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くすりの富山県 全国一の生産額

くすりの富山県 全国一の生産額

 「富山といえば薬」。JR富山駅前に、富山の置き薬の売薬さんを追いかける子どもや、紙風船をもらって喜ぶ少女の銅像が置かれている。

 売薬さん(販売員)は全国で、お得意先の家々を一軒一軒回って、前回の訪問から風邪薬や胃腸薬など飲んだ分だけ集金して補充して帰った。これを「先用後利」といい、客との信頼を第一に「薬を売るより人を売れ」といわれた。

 全国の配置薬売上は、2015年、190億円の生産金額(うち富山県は92億円)がある。いまでこそ医薬品生産金額(6.8兆円)の0.3%程度に過ぎないが、富山や滋賀、奈良、佐賀などはこの商いが地域地場産業として、地域交流から得られる諸情報が大きな力となってきた。

 「いまも富山の医薬品生産金額は全国1位(7325億円、2015年)で、前年比18%の伸びをみせている」というのは、富山県くすり政策課の塩川智規課長。富山県薬事総合研究センターを始め、創薬研究開発センターや薬用植物指導センターなど研究機関も、企業や大学の創薬製薬研究のバックアップを行っている。
富山の薬業は、明治以降、 県内の銀行や電力、織物 企業の資金源となった

富山の薬業は、明治以降、 県内の銀行や電力、織物 企業の資金源となった

 「明治になって海外から新薬が入ってくるようになると、それまでの和漢生薬などを商う事業者は試練を迎えました。そうした時にも、各社が出資して新薬に対抗する会社を作ったり、行政も企業と一体になって支援しました。富山の銀行は薬屋さんが作ったところもあり、まさに富山県は薬のウェイトが大きいのです」

 富山県の産業別出荷額では医薬品が13.6%を占め、県内全産業トップの位置にある。医薬品メーカー従業者数(人口1万人あたり、2015年)は、全国平均8.1人に対して、富山は82.4人でダントツ。

 メーカー数(人口10万人当り)も全国平均1.3カ所に対して、富山は8.3カ所で第1位である。

右は富山県庁

右は富山県庁

(ねんりんピック新聞2018in富山)

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