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第14回ケアマネ大会 服部万里子大会長インタビュー
地域包括ケアにおけるケアマネジメントの価値と役割の再構築在宅で最期まで支えるケアマネジメント目指し 日本ケアマネジメント学会(白澤政和理事長)は6月12日(金)~14日(日)にパシフィコ横浜(横浜市西区)で第14回大会を、第29回日本老年学会などとの合同大会として開催する。
地域包括ケアにおけるケアマネジメントの価値と役割の再構築
在宅で最期まで支えるケアマネジメント目指し
日本ケアマネジメント学会(白澤政和理事長)は2015年6月12日(金)~14日(日)にパシフィコ横浜(横浜市西区)で第14回大会を、第29回日本老年学会などとの合同大会として開催する。在宅や地域に住み続けるために、多職種連携のキーパーソンとして期待されるケアマネジャーの役割を問う今学会に、「地域包括ケアにおけるケアマネジメントの価値と役割の再構築」をテーマに掲げた服部万里子大会長(長寿社会文化協会理事長)は、全国から多数のケアマネジャー、研究者、サービス事業者、行政職員が参加し、ともに学び考える場にしてほしいと訴えた。
――今大会のポイントを教えてください。
服部 介護保険15年改定で、主任ケアマネジャーについても更新制が導入され、その更新要件として、日本ケアマネジメント学会での抄録発表や認定ケアマネジャーが位置づけられました。一層、はずみがつく大会になりそうです。次回の18年改定は介護報酬と診療報酬との同時改定で、これから3年間かけて「地域包括ケア」に向けた大改革が行われていくことになります。リアルなテーマとケアマネジメントの実践的なテーマを取り上げる本大会に、ぜひ参加していただき、いっしょに考えていきましょう。
――日本老年学会など、いわゆる老年7学会合同の大会ですね。
服部 「終末期医療における多職種連携」や「高齢者向け住宅と医療ニーズの高い高齢者のコミュニティケア」を議題とする合同シンポジウムなどがあり、合同大会ならではです。医療と介護の連携がますます現実の課題になってきているだけに、協働を学ぶ場になると思います。一般口演やポスター発表でも、服薬支援、入退院支援、地域ケア会議、施設マネジメント、食と栄養、認知症、支援困難事例、医療連携、ターミナルケア、教育研修、スーパービジョンなど、ケアマネジメントの大切なテーマが満載です。
――介護保険制度改革が進みますが、その中でのケアマネジャーの位置をどう見ますか。
服部 ケアマネジャーは正念場を迎えていると思います。全体的に基本報酬の引き下げが行われた15年改定でも、単体サービスの引き下げ額が大きく、政府は包括報酬のパッケージサービスへ誘因を図ろうとしています。特に、「通い」「訪問」「泊まり」がパッケージになった小規模多機能型居宅介護や包括報酬サービスを広げたいと考えています。人材不足の深刻化の中で制度の持続可能性をめざすねらいが背景にあるでしょう。大会2日目の大会長講演では、私から制度・報酬改定3カ月目の現状とケアマネジメントに求められる価値と役割について提起したいと考えています。
――ケアマネジャーは自立支援に向けて何をめざすのですか。
服部 要支援2は、本来要介護1と介護に要する時間は同じです。要支援2の人では、ひとりで入浴することができない人が多い。15年改定では、リハビリテーションからもアプローチがされていますが、在宅でできることを増やすためにどのような支援を行っていくか。医療ニーズも合わせて、しっかり在宅で支えるには、幅広い社会資源を活用できるよう、生活全般を捉えたケアマネジメントが必要です。特に認知症に関して、大会2日目、13日に特別講演「認知症と共に活きるコミュニティ・ケアマネジメント」が予定され、翌14日には若年性アルツハイマーの当事者の方の話をうかがい、考えていきます。
――要支援サービスが市町村事業へ移行し、ケアマネジメントのあり方も問われています。
服部 介護保険制度改定について本大会では様々な講演やシンポジウムでテーマになっています。大会3日目、14日の市民公開講座「在宅で最後までどう生きるか」では、基調講演「介護保険法改正と地域包括ケア」があり、厚労省老健局高橋謙司振興課長を講師に、在宅医療・介護に関わる医師、看護師、ケアマネジャー、ジャーナリストが寄ってシンポジウムを行います。
――他にアピールしていただくことは。
