インタビュー・座談会

AIケアプランの現場への普及を加速 シーディーアイ濵岡邦雅社長

AIケアプランの現場への普及を加速 シーディーアイ濵岡邦雅社長

 2018年10月に日本で初めて、人工知能(AI)を活用したケアプラン作成支援システム「MAIA(マイア)」を開発・商品化したシーディーアイ。昨年5月からは、第2世代AIエンジンを搭載した「SOIN(そわん)」としてリニューアルし、AIケアプランの現場への普及を加速させている。同社の濵岡邦雅社長に話を聞いた。

 ――「SOIN(そわん)」で何が実現できるのか。

 AIが学習した約50万件のデータの集合知と、1人ひとりのケアマネジャーが積み上げてきた知識・経験を組み合わせることができるので、より根拠のあるケアプランの策定、特に自立支援に向けたケアプランになっているかの確認が出来るなど、より質の高いケアマネジメントが実践できるようになる。

 ――「MAIA」と「SOIN(そわん)」の違いは。

 AIが学習したデータを基に、将来予測と自立支援型のケアプランを提案するというコンセプトに大きな違いはないが、業務にスマホがフル活用される時代を見据えてユーザーインタフェースを全面刷新するとともに、刻々と変化する現場ニーズに柔軟に対応出来るよう、自社開発した第2世代AIエンジンを搭載した。

 内容的には「MAIA」は自立支援につながるケアプランのみを提案していたが、「SOIN(そわん)」では、それに加え「同じような状態の利用者に対し、他のケアマネジャーがどんなケアプランを選んだのかも併せて提示出来る仕組みにした。これにより現場のケアマネジャーが、自分の立てたプラン、「SOIN(そわん)」が提案する自立支援型のプラン、さらに多くのケアマネに選ばれているプランの3つを比較し、利用者と話し合いながら最終的なケアプランを提示していける製品になっている。

 ――「SOIN(そわん)」の販売実績について。

 大手の介護事業者を中心に、現在、約5000名のケアマネジャーの方に有償利用していただいている。特に昨年12月にNDソフトウェアの「ほのぼのシリーズ」とシステム連携したことで、ユーザー数は急速に増えてきている。 また福祉用具レンタル卸の日本ケアサプライと資本提携を結んだことで、同社の営業拠点を通じて、全国の居宅介護支援事業所に「SOIN(そわん)」を提案する体制が整い、さらには本年10月から日本ケアコミュニケーションズの「ケアマネくん」とのシステム連携を開始したことで、これからさらにユーザー数が増えていくものと期待している。

 ――今後の成長率をどのように見ているか。

 居宅介護支援のケアマネジャーが全国に約10万人いるので、まずはシェア25%を目指したい。実際に「SOIN(そわん)」を使って頂き良さを知ってもらえれば、高い目標という気はしていない。さらに居宅介護支援だけでなく、施設介護のケアマネジャーにも利用してもらいたいと考えている。そのため、現在、「SOIN(そわん)」のアルゴリズムをカスタマイズした施設向けのケアプラン作成支援システムの開発を進めている。

 またシーディーアイは「AIケアプランだけの会社」と誤解されがちだが、私自身は「介護の世界に存在する課題をAIで解決する会社」だと定義している。これから先、ケアプラン以外の部分でも、AIを活用した画期的な製品を開発していきたい。

(シルバー産業新聞2021年11月10日号)

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