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《ねんりん開催地》綾瀬ロケーションサービス(神奈川県綾瀬市)

 生田斗真、神木隆之介、小栗旬、竹内涼真、佐藤健、綾野剛、嵐…今人気の若い俳優たちがこぞって訪れたのが、県中央部に位置する綾瀬市だ。

 市民と連携し、8年間で150作品ものドラマや映画のロケ誘致に成功したこの地域は「イケメンが集まるまち」と呼ばれ話題を集めている。

 映像作品のロケ地を尋ね、風景や食、人々に触れてその地域のファンになることを指す「ロケツーリズム」に注目した市は、2014年に「綾瀬ロケーションサービス」をオープン。市民ボランティアで結成された「あやせ市ブタッコリ~ロケ隊(以下:ブタロケ隊)」とタッグを組み、地域活性化に向けて様々な取組みを行ってきた。

 撮影で使用された場所には、22基のロケ地看板を設置。ロケ地ツアーやシンポジウムでは、地域市民に取組みへの理解を深めてもらうために監督・出演者のトークイベントなども開催した。
手厚いサポート体制が口コミに

 撮影では、市役所や公園、文化会館などの公共施設が多く使用される。市の商業観光課の相原沙緒里さんは「目立った観光地はなく、日常に溶け込むような何気ない風景が特長」と口にする。では、なぜ綾瀬市が次々にロケ誘致を成功させているのか。相原さんは「手厚いサポート体制が最大のポイント」と続けた。

 市ではエキストラを常時募集しており、現在は幼児から高齢者まで約380人が登録。何作にも出演した〝プロエキストラ〟の存在も。また、サービスの中心となって活躍するブタロケ隊は、交通整備や人員誘導など撮影のアシスト役も率先して引き受ける。

 ロケ地として登録されている施設は病院やオフィス、個人宅など約170カ所と多様。制作側からはイメージに近い場所を探しやすいと評判だ。

 こうした市民の協力から、何度も撮影に訪れるリピーターや、業界内で広がる口コミが影響し、8年間で150作品のロケ地に選ばれるという実績が生まれた。

 市役所で行われたロケでは、最高視聴率13・6%を記録した17年のドラマ「コウノドリ」で屋上が、20年のドラマ「恋はつづくよどこまでも」で敷地内のベンチがレギュラー登場し話題に。放送後には、聖地巡りやなりきり写真を撮りに多くの観光客が訪れた。

 同課の稲谷雄介さんは「市外の人にもっと綾瀬市を知ってもらうために、いつか市内を舞台にした長編映画を撮ってもらいたい」と意気込んだ。

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