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「史上最悪の介護保険改定を許さない!!会」が発足

「史上最悪の介護保険改定を許さない!!会」が発足

 社会学者の上野千鶴子さんや、高齢社会をよくする女性の会、認知症の人と家族の会のメンバーらは、次期介護保険制度改定に向けて「史上最悪の介護保険改定を許さない!!会」を立ち上げた。

 コロナ禍や折からの物価高で、高齢者の生活や介護事業者らの運営は厳しい状況にある。「国はこうした国民や介護事業者らの実態に目を向けることなく、利用者負担を2倍にする、ケアプランを有料にするなど、サービスの圧縮と利用者負担の増大を求めている」とし、問題点として次の5点を挙げている。

 1.自己負担2割を標準にするな
 2.要介護1・2の訪問介護、通所介護を地域支援・総合事業に移すな
 3.ケアプランを有料にするな
 4.福祉用具の一部をレンタルから買い取りにするな
 5.施設にロボットを導入して職員配置を減らすな

 会はアピール方法として、10月5日から11月18日まで、オンラインによる4回の連続セミナーと、院内集会、記者会見を予定している。すでに、第1回のセミナー(10月5日)と第2回のセミナー(10月19日)は開かれ、その様子はYouTubeで配信されている。3回目は11月3日、4回目は11月10日(木)を予定。
 
 また、院内集会と記者会見は、11月18日(金)の14時から衆議院議員会館を予定している。

 第1回目のテーマは「総論、利用者の原則2割負担とケアマネジメント有料化を中心に」。小島美里さん(暮らしネットえん)、服部万里子さん(ケアマネジャー)、上野千鶴子さん(ウィメンズアクションネットワーク)、袖井孝子さん(高齢社会をよくする女性の会)、鈴木森夫さん(認知症の人と家族の会)、柳本文貴さん(グレースケア機構)らがそれぞれの立場から現状を伝えた。

 特に服部さんは、2000年から始まった介護保険制度を俯瞰し、じわじわと給付の抑制とサービスの縮小が進んできた現状を具体的に説明した。若い世代や介護保険をあまり知らない人にも制度が分かりやすく伝わり、全国民必見の内容になっている。

 第2回目のテーマは、「要介護1、2の総合事業移行」と「福祉用具の買い取り」。メインスピーカーの日下部雅喜さん(大阪社会保障推進協議会)は、総合事業についての基本的な考え方やその全容を詳しく説明し、総合事業がよく分かったという声が多く寄せられている。

 また、福祉用具については、おむつ研究家で有名な浜田きよ子さん(高齢生活研究所、排泄用具の情報館)が、「暮らしを支える福祉用具」と題して話した。浜田さんは、親の介護から福祉用具の重要性に気付き、その有難みから現在では800点の福祉用具を展示し、おむつ類は何と400点。無料で相談も受けている。

 福祉用具は自立や介護を助けるが、選び方や使い方を間違えてはいけないと強調する。杖一本でも生活が変わる。長さ、握りの形状などその人に合わないといけない。ゴムの摩耗は転倒につながる。杖一つでも地域によって選び方が違うし、住居に向いているかも大事。「自分で簡単に選んでいいものではない。購入対象品になれば、安いものを買って折れた、転倒した、骨折した、などが起きるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

 第3回目のテーマは「介護施設の職員配置基準をICTで引き下げることはできない」。施設介護の講師を務めてきたベテランの高口光子さん(元気がでる介護研究所代表)が、「4:1配置で介護はますます働きにくくなる」について、坂野悠己さん(総合ケアセンター駒場苑施設長)が「4:1配置で施設のケアが監視と管理に変わる!」と題して話す予定。

 参加申込は
 https://peatix.com/event/3385272/watch_stream

 以後の予定は
 認定NPO法人ウィメンズ アクション ネットワーク(WAN)
 https://wan.or.jp

 これまでのYouTube配信は
 1回目
 https://www.youtube.com/watch?v=s-7b8TvEPV0

 2回目
 https://www.youtube.com/watch?v=MCf1HdjjtzY

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