第21回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(基礎) 一問一答

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問26

高齢者に多い症状や疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。

1パーキンソン病の臨床的重症度の評価は、NYHAの重症度分類によって行う。

2狭心症の発作に対しては、ニトログリセリン製剤の投与が効果的である。

3褥瘡は、大転子部には発症しにくい。

4疥癬は、集団感染の危険性がある。

5肝不全の症状として、食欲不振、全身倦怠感、黄疽がみられることが多い。

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正解は…2・4・5
  1. パーキンソン病の臨床的重症度の評価は、Hoehn&Yahrの臨床的重症度分類を用いる。NYHA(New YorkHeart Association)の重要分類は心不全の重症度分類である。
  2. 大転子部は褥瘡の好発部位である。

問27

次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。

1深部静脈血栓症(いわゆるエコノミークラス症候群)は、こまめに足を動かして予防に努める。

2福祉避難所は、高齢者など何らかの特別な配慮を必要とする者を対象とし、その家族は対象としない。

3避難所で生活している場合には、介護保険サービスの提供は受けられない。

4介護老人保健施設は、非常災害に関する具体的計画を立てなければならない。

5避難所では、体を動かす機会が減り、筋力が低下することによって、生活不活発病となることがある。

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正解は…1・4・5
  1. 福祉避難所は高齢者など何らかの配慮を必要とする者を対象とするとともに、その家族も対象としている。
  2. 介護保険サービスは避難所で生活している場合も受けることができる。

問28

感染症と感染経路の組合せについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1結核 - 空気感染

2疥癬 - 飛沫感染

3インフルエンザ - 空気感染

4腸管出血性大腸菌感染症 - 接触感染

5流行性耳下腺炎 - 飛沫感染

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正解は…1・4・5
  1. 疥癬は接触感染である。
  2. インフルエンザは飛沫感染である。飛沫感染は咳などで生じた飛沫粒子は約1mの距離で落下するのに対し、結核などの空気感染は咳などで生じた飛沫核が空中を浮遊し、飛沫感染より長距離を伝播する。

問29

次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。

1腹囲は、メタボリックシンドロームの診断に使われる。

2血清アルブミン値は、栄養状態の指標とはならない。

3血中尿素窒素(BUN)は、腎機能の指標となる。

4白血球数は、細菌感染で減少する。

5AST(GOT)は、心臓の疾患でも上昇することがある。

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正解は…1・3・5
  1. 血清中に含まれるたんぱく質の総量を、血清総たんぱくといい、その主成分がアルブミンである。血清アルブミン値は高齢者の長期にわたる栄養状態をみるための指標として最も有用である。
  2. 白血球数は細菌感染で増加する。

問30

バイタルサインについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1生命の維持にかかわる最も基本的な情報をいう。

2意識レベルは、バイタルサインには含まれない。

3感染症にかかっても、発熱しないことがある。

4脱水では、徐脈がみられる。

5除圧剤によって起立性低血圧を起こすことある。

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正解は…1・3・5
  1. 意識レベルもバイタルサインに含む。
  2. 脱水では頻脈がみられる。

問31

高齢者に多い症状や疾患について正しいものはどれか。3つ選べ。

1フレイルとは、高齢になって筋力や活動が低下している状態を指す。

2機能性尿失禁とは、くしゃみ、咳などによって尿がもれることである。

3急性緑内障発作では、頭痛、嘔吐がみられることがある。

4慢性腎不全では、全身倦怠感、動悸、頭痛、浮腫などの症状がみられることがある。

5加齢によるインスリンの増加が、糖尿病の原因である。

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正解は…1・3・4
  1. くしゃみ、咳などの動作で腹圧が高まり、尿が漏れるのを腹圧式尿失禁という。機能性尿失禁は、膀胱や尿道の機能が正常であるにもかかわらず、認知症や麻痺のため尿器に排尿できない状態をいう。
  2. 糖尿病の原因はインスリンの増加ではなく、インスリンの減少である。膵臓でつくられるインスリンは、ブドウ糖を細胞内に取り込み、エネルギーとして利用するために必要不可欠なホルモンである。このインスリン不足により、糖尿病では血液中に糖があふれ、高血糖状態になる。

問32

認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。

1レビー小体型認知症では、便秘や立ちくらみなどの自律神経症状を伴うことがある。

2うつ状態が続くと、認知症と診断されてしまうことがある。

3認知症の初期では、ADLの低下がみられ、進行するとIADLの低下が起こってくる。

4せん妄は意識障害であり、認知症と区別する必要がある。

5認知症初期集中支援チームの訪問支援対象者は、初期の認知症患者に限られる。

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正解は…1・2・4
  1. 認知症の初期には生活管理能力であるIADLが障害され、中期以降はADLも障害される。
  2. 認知症初期集中支援チームの「初期」とは、認知症発症初期だけでなく、かかわりの初期(ファーストタッチ)という意味も含まれるので、認知症が進行して、ようやく顕在化したケースも対象となる。

問33

在宅で医療機器を使用する場合の留意点について適切なものはどれか。3つ選べ。

1腹膜透析を実施している場合は、感染に注意が必要である。

2在宅中心静脈栄養法を行っている場合は、入浴は禁忌である。

3在宅経管栄養法では、カテーテルの定期的な交換は不要である。

4気管切開を伴った人工呼吸療法では、気管切開部の管理が必要である。

5在宅酸素療法では、機器の周囲2m以内に火気を置かないようにする。

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正解は…1・4・5
  1. 入浴は可能である。ただし、配慮が必要なので医療職と相談しながら行う。
  2. カテーテルの定期的な交換が必要。例えば、胃ろうの場合、バルーン型の交換は6カ月をめどに行う。

