連載《プリズム》

ひとりと皆のためのデータ集積

ひとりと皆のためのデータ集積

 慶応大学医学部の宮田裕章教授は、ヘルスデータサイエンスや医療の質、医療政策が専門。講演で、医療は患者の生命を助けるために、常に「明確かつ客観的な指標を定め、評価・改善を行っていかなければならない」と言った。(プリズム2019年12月)

 AIデータの活用は、医療分野に留まらず、時代の諸課題を解決する不可欠なツールとして活用しなければならないと述べている。一人ひとりの健康や介護、治療に関するデータが集まり、膨大なデータとなって、これに個別のデータを照合することで、最適なケアや診断を導く基礎ツールになる。個別の健康関連データが集積することで社会のために役立つと同時に、個々のケアや診断に役立てられる。データが集まれば集まるほど、データの精度が高ければ高いほど、信頼のおけるデータベースになる。ラグビーでいう「One For All、All For One(ひとりはみんなのために、みんなはひとりのため)」の関係だ。

 すでに、要介護認定調査の1次判定で同様な仕組みがある。介護保険が始まる前、優れたケアを実践する特養と老健で、5000人の利用者の1分間タイムスタディ調査が実施された。どのようなADL状態の人が、どのようなケアを受けているのか、このデータを取るのが目的で、これに認定調査の結果を当てはめて、介護に要する時間(要介護度)を推定している。

 宮田教授は「2012年、アマゾンやグーグルなどGAFAと呼ばれるデータメジャー4社の株式の時価総額は、石油メジャー4社の時価総額を超えた。20世紀の産業の種だった石油に代わって、クラウド技術を使って、データという実体のないものが、経済を駆動する新しい資源になった。さらに、データメジャー各社は、ヘルスケアへの指向を強めている」と話した。介護保険では、21年を目途に、サービス評価や報酬に関わる、介護データのデータベース「CHASE(チェイス)」が動き出す見込み。

(シルバー産業新聞2019年12月10日号)

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