で退去を求めるかなどの対応を決める。実際に制度導入後、4月1日から15日までで「黄」「赤」それぞれ1件の報告があり、それぞれ定めたフロー通りに対応を進めているという。

 2018年度に三菱総合研究所が老健事業で実施した「介護現場におけるハラスメントに関する調査研究報告書」によると、サービスによって異なるものの、介護現場の職員の4〜7割が利⽤者からのハラスメントを経験している。職員が事業所に希望する対応として、「ハラスメントの報告をした際、今後の対応について明確に示して欲しい」「利⽤者・家族等へ注意喚起し、再発防⽌に努めて欲しい」などの声が多かった。2021年度改定では、職場内でのハラスメント対策に必要な措置を講じることを全サービスの運営基準に位置づけたほか、こうしたカスタマーハラスメントに対しても、方針の明確化など必要な措置に取り組むことが望ましいと留意事項通知で示された。

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