服部 大会2日目のイブニングセミナーには、車いすで人工呼吸器をつけてスピーチカニューレで歌う、青野浩美さんのソプラノコンサートがあります。ランチョンセミナーやモーニングセミナーでは、地域資源検索サイト「Ayamu」や徘徊感知センサー「ケアロボコール」、4月に地域支援事業へ移行した東京都品川区の現状報告なども。ワークショップ「ミッケルアート回想療法」「在宅ターミナルとマネジメント(佐々木栄子がん専門看護師)」などもあり、みなさんの参加を待っています。
〇学会参加費(会員・非会員)1万2,000円、学生5,000円
〇問合せ:プロコムインターナショナル内第14回日本ケアマネジメント学会研究大会in横浜みなとみらい運営担当(☎03・5520・8821、FAX03・5520・8820、e-メール:cm14@procomu.jp)
服部 介護保険15年改定で、主任ケアマネジャーについても更新制が導入され、その更新要件として、日本ケアマネジメント学会での抄録発表や認定ケアマネジャーが位置づけられました。一層、はずみがつく大会になりそうです。次回の18年改定は介護報酬と診療報酬との同時改定で、これから3年間かけて「地域包括ケア」に向けた大改革が行われていくことになります。リアルなテーマとケアマネジメントの実践的なテーマを取り上げる本大会に、ぜひ参加していただき、いっしょに考えていきましょう。
――日本老年学会など、いわゆる老年7学会合同の大会ですね。
服部 「終末期医療における多職種連携」や「高齢者向け住宅と医療ニーズの高い高齢者のコミュニティケア」を議題とする合同シンポジウムなどがあり、合同大会ならではです。医療と介護の連携がますます現実の課題になってきているだけに、協働を学ぶ場になると思います。一般口演やポスター発表でも、服薬支援、入退院支援、地域ケア会議、施設マネジメント、食と栄養、認知症、支援困難事例、医療連携、ターミナルケア、教育研修、スーパービジョンなど、ケアマネジメントの大切なテーマが満載です。
――介護保険制度改革が進みますが、その中でのケアマネジャーの位置をどう見ますか。
服部 ケアマネジャーは正念場を迎えていると思います。全体的に基本報酬の引き下げが行われた15年改定でも、単体サービスの引き下げ額が大きく、政府は包括報酬のパッケージサービスへ誘因を図ろうとしています。特に、「通い」「訪問」「泊まり」がパッケージになった小規模多機能型居宅介護や包括報酬サービスを広げたいと考えています。人材不足の深刻化の中で制度の持続可能性をめざすねらいが背景にあるでしょう。大会2日目の大会長講演では、私から制度・報酬改定3カ月目の現状とケアマネジメントに求められる価値と役割について提起したいと考えています。
――ケアマネジャーは自立支援に向けて何をめざすのですか。
服部 要支援2は、本来要介護1と介護に要する時間は同じです。要支援2の人では、ひとりで入浴することができない人が多い。15年改定では、リハビリテーションからもアプローチがされていますが、在宅でできることを増やすためにどのような支援を行っていくか。医療ニーズも合わせて、しっかり在宅で支えるには、幅広い社会資源を活用できるよう、生活全般を捉えたケアマネジメントが必要です。特に認知症に関して、大会2日目、13日に特別講演「認知症と共に活きるコミュニティ・ケアマネジメント」が予定され、翌14日には若年性アルツハイマーの当事者の方の話をうかがい、考えていきます。
――要支援サービスが市町村事業へ移行し、ケアマネジメントのあり方も問われています。
服部 介護保険制度改定について本大会では様々な講演やシンポジウムでテーマになっています。大会3日目、14日の市民公開講座「在宅で最後までどう生きるか」では、基調講演「介護保険法改正と地域包括ケア」があり、厚労省老健局高橋謙司振興課長を講師に、在宅医療・介護に関わる医師、看護師、ケアマネジャー、ジャーナリストが寄ってシンポジウムを行います。
――他にアピールしていただくことは。
服部 大会2日目のイブニングセミナーには、車いすで人工呼吸器をつけてスピーチカニューレで歌う、青野浩美さんのソプラノコンサートがあります。ランチョンセミナーやモーニングセミナーでは、地域資源検索サイト「Ayamu」や徘徊感知センサー「ケアロボコール」、4月に地域支援事業へ移行した東京都品川区の現状報告なども。ワークショップ「ミッケルアート回想療法」「在宅ターミナルとマネジメント(佐々木栄子がん専門看護師)」などもあり、みなさんの参加を待っています。
〇学会参加費(会員・非会員)1万2,000円、学生5,000円
〇問合せ:プロコムインターナショナル内第14回日本ケアマネジメント学会研究大会in横浜みなとみらい運営担当(☎03・5520・8821、FAX03・5520・8820、e-メール:cm14@procomu.jp)
(シルバー産業 新聞2015年6月10日号)