問34

次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。

1BMI(Body Mass Index)が18.5以上の場合は、肥満とされる。

2喫煙は、心疾患のリスクを高める。

3多量の飲酒習慣は、脳卒中のリスクを高める。

4骨粗鬆症の予防には、運動は効果がない。

5大腿骨頸部骨折の予防には、ヒップ・プロテクターも効果がある。

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正解は…2・3・5
  1. BMIは18.5以上25.0未満なら標準である。25.0以上で肥満とされる。
  2. 運動は効果的である。運動によって骨に普段から適切な負荷をかけていることが、骨を強く保つ秘訣になる。利用者のADLに応じ、可能な範囲内での運動が推奨される。

問35

在宅で行われる呼吸管理について正しいものはどれか。3つ選べ。

1ネブライザーで吸入薬を用いる際に副作用と思われる症状がみられた場合には、吸入を中止して医療者に報告する。

2在宅酸素療法を受けている利用者が息苦しさを訴えた場合には、医師の指示の有無にかかわらず、酸素流量を増やす。

3在宅酸素療法を実施している場合には、定期的にバッテリーの充電状態を確認する。

4人工呼吸器を使用する場合には、緊急時の対応方法や連絡先を確認しておく。

5痰の吸引器は、介護保険の給付の対象となる。

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正解は…1・3・4
  1. 医師の指示無く、医師の指示を超えて酸素流量を増やすと、呼吸中枢を抑制して意識障害(CO2ナルコーシス)を引き起こす危険性がある。
  2. 痰の吸引器は医療機器に該当し、介護保険の給付の対象にはならない。ただし、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の日常生活用具給付等事業により、給付または貸与を受けることができる。

問36

次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1高齢者の低栄養状態を改善するには、水分を多く摂取することが重要である。

2介護保険施設では、入所者全員について栄養ケア計画の作成が義務付けられている。

3栄養マネジメント加算の要件には、栄養に関するスクリーニング、アセスメント及びケア計画の作成が含まれる。

4高齢になっても、味覚は低下しない。

5認知症の高齢者への食事摂取の促しとしては、声かけ、見守りなども重要である。

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正解は…3・5
  1. 低栄養状態の改善には、食欲がないときは少ない分量でもエネルギーやたんぱく質を比較的多く摂れる食品を摂取するようにする。その意味では水分を多く摂取することは適さない。また、水分の摂取も低栄養に限らず必要量摂ることは大事だが、水分を必要以上に多く摂取することは下痢の原因となり、低栄養状態の悪化の原因になる。
  2. 栄養ケア計画は入所者全員には義務づけられていない。ただし、栄養マネジメント加算を算定する場合、栄養ケア計画の作成は義務となる。
  3. 高齢者の味蕾は新生児の3分の1になると言われ、味覚は低下する。

問37

在宅での医療管理について正しいものはどれか。3つ選べ。

1インスリンの自己注射の効果は、利用者の体調によって変わることはない。

2人工透析を受けている者は、心筋梗塞や脳卒中のリスクが高い。

3疼痛に対して麻薬を使用する際は、副作用の便秘に注意する必要がある。

4人工呼吸器を装着している場合には、パルスオキシメーターによって酸素飽和度を測定する。

5在宅自己導尿は、膀胱内にカテーテルを留置するよりも、感染リスクが高い。

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正解は…2・3・4
  1. インスリンの自己注射は、体調不良時(シックデイ)には、注射剤の効果が強く出るといった普段とは違う状況が起きる可能性がある。
  2. 在宅自己導尿は膀胱内にカテーテルを留置する(バルーンカテーテル)よりも感染のリスクが低い。

問38

高齢者に起こりやすい急変や急変時の対応について正しいものはどれか。3つ選べ。

1ジャパン・コーマ・スケール(Japan Coma Scale:JCS)では、数字が小さいほど意識障害が重度である。

2心不全による呼吸困難は、座位をとらせることで軽減することがある。

3心筋梗塞による痛みは、胸痛だけでなく、腹痛のこともある。

4寝たきりの高齢者が嘔吐した場合には、側臥位をとらせた方が吐物で窒息するのを防ぎやすい。

5発熱時には、直ちに解熱剤を用いて苦痛を緩和する。

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正解は…2・3・4
  1. ジャパン・コーマ・スケールは3-3-9度方式とも言われ、Ⅰ(1桁)、Ⅱ(2桁)、Ⅲ(3桁・最大300)とあり、数字が大きい程、意識障害が重度である。
  2. 解熱剤には血圧低下や出血、腎障害、消化性潰瘍などの副作用がある。使用する場合には、必ず医師の指示のもと行う。

問39

死亡診断書を交付することができる資格として正しいものはどれか。2つ選べ。

1医師

2看護師

3介護支援専門員

4歯科医師

5介護福祉士

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正解は…1・4

死亡診断書の交付は、医師(歯科医師を含む)にのみできる行為である。

問40

定期巡回・随時対応型訪問介護看護について適切なものはどれか。3つ選べ。

1居宅で生活している要支援者も利用できる。

2心身の機能の維持回復を目指す。

3随時訪問サービスは、随時の通報からおおむね30分以内に居宅に駆けつけられる体制確保に努めなければならない。

4介護・医療連携推進会議の会議記録は、守秘義務の観点から公表してはならない。

5苦情処理では、苦情の内容を記録しなければならない。

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正解は…2・3・5
  1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、要支援者は利用できない。
  2. 介護・医療連携推進会議の会議記録は公表することになっている(定期巡回・随時対応型訪問介護看護の運営に関する基準)
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