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4月稼働「ケアプランデータ連携システム」
居宅介護支援事業所と介護サービス事業所間のケアプランのやり取りをデータで行うための「ケアプランデータ連携システム」が4月から稼働する。従来のFAXや手渡しでのやり取りをデータ化し、共有や転記にかかる業務と費用の軽減を図るのが狙いだ。本格稼働に向けて、ここまでの最新情報、またシステム利用の前提となる介護ソフトの対応をまとめた。
そもそも「ケアプランデータ連携システム」とは、居宅介護支援事業所と、介護サービス事業所との間で交わされるケアプランの1表、2表、6表、7表のデータ連携を目的とした、「全国共通の情報連携基盤」のこと。厚労省が今年度予算で必要な経費を確保し、現在、国民健康保険中央会でシステム開発が行われている。ケアプランのデータでのやり取りが進むことで、これまでFAXや郵送、または持ち込みなどにかかっていた時間と、実績データの入力にかかる時間などの削減を目指している。
データ受け渡しのフロー
ケアプランデータ連携システムは、介護事業所に設置される「ケアプランデータ連携クライアント」と、運用センターに設置される「ケアプランデータ連携基盤」で構成される。まずはこの2つの名称をしっかりと覚えておきたい。
「ケアプランデータ連携クライアント」は、パソコン上でケアプランのデータをアップロードしたり、ダウンロードするためのソフトウェアのことを指し、「ケアプランデータ連携基盤」は、クラウド上に設置される、ケアプランデータを置いておくためのフォルダのことを指す。
データをやり取りする具体的な手順だが、まずケアマネジャーが利用している介護ソフトでケアプランを作成し、それをCSVファイルとして出力する。その出力データを、先ほどの「ケアプランデータ連携クライアント」を使って、「ケアブランデータ連携基盤」にアップロードする。この際、セキュリティ確保の面から、電子証明書が自動で付与される仕組みになっている。ここまでが送信側の手順となる。
一方、データを受け取る側のサービス事業所は、クラウド上に保管されたケアプランデータを、同じく「データ連携クライアント」を使ってダウンロードし、事業所で使う介護ソフトに取り込むことで、ケアプランが共有できるようになる。
サービス事業所から居宅介護支援事業所へ実績データを送る場合は、この手順の逆を行えばよい(図)。
「ケアプランデータ連携クライアント」は、パソコン上でケアプランのデータをアップロードしたり、ダウンロードするためのソフトウェアのことを指し、「ケアプランデータ連携基盤」は、クラウド上に設置される、ケアプランデータを置いておくためのフォルダのことを指す。
データをやり取りする具体的な手順だが、まずケアマネジャーが利用している介護ソフトでケアプランを作成し、それをCSVファイルとして出力する。その出力データを、先ほどの「ケアプランデータ連携クライアント」を使って、「ケアブランデータ連携基盤」にアップロードする。この際、セキュリティ確保の面から、電子証明書が自動で付与される仕組みになっている。ここまでが送信側の手順となる。
一方、データを受け取る側のサービス事業所は、クラウド上に保管されたケアプランデータを、同じく「データ連携クライアント」を使ってダウンロードし、事業所で使う介護ソフトに取り込むことで、ケアプランが共有できるようになる。
サービス事業所から居宅介護支援事業所へ実績データを送る場合は、この手順の逆を行えばよい(図)。
利用に必要なものと環境
ケアプランデータ連携システムを利用するには、まずパソコンが必要になる。対応OSはWindows10以降とされており、Macやスマートフォンには対応していない点に注意が必要。
さらに、介護請求に関する電子証明書が必要になる。こちらは、国保連の電子請求システムを利用する際に、発行されているものと同じなので、すでに電子証明書を持っている場合は、取得は不要だ。
三つ目は、先ほど説明した「ケアプランデータ連携クライアント」のソフトをダウンロードしていること。こちらは、4月14日以降、国保連のウェブサイトで、無料でダウンロードできる。
