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ねんりんピック新聞 2023 in 愛媛 インタビュー ウォークラリー

ねんりんピック新聞 2023 in 愛媛 インタビュー ウォークラリー

観察力の鍵は好奇心早くても遅くても減点
奈良県橿原市 北浦宏宰さん(81)

 ウォークラリーは、会場ごとに設定されたコース図を見ながらチェックポイントを回り、ゴールを目指す日本発の野外レクリエーション。各チェックポイントでの課題の達成度とゴールまでの時間の合計得点を競う。ねんりんピックでは、一チーム5人、全国から参加する40チームで優勝を争う。

 各ポイントでは、風景や建物、標識の内容などを観察して記憶しておき、後ほど出される課題(例:橋の長さは何メートルでしたか、など)にチームのメンバーで相談しながら解答する。
 また、ゴール到達の目標時間は、主催者より歩く速さや課題解決の時間を加味してコース独自に設定されており、参加者には知らされていない。早くても遅くても減点されるのが特徴。体力差や年齢・性別に関係なく幅広い人が参加し、楽しむことができる。

過去にはソフトバレーボールでねんりんピック出場

 奈良県代表の北浦宏宰さん(81歳)は、ウォークラリーの選手としては、今回が初めてのねんりんピック出場となる。
 長年、バレーボールに情熱を注いできた。高校入学時、身長1m82㎝と背が高いことを理由にバレーボール部にスカウトされた。それまで競技経験はなくゼロからのスタートだったが、猛練習を重ね近畿大会に出場し、ベストスリーの成績を残した。大学卒業後は企業に就職し、しばらく競技から離れていた。

 あるとき、県の市郡対抗スポーツ大会への出場を誘われたことをきっかけに地域のスポーツクラブでバレーボールを再開した。大会が近づくと仕事終わりに少なくとも週2回、夜遅くまで練習した。県で準優勝の経験もあり、45歳頃までクラブでバレーボールを続けた。
 それ以降はソフトバレーボールに転向し、地域のママさんバ
レーのコーチも務めた。75歳頃まで続け、ソフトバレーボールでもねんりんピックに複数回出場し、最高3位入賞をはたしたこともある。

ウォークラリーで新たな挑戦

 スポーツへの情熱や健康への意識は保ち続けていたが、年齢
を重ねるごとにジャンプ力や瞬発力、動体視力の衰えを自覚す
るようになった。「指導者としてチームを強くする場合にも、ある程度、自分でプレーを実践できなければならない」と当時の状況を振り返る。
 そのような中、県内の高齢者の健康増進に取り組む県社協すこやか長寿センターで、年齢に関らず歩くことを通して競技を楽しめるウォークラリーを勧められた。

 新しい競技に取り組みおよそ6年、今年5月に行われた県の高齢者スポーツ文化交流大会「ならシニア元気フェスタ」のウォークラリー部門で北浦さんのチームが優勝。ねんりんピックへの出場を決めた。
 「歩きながら景色を見て、時間配分をしながら課題に取り組む。幅広い年代の人とコミュニケーションを取れることも競技
の魅力」と北浦さんは語る。

メンバーの観察力・協力が課題解決の鍵

 今回出場するチームは、男性3名、女性2名の計5人。年齢は67歳から81歳で、北浦さんが最高齢となる。メンバーとは、高松塚古墳や石舞台古墳で有名な国営飛鳥歴史公園のボランティアとしてのつながりもあり競技歴も近い。
 「チェックポイントでの課題解決のためにチームで相談する。メンバーの観察力が重要」と北浦さんは強調する。
 大会に向けて毎日30分以上のウォーキングは欠かさない。2
週間に1度程度は集まれるメンバーで一緒に歩きコミュニケー
ションをとる。

 「観察力を磨くためには好奇心を持ち続けること。競技を始めたころと比べて時間配分や、出題点を予想する感覚も養われ
てきた」と北浦さんは言う。
 十分な食事と睡眠、ボランティア活動を通した様々な組織・団体との交流が健康維持の源と語る北浦さん。「愛媛大会では、県代表としてチームでよい成績を残すことが目標。一方で、会場である上島町の豊かな自然や文化、ゆめしま海道などの景勝地も楽しみたい」と意気込む。

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