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主治医意見書で「安定」 福祉用具販売の際は慎重な判断を

 今年4月より開始された福祉用具貸与・販売の選択制。販売への移行を提案する場合は、医師やリハ職の意見、多職種による協議の結果を踏まえる必要があるとされる。
 4月30日に発出された2024年介護報酬改定Q&A(Vol.5)では、福祉用具貸与・特定福祉用具販売に関する医学的所見の取得に当たり、所見の取得方法や様式に特段の定めはないとされたが、医学的所見として要介護認定申請時の主治医意見書を使用する場合は注意が必要となる。

 主治医意見書には、医師が傷病に対する意見として「症状としての安定性」を▽安定▽不安定▽不明――の3段階で評価する項目がある。
 しかし、これらの安定性の評価は、「要介護状態となった直接の原因となる疾患」への評価であり、「利用者の心身の状態の全体像を反映したもの」ではない。
 例えば、高齢者で脳梗塞が原因で半身麻痺となり、急性期病院や回復期リハ病棟を経て自宅退院したようなケースでも、一定の期間、新たな麻痺が出現せず、薬の内服のみで状態が落ち着いているような場合は「安定」と判定される。
 ケアをする家族や在宅での住環境、リハビリテーションの状況、転倒や骨折の原因となる合併症などのすべてを反映しているわけではなく、選択制の対象種目を安定して長期利用できるという意味ではない。
 『主治医意見書の症状の安定性の項目が「安定」であっても安易に利用者の状態を判断せず、専門職を含めた多職種での協議を踏まえて貸与・販売の選択をすべき』と厚労省は指摘する。

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