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【アンケート】ケアマネジャーの処遇改善「必要」91%
2月より、政府による介護職員の「月9000円賃上げ」が始まる。これに先立ち、本紙では昨年11月~12月にかけて全国のケアマネジャーを対象に「公的価格の抜本的見直し」をテーマにアンケートを実施。144件の回答が得られた。調査の結果「公的価格の抜本的見直し」について「期待している」と回答したケアマネジャーは53%で、「期待していない」は47%と評価が二分した。また、「ケアマネジャーの処遇改善は必要か」との問いでは91%が「必要」と回答。現場からケアマネジャーの処遇改善を求める声が多く寄せられた。
Q1「岸田首相が唱える公的価格の抜本的見直し(介護職員等の賃上げ)に期待していますか?」
「公的価格の抜本的見直し」とは、介護や医療・保育など、社会の基盤を支える現場で働く人たちの所得向上に向け、介護報酬などの公的価格のあり方を抜本的に見直し、処遇改善を図っていく政策を指す。
政府は「介護職員の収入を3%程度引き上げる」ための費用として、今年度の補正予算で1000億円を計上。今年2~9月までの8カ月間、138万人(常勤換算)の介護職員に対して、月額9000円程度の賃上げを行う方針だ。さらに10月以降は、臨時の介護報酬改定を行い、処遇改善に必要な財源を手当てしていく考えになっている。
昨年12月に厚生労働省が示した新たな処遇改善策の事業概要では、補助金を取得できるのは、「介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを取得している事業所となっており、そもそも同加算を算定できない居宅介護支援は対象外の考えが示されている。
アンケートでは、この「公的価格の抜本的見直し(介護職員等の賃上げ)」に期待しているかどうか尋ねたところ、「期待している」と答えたケアマネジャーが53%、「期待していない」と答えたケアマネジャーが47%となり、評価が分かれる結果となった。
その理由を自由記述で尋ねたところ「期待している」と答えた意見で最も多かったのが、処遇改善によって人材確保が期待できるとする意見。
「ヘルパーやケアマネなどの人材不足が危機的状況であり、公的価格の抜本的見直しによる処遇の改善が必要」(兵庫県、男性)、「介護、看護、保育で働く人たちの収入は、他産業と比較して低く、人材不足になっている一つの要因だと思う。人材不足になると、質も低下する負のスパイラルになるため、収入増とともに質の改善も必要」(宮崎県、男性)などの意見が寄せられた。
さらに、「期待する」の意見で多かったのが、処遇改善を行う介護職員の対象範囲の拡大を期待する意見だ。
「介護職員だけの処遇改善だけでなく、介護で働く全職種の改善を期待している」(北海道、女性)、「介護職員と言っても一部の職種ばかりの処遇改善が行われており、全体としての改善を期待している」(長野県、男性)など、職種やサービス種別に縛られない処遇改善の仕組みに期待を寄せていることが分かった。
一方、「期待しない」とした意見で多かったのは、金額の低さから、処遇改善効果を疑問視する意見。「見直されても、たいした賃金改善にならないと思う」(秋田県、女性)、「介護、看護、保育で働く人の収入を増やすと明言されたことは前進だと思うが、月額9000円でどれ程の改善効果があるのか期待できない」(京都府、女性)などの意見があった。
また、「期待できない」で多かったのが、ケアマネジャーが処遇改善の対象にならないことを指摘する意見。「これまでも介護職員の処遇改善策は施行されたが介護支援専門員は除外されてきたため」(栃木県、女性)、「今の時点の案で、介護職員、看護師、保育士の給与改善と言っており、ケアマネの給与改善案が上がっていない。仕事量が一番多い職種であるのに全く評価されていないように感じている」(北海道、女性)などの意見が寄せられた。
政府は「介護職員の収入を3%程度引き上げる」ための費用として、今年度の補正予算で1000億円を計上。今年2~9月までの8カ月間、138万人(常勤換算)の介護職員に対して、月額9000円程度の賃上げを行う方針だ。さらに10月以降は、臨時の介護報酬改定を行い、処遇改善に必要な財源を手当てしていく考えになっている。
昨年12月に厚生労働省が示した新たな処遇改善策の事業概要では、補助金を取得できるのは、「介護職員処遇改善加算(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)のいずれかを取得している事業所となっており、そもそも同加算を算定できない居宅介護支援は対象外の考えが示されている。
