第17回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(総合) 一問一答

分野別テスト→

問41

認知症について適切なものはどれか。3つ選べ。

1介護支援専門員は、認知症の人やその家族の状況把握に加え、かかりつけ医等から情報提供を受け、アセスメントを行う。

2若年性認知症の人が取得できるのは、知的障害者手帳である。

3若年性認知症の人は、認知機能の低下により仕事に支障が生じ、早期に発見されるため、予後がよい。

4「認知症カフェ」は、認知症の人の家族に対する支援の取り組みの1つであり、専門職にとっては、認知症の人やその家族の状況を把握できる場である。

5都道府県は、若年性認知症の人の状態にあわせた適切な支援が図られるよう、医療、介護、福祉及び雇用の関係者が連携するネットワークを構築するための会議を設置する。

解答と解説隠す表示する

正解は…1・4・5
  1. アセスメントを行うにあたり、介護支援専門員は、利用者又はその家族から得る情報のみでなく、かかりつけ医等からの情報についても適宜活用することが望ましい。
  2. 若年性認知症の者は、精神障害者保健福祉手帳の取得対象となり得る。
  3. 若年性認知症は、一般的に進行が速く、重度化する傾向にある。
  4. 記述の通り。認知症の高齢者や家族らが集う「認知症カフェ」は、認知症施策として注目されており、医療・介護の専門職が認知症者等の状況把握ができる場としても活用されている。
  5. 記述の通り。就労継続が可能な若年性認知症者を支援するため、各都道府県に設置される障害者就労支援ネットワークを活用し、医療、福祉、雇用、就労の関係者が連携した「若年性認知症就労支援ネットワーク」の構築等が推奨されている。

問42

感染管理について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1施設入所者の咽頭培養でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が陽性であったため、症状はないが強制的に隔離した。

2施設入所者に2週間以上咳が続いているため、結核を疑い、医師に報告した。

3ノロウイルス感染者の吐瀉(としゃ)物を処理する際に、マスク、エプロン、手袋のいずれも使い捨てのものを使用した。

4社会福祉施設において、65歳に達する年度以降の入所者に対し、毎年1回の定期結核検診を実施している。

5通常疥癬(かいせん)は施設内で集団発生することがあるため、発症者を強制的に隔離した。

解答と解説隠す表示する

正解は…2・3・4
  1. MRSAが陽性であっても、介護施設や在宅では隔離の必要はないとされている。
  2. 結核の早期発見には、定期的な胸部レントゲンの撮影が重要であり、2週間以上続く咳や微熱があれば、結核を疑い医師に報告することは適切な対応である。
  3. 記述の通り。消毒には、次亜塩素酸ナトリウムを使用する。
  4. 特別養護老人ホームや養護老人ホーム等の社会福祉施設においては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)に基づき、年1回の定期結核健診の実施が義務付けられている。
  5. 通常疥癬は、個室等への隔離は必要ないとされている。隔離が必要となるのは、ノルウェー疥癬の場合である。

問43

終末期ケアについて、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1臨終が近づいたときは、応答がなくなっても、最後まで語りかけ、最期を看取るようにする。

2独居の高齢者については、本人が希望しても、在宅での看取りを行うべきではない。

3看取りの方針を決めた場合には、家族の意向が変わっても、その方針は変更しない。

4末期がん患者の疼痛緩和には、第一段階としてオピオイド鎮痛薬を用いる。

5介護老人福祉施設において、入所者又は家族の同意を得て、医師、看護師、介護職員等が共同して看取りの支援を行った場合には、看取り介護加算を算定できる。

解答と解説隠す表示する

正解は…1・5
  1. 記述の通り。臨終が近づいた場合でも、聴覚は最期まで保たれるため、家族等による語りかけが大切である。
  2. 終末期ケアにおいては、本人の自己決定が尊重され、独居の高齢者であっても、ケア体制を整えれば在宅での看取りは可能である。
  3. 一度看取りの方針を決定しても、それに固執せず、本人及び家族の意向に沿って柔軟に変更することも必要である。
  4. WHOの除痛ラダーに従うと、末期がん患者の疼痛緩和においては、第一段階としてアスピリンやアセトアミノフェンなどの非オピオイド鎮痛薬からはじめ、除痛が十分でない場合には、弱オピオイド、強オピオイド鎮痛薬を用いる。
  5. 記述の通り。死亡日及び死亡日前30日以内に看取り介護を実施した場合には、所定単位数を算定出来る。

問44

薬剤の管理について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1薬剤管理指導は、薬剤の効果を適切に把握し、副作用の未然防止を図るとともに、薬剤の適正使用を進めることを目的とする。

2複数の薬剤が処方されている場合は、一包化することにより、服用忘れや服用間違いなどを防ぐことができる。

3在宅で使用される中心静脈栄養に使用する注射薬は、病院から届けられるものであり、薬局から届けられることはない。

4在宅の患者が使用する必要がなくなった麻薬は、自宅で廃