連載《プリズム》

足らぬ検査キット

足らぬ検査キット

 年が明けて、新型コロナウイルスは感染力が強いオミクロン株に変わると、第5波後の収束から一変し、2月に入って1日の感染者数は一気に10万人を超えた。本紙のまとめで、1月になってコロナ感染のクラスター(集団感染発生)は千葉県14件、東京都、静岡県で9件、北海道、和歌山県で7件など、計88件発生している。

 厚労省の調べでは、1月のクラスターは週を追って増大し、1月第5週(1月25日~31日)だけで、高齢者施設は249施設、保育所など児童福祉施設は196施設、医療機関は116機関でクラスター発生となった(本紙8面)。

 いま、検査キットが手に入らない。各地で病床逼迫が起きる一方、オミクロン株の感染を拡げる期間がこれまでのラムダ株などより短いことから、濃厚接触者の隔離期間は、14 日→10日→7日と短縮された。さらに医療や介護などで働くエッセンシャルワーカーは、4日目と5日目に抗原検査を実施して、陰性ならば隔離を解除する対応だが、検査キットの入手が困難になっている。一昨年春、コロナの急拡大で起きたマスクやアルコールなど感染防御製品が不足したのを、きのうのことのように思い出す。

 本紙9面に、日本財団などの支援で、一昨年6月から、日本訪問看護財団が全国の訪問看護ステーションに向けて、4000セットの感染防御具を送付した座談会記事がある。冒頭、同財団の佐藤美穂子さんは、「コロナになって通所介護に行けなくなった人や訪問介護が使えなくなった人が、訪問看護の利用になるケースが多かった。退院されたガン末期の人もいて在宅にどんどん疾病のある人が集まってくる印象です。マスクもない、ガウンもないという中で、とても不安で、現場は悲鳴を上げていた」と、当時を振りかえる。感染防御品の確保に走ったのは、医療品・介護用品事業者の竹虎とウェルファン。竹虎の飯島幹夫さんは、「手袋などは世界で争奪戦でした」と話した。常に事業継続を求められる医療や介護にあって、緊急時の備蓄や日頃からのネットワークはますます重要になっている。

(シルバー産業新聞2022年2月10日号)

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