四つ目に、厚労省の「ケアプラン標準仕様」に準拠した介護ソフトが必要。この標準仕様とは、異なるベンダー同士でも、データ連携ができるように、国が項目の順番や選択肢などについて、フォーマットを統一したものを指す。
すでに3年前から規格が統一されているため、ケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフト同士では、現在でもメールなどで、ケアプランデータを共有できるようになっている。今回のデータ連携システムは、さらにもう一歩先に進めて、そうしたやり取りを国保連のシステムを使い、クラウド上でより安全に共有できるようにしたもの。
この際、注意が必要なのは、「ケアプラン標準仕様」は、昨年8月に最新版(第3版)にバージョンアップされており、第3版の標準仕様に準拠した介護ソフトを使わないと、うまくデータ連携ができない可能性がある。そのため、データ連携システムの利用を検討する際は、まずはお使いの介護ソフトのベンダーに、「標準仕様」の最新版に対応しているかどうかを確認する必要がある。
さらに、介護請求に関する電子証明書が必要になる。こちらは、国保連の電子請求システムを利用する際に、発行されているものと同じなので、すでに電子証明書を持っている場合は、取得は不要だ。
三つ目は、先ほど説明した「ケアプランデータ連携クライアント」のソフトをダウンロードしていること。こちらは、4月14日以降、国保連のウェブサイトで、無料でダウンロードできる。
四つ目に、厚労省の「ケアプラン標準仕様」に準拠した介護ソフトが必要。この標準仕様とは、異なるベンダー同士でも、データ連携ができるように、国が項目の順番や選択肢などについて、フォーマットを統一したものを指す。
すでに3年前から規格が統一されているため、ケアプラン標準仕様に準拠した介護ソフト同士では、現在でもメールなどで、ケアプランデータを共有できるようになっている。今回のデータ連携システムは、さらにもう一歩先に進めて、そうしたやり取りを国保連のシステムを使い、クラウド上でより安全に共有できるようにしたもの。
この際、注意が必要なのは、「ケアプラン標準仕様」は、昨年8月に最新版(第3版)にバージョンアップされており、第3版の標準仕様に準拠した介護ソフトを使わないと、うまくデータ連携ができない可能性がある。そのため、データ連携システムの利用を検討する際は、まずはお使いの介護ソフトのベンダーに、「標準仕様」の最新版に対応しているかどうかを確認する必要がある。
システム利用で期待できる効果
厚労省の調査研究では、ケアプランデータ連携システムを利用することで、ケアプランの受け渡しにかかる作業時間が、これまでの3分の1に軽減されるという試算結果が出ている。また、転記ミスによる返戻リスクがなくなるので、心理的負担も軽減される。
さらに、人件費や印刷費など、1事業所あたり月6万8000円、年間で81万6000円の費用削減効果が得られるとの試算もある。
厚労省の調査では、居宅介護支援事業所の8割以上、介護サービス事業所の7割以上が「利用意向あり」と答えていて、ケアプランデータ連携システムに対する現場の期待は非常に高い。
利用料金は2万1000円(税込)。4月1日からシステムの利用申請の受付が始まり、4月20日から本格稼働が予定されている。
同システムをうまく活用することで、サービスの質向上や、従事者のワークライフバランスの改善につなげることが期待できる。
(シルバー産業新聞2023年2月10日号)
さらに、人件費や印刷費など、1事業所あたり月6万8000円、年間で81万6000円の費用削減効果が得られるとの試算もある。
厚労省の調査では、居宅介護支援事業所の8割以上、介護サービス事業所の7割以上が「利用意向あり」と答えていて、ケアプランデータ連携システムに対する現場の期待は非常に高い。
利用料金は2万1000円(税込)。4月1日からシステムの利用申請の受付が始まり、4月20日から本格稼働が予定されている。
同システムをうまく活用することで、サービスの質向上や、従事者のワークライフバランスの改善につなげることが期待できる。
(シルバー産業新聞2023年2月10日号)