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新潟県後期高齢者医療広域連合 リスク者へ訪問歯科・栄養・服薬

新潟県後期高齢者医療広域連合 リスク者へ訪問歯科・栄養・服薬

 新潟県後期高齢者医療広域連合は健康保持・増進のための保健事業実施計画(データヘルス計画)を運用、来年度が6カ年の最終年度となる。レセプトや健診データをもとに健康課題をもつ対象者(ハイリスク者)を抽出し、適切な医療等へつながるよう受診勧奨を行う。

 新潟県後期高齢者医療広域連合は健康保持・増進のための保健事業実施計画(データヘルス計画)を運用、来年度が6カ年の最終年度となる。レセプトや健診データをもとに健康課題をもつ対象者(ハイリスク者)を抽出し、適切な医療等へつながるよう受診勧奨を行う。

 「在宅要介護者歯科保健事業」は、新潟市内で通院や健診が困難な要介護3~5の人へ歯科医師・歯科衛生士が訪問し、歯科健診や口腔ケアの指導等を行うもの。年1回まで無料で受けられる。「ケアマネジャーや地域包括、介護施設からの依頼が多い」と総務課新保大祐係長は説明する。20年度は34人が受診し、32人が要治療と判定。うち31人(96.9%)がその後の歯科受診につながり、計画値の78.5%を大きく上回った。

 また、「在宅訪問栄養食事相談事業」は低栄養、フレイル状態の被保険者宅を管理栄養士が訪問し、栄養改善をはかる取組み。6カ月間で3回訪問+手紙・電話による支援1回を行う。対象者は前年度の健診データから「BMI21.5未満」かつ「1年間で2㎏以上の体重減少」に該当する人を抽出する。20年度は対象者795人のうち107人が申請。入院等で中断した人などを除き、61人が3回訪問を完了、うち75.4%にあたる43人がBMI維持・改善に至った。

 「服薬相談事業」は薬剤師が在宅を訪問し、薬の管理や飲み方などの提案を行うもの。生活改善・健康増進とあわせて、自己負担額の軽減や医療費適正化も目的に含む。レセプトデータ上、「同月中で2医療機関以上の受診が3カ月連続している人」で、重複投薬や併用禁忌の処方が疑われる人へアプローチを行う。20年度は対象者794人中、訪問を実施したのは36人。アウトカム目標は、訪問翌月から3カ月間のレセプトで対象に該当しなくなった割合が50%。実績は58.3%(21人)だった。さらに、この21人の医療費は1月平均で4556円の削減となった。
 新保氏はこれら3事業について「各専門職の在宅のスキルを磨く場にもなっている。例えば管理栄養士が訪問すると、そこで薬や歯の困りごとも出てくる。生活全体の聞き取り、他専門職への連携は欠かせない支援となる」と話す。

「一体的実施」と連動

新保大祐係長

新保大祐係長

 計画の中間見直しでは、20年4月に施行された「高齢者の保健事業と介護予防の一体的実施」も事業に位置付けた。

 フレイル予防の普及啓発等を主体とする通いの場(ポピュレーションアプローチ)は6月現在、22市町村で実施。既存の健康教室にフレイルチェックのメニューを加え、改善割合を出す取組みが多いという。「専門職が参加しているので、受診勧奨等の個別支援(ハイリスクアプローチ)につながるケースも出てくるだろう」(同氏)。

(シルバー産業新聞2022年7月10日号)

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