インタビュー

日福協・小野木理事長 21年改定とウィズコロナ時代の福祉用具

日福協・小野木理事長 21年改定とウィズコロナ時代の福祉用具

 2021年4月の福祉用具サービス改定の内容が明らかになった。小野木理事長は貸与上限価格見直しの是正や歩行支援用具の貸与制の必要性を訴えた。6月21日に「第2回福祉用具専門相談員研究大会」を開催する予定。

 ――福祉用具貸与の上限価格制見直しが、3年ごとになった評価と影響について。

 18年改定で「1年1回」とされた福祉用具貸与の上限価格見直しが、21年4月から他サービス同様に「3年1回」となったのは幸いだった。しかし、厚労省の試算では今回の見直しによる財政削減効果は0.7%の減少とみるが、実際にはレンタル事業所の引下げ幅が広くなる可能性もあり予断はできない。今後の推移をみて、上限価格の見直し自体を行わないように国に要望していきたい。

 ――コロナ禍で、福祉用具や住環境整備が果たす役割は。

 福祉用具貸与は、3密を避ける非接触型のサービスである。福祉用具専門相談員による選定やモニタリングが実施される中で、本人や家族によって福祉用具が使われる。コロナ禍でデイやショートなどで事業抑制や利用自粛が起き、自宅での入浴機会が増えた。浴槽用手すり等の入浴支援用具など、福祉用具の需要はコロナ禍でも増える傾向にある。

 ――福祉用具での事故防止に向けた取り組み。

 日々、福祉用具サービス計画書の中で事故防止の注意喚起を行っている。21年改定では福祉用具の事故防止が「今後の課題」とされた。協会では、様々な福祉用具事故情報を会員に伝えており、事故防止の研修にも取り組みたい。

 ――21年改定論議で、退院・退所カンファレンスに福祉用具専門相談員の参加が位置づけられた。

 福祉用具貸与の利用が見込まれる場合、退院・退所カンファレンスに福祉用具専門相談員が出席し用具の提案を行うことは、スムーズに在宅に復帰するために大切なことだ。現状は、それができている事業者もあれば、できていない事業者もあり、制度として位置づけられることになれば、よいことだと思う。

 ――デイの入浴介助加算に、自宅での入浴を支援する場合の上乗せが検討されている。

 入浴用品の提案の機会になるだけではなく、在宅で使う用具と施設で使う用具の共通化も必要と考えられることから、施設へも提案していきたい。

 ――福祉用具貸与・販売種目の在り方が「今後の課題」に。

 歩行器や歩行補助つえなどの歩行支援用具が売り上げの20~25%を占める貸与事業所が多い。将来、仮に軽度者の用具が貸与から販売に移行するといった制度の改変ともなると、経営の根幹にもかかわる大きな問題になる。
 厚労省の指摘もあるように、特に軽度者の場合は状態像の変化によって短期間で用具を見直す必要が多く、現行のレンタルで対応するのが適切だ。販売になると、むだを生むことになるばかりでなく、最適でなくなった用具を使い続けることで状態の悪化や事故につながるおそれも出てくる。今後調査事業などを通じて、軽度者のレンタルの有用性を示していきたい。

 ――年明けには開催が見込まれる、福祉用具・住宅改修評価検討会への期待。

 ぜひとも最新の機器を入れてもらいたい。福祉用具はこれから様変わりするだろう。センサー機能とAIを活用し、見守り、事故防止、利用状況の把握、事故防止につながるメンテナスといった様々な効果が期待できる製品もでてくる。

 ――「第2回福祉用具専門相談員研究大会」6月21日に開催される。

 研究大会は毎年開催をめざすことで、福祉用具専門相談員のレベルアップになる。昨年はコロナにより延期となり残念だったが、「第2回研究大会」は6月21日、東京の日本教育会館で開催する予定だ。現在28題の登録がすでにあり、ウィズコロナの時代の新たな演題を公募している。Webで全国からも参加してもらいたい。

 ――「10月1日福祉用具の日」が20周年を迎える。

 広く福祉用具を知ってもらうために、福祉用具関連団体によって創設された「10月1日福祉用具の日」が20周年を迎えた。毎年各地では様々な催しが行われている。今月から、「10月1日福祉用具の日」20周年を迎えて川柳を募集している。最優秀賞1句10万円の賞金が出る。ぜひ、多くの人たちからの応募を願っている。

福祉用具川柳コンテスト募集

 「福祉用具の日」推進協議会(テクノエイド協会、日本作業療法士協会、日本福祉用具供給協会、日本福祉用具・生活支援用具協会)は、福祉用具の日創設20周年を記念して、福祉用具をテーマにした川柳を大募集する。

 「歩けるよ 魔法使いの 杖かしら」(案内ちらしの1句)など、だれでも応募できる。応募期間は2021年1月1日~3月31日。最優秀賞1句10万円、優秀賞2句各3万円、佳作10句各5000円。審査委員長は蒲原基道氏(元厚生労働事務次官)。 応募は、日本福祉用具供給協会専用ホームページ(https://www.fukushiyogu.or.jp/yougunohi/senryu20/)、FAX(03-3434-3414)、郵送、はがきのいずれか。問合せ(☎03・6721・5222)

(シルバー産業新聞2021年1月10日号)

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