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福祉用具単品プラン実態調査報告 認定ケアマネの会

福祉用具単品プラン実態調査報告 認定ケアマネの会

 日本ケアマネジメント学会認定ケアマネジャーの会はこのほど、福祉用具貸与のみを位置付けたケアプランについて、独自に行ったアンケート調査の結果を発表した。複数サービスのケアプランと比較して要する時間は短いとした回答は1割に満たないなど、福祉用具のみのケアプランの業務負担は軽減されているとした厚生労働省の見解と実態は大きくかい離していると結論付けている。調査期間は昨年12月2日から20日まで。ケアマネジャーを対象に同会がアンケート調査を行い、2390件(福祉用具のみのケアプラン数3608件)の回答を得た。

3割以上が「本人・家族の他サービス拒否」

 福祉用具のみケアプラン利用者の要介護度をみると、要介護2が23.1%と最も多かった。要支援・要介護1の軽度者が48.3%と半数近かったが、その一方で要介護3以上の中重度者も19.2%と2割近くを占めている。

 結果として福祉用具のみのケアプランになった理由について、最も多かったのが「利用者がその他の介護保険サービスを拒否」の29.1%。さらに「家族がその他のサービスを拒否」も7.2%で、本人と家族が福祉用具以外のサービス利用を拒んでいることによるケースが全体の3割以上を占めている。2番目に多かった回答は「家族などが介護を行っている」27.5%、「福祉用具以外は医療保険サービスを利用」が10.6%と続いた。「アセスメントの結果、他のサービスを必要としない」は9.0%だった。

 またケアマネジメントに要する時間について尋ねた設問では、「複数サービスプランと比較して大きな違いがない」66.2%と半数以上が双方で差はないと回答した。次いで「複数サービスプランよりも時間を要する」が13.6%。「複数サービスプランよりも要する時間は少ない」は8.1%と1割に届かなかった。

 さらに▽虐待の危険性がある▽認知症により環境の変化に適応できず他のサービスを利用できない▽福祉用具以外は医療保険サービスを利用▽経済的理由によりその他のサービスの利用が困難――などのケースで、「複数サービスより時間を要する」と答えた割合が比較的高かったとしている。

 福祉用具貸与のみのケアプランについては、ケアマネジメントの業務負担が軽減されているとして、2015年度介護報酬改定で基本報酬適正化が提案されていたが、反対意見も多く見送られた経緯がある。同会では今回の調査結果を踏まえ、再び議論の俎上に載せられることがないよう求めた意見書を厚生労働省へ2月4日付で提出している。

 シルバー産業新聞2015年3月10日号掲載

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