コラム

地域包括支援センター/竹越直子 【ケアマネ・介護相談 1】

地域包括支援センター/竹越直子 【ケアマネ・介護相談 1】

 介護や福祉について分からないこと、知りたいことが出てきたら、どこに連絡すればいいのでしょうか。どのような相談にも乗ってくれる窓口「地域包括支援センター」について、社会福祉士の竹越直子さんにうかがいます。

暮らしの困りごとから 介護の不安まで

 「悪質な訪問販売で、高額な商品を買ってしまった」「退院する親を自宅で介護したいのだが、どうすればよいか」「足腰が弱ってきたのだけど、良い介護用品はないか」「和式トイレを洋式に改修して、手すりを取り付けたい」「お金の管理が自分でできなくなってきた」「物忘れが進んできたようだ」「隣のおばあさん、最近様子が心配」…などなど、高齢者の生活上の様々な困りごとや介護の相談などをできるのが、介護や福祉に関する地域の相談窓口、地域包括支援センターです。

幅広い活動

 地域包括支援センターには、社会福祉士、主任ケアマネジャー、保健師・看護師などの専門職が配置されています。介護や認知症など様々な相談への対応・調整のほか、判断能力の低下等により、例えば金銭管理が難しい人のための成年後見や、虐待防止など高齢者の権利を守る取り組み、要支援の人のケアプラン作成、地域のケアマネジャーの支援、地域の介護予防事業の取り組みなど、幅広い活動を行っています。
 市町村によっては、「あんしんすこやかセンター」「おとしより相談センター」などの名称になっていることもありますが、全国各地でおおよそ中学校区に1カ所の割合で設置されています。相談は無料で秘密は厳守されます。電話でも来所でも、また専門職が自宅を訪問して相談に対応してくれたりもします。
 地域包括支援センターは、お住まいの地域によって担当するセンターが変わりますので、最寄りのセンターがわからない場合は、市区町村の介護担当課などにお問合せ下さい。 
 またインターネットでも、厚生労働省の「介護サービス情報公表システム」(http://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/)でセンターを検索することもできます。トップページから都道府県を選んで、次の画面で「地域包括支援センターを検索する」をクリックして下さい。続いてお住まいの市町村を選択して検索ボタンを押せば、センターの住所や連絡先などの一覧が表示されます。センターごとの専門職の配置状況や活動状況など、詳細な情報も見ることができます。

構えず気軽に相談を

 人口272.5万人の大阪市には、24区に計66カ所の地域包括支援センターがあります。  市内中部にある中央区地域包括支援センターは、中央区の社会福祉協議会が委託を受けて運営しています。中央区に2つあるセンターの一つで、区の南半分を担当しています。  センターには、社会福祉士が3人、看護師1人、主任ケアマネジャー1人が配置されています。センターが入る建物は、30年近く前まで小学校があったところで、デイサービス事業所やボランティアセンターなどもあり、地域の人達から広く親しまれています。
 明るく、相談に訪れやすいセンター

 明るく、相談に訪れやすいセンター

 管理者で社会福祉士の竹越直子さんは、「センターに相談に来られる方は、それまでに色々な出来事があって、ご自身が何に困っているのかが分からなくなってしまっている場合もあります。しかしそれでも心配は要りません。センターの専門職が、様々なお話をお聞きすることで、浮かび上がった課題を整理し、どのような手段で解決すべきか道筋をお示ししていきますから、構えず気軽に相談していただければと思います」と話す。
 高齢者の生活課題には、本人の認知症の症状、長年の生活の中で積み上がった問題、家族間の関係性など、さまざまな要因があります。センターではそれらを把握して整理し、どのような支援や制度を活用すべきか、その他関係機関との連絡・調整など、幅広く対応を行っています。
 「例えば高齢者の虐待の問題は、外部からはなかなか見えにくく、ご本人・ご家族からの相談も遅れてしまうことがあります。ですから、相談者の秘密は必ず守りますので、周囲の方は、何らかの兆候を見聞きした際は、早めに地域包括支援センターへ相談するか、情報をお寄せ頂きたいと思います」と竹越さん。虐待のサインは、▽体に傷やあざはないか▽言葉での暴力を受けていないか▽毎日嫌がらせを受けていないか▽お金を取り上げられたりしていないか▽食事が提供されていなかったりしないか――など。
 管理者で社会福祉士の竹越直子さんは、「センターに相談に来られる方は、それまでに色々な出来事があって、ご自身が何に困っているのかが分からなくなってしまっている場合もあります。しかしそれでも心配は要りません。センターの専門職が、様々なお話をお聞きすることで、浮かび上がった課題を整理し、どのような手段で解決すべきか道筋をお示ししていきますから、構えず気軽に相談していただければと思います」と話す。
 高齢者の生活課題には、本人の認知症の症状、長年の生活の中で積み上がった問題、家族間の関係性など、さまざまな要因があります。センターではそれらを把握して整理し、どのような支援や制度を活用すべきか、その他関係機関との連絡・調整など、幅広く対応を行っています。
 「例えば高齢者の虐待の問題は、外部からはなかなか見えにくく、ご本人・ご家族からの相談も遅れてしまうことがあります。ですから、相談者の秘密は必ず守りますので、周囲の方は、何らかの兆候を見聞きした際は、早めに地域包括支援センターへ相談するか、情報をお寄せ頂きたいと思います」と竹越さん。虐待のサインは、▽体に傷やあざはないか▽言葉での暴力を受けていないか▽毎日嫌がらせを受けていないか▽お金を取り上げられたりしていないか▽食事が提供されていなかったりしないか――など。

(介護の日しんぶん2018年11月11日)

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