アンケートでは、この「公的価格の抜本的見直し(介護職員等の賃上げ)」に期待しているかどうか尋ねたところ、「期待している」と答えたケアマネジャーが53%、「期待していない」と答えたケアマネジャーが47%となり、評価が分かれる結果となった。
その理由を自由記述で尋ねたところ「期待している」と答えた意見で最も多かったのが、処遇改善によって人材確保が期待できるとする意見。
「ヘルパーやケアマネなどの人材不足が危機的状況であり、公的価格の抜本的見直しによる処遇の改善が必要」(兵庫県、男性)、「介護、看護、保育で働く人たちの収入は、他産業と比較して低く、人材不足になっている一つの要因だと思う。人材不足になると、質も低下する負のスパイラルになるため、収入増とともに質の改善も必要」(宮崎県、男性)などの意見が寄せられた。
さらに、「期待する」の意見で多かったのが、処遇改善を行う介護職員の対象範囲の拡大を期待する意見だ。
「介護職員だけの処遇改善だけでなく、介護で働く全職種の改善を期待している」(北海道、女性)、「介護職員と言っても一部の職種ばかりの処遇改善が行われており、全体としての改善を期待している」(長野県、男性)など、職種やサービス種別に縛られない処遇改善の仕組みに期待を寄せていることが分かった。
一方、「期待しない」とした意見で多かったのは、金額の低さから、処遇改善効果を疑問視する意見。「見直されても、たいした賃金改善にならないと思う」(秋田県、女性)、「介護、看護、保育で働く人の収入を増やすと明言されたことは前進だと思うが、月額9000円でどれ程の改善効果があるのか期待できない」(京都府、女性)などの意見があった。
また、「期待できない」で多かったのが、ケアマネジャーが処遇改善の対象にならないことを指摘する意見。「これまでも介護職員の処遇改善策は施行されたが介護支援専門員は除外されてきたため」(栃木県、女性)、「今の時点の案で、介護職員、看護師、保育士の給与改善と言っており、ケアマネの給与改善案が上がっていない。仕事量が一番多い職種であるのに全く評価されていないように感じている」(北海道、女性)などの意見が寄せられた。
Q2「ケアマネジャーの処遇改善が必要だと思いますか?」
アンケートでは、ケアマネジャーの処遇改善が必要かどうかも尋ねた。その結果、91%ものケアマネジャーが「ケアマネジャーの処遇改善は必要」と回答。現場からはケアマネジャーの処遇改善を強く求める声が多く寄せられた。
特に多かったのは、「介護保険サービスにおいて、介護職員等には処遇改善加算があるが、ケアマネにないのはおかしい」(兵庫県、女性)、「他の職種に処遇改善手当があってケアマネにないのは論外」(北海道、女性)など、処遇改善加算の対象外となっていることを問題視する意見や、「介護職の方が、給与額が高い状況なので、経験を積んで専門資格をとってもどうなんだろうという思いがある」(長野県、男性)、「介護福祉士と同額程度は必要だと思う」(宮城県、女性)など、処遇改善が進む介護福祉士の給与を意識した意見も多くあった。「介護福祉士等の国家資格をとって、経験を積まないと取得できない資格なので、それなりの処遇改善がないと、今後、なり手がいなくなってしまう」(栃木県、男性)といった、居宅介護支援が処遇改善加算の対象外となっていることが、人材流出に繋がっている点を指摘する意見もあった。
公的価格の抜本的見直しが、職種に限らず幅広く賃金改善が行える事業内容となるか注目が集まる。
(シルバー産業新聞2022年1月10日号)
特に多かったのは、「介護保険サービスにおいて、介護職員等には処遇改善加算があるが、ケアマネにないのはおかしい」(兵庫県、女性)、「他の職種に処遇改善手当があってケアマネにないのは論外」(北海道、女性)など、処遇改善加算の対象外となっていることを問題視する意見や、「介護職の方が、給与額が高い状況なので、経験を積んで専門資格をとってもどうなんだろうという思いがある」(長野県、男性)、「介護福祉士と同額程度は必要だと思う」(宮城県、女性)など、処遇改善が進む介護福祉士の給与を意識した意見も多くあった。「介護福祉士等の国家資格をとって、経験を積まないと取得できない資格なので、それなりの処遇改善がないと、今後、なり手がいなくなってしまう」(栃木県、男性)といった、居宅介護支援が処遇改善加算の対象外となっていることが、人材流出に繋がっている点を指摘する意見もあった。
公的価格の抜本的見直しが、職種に限らず幅広く賃金改善が行える事業内容となるか注目が集まる。
(シルバー産業新聞2022年1月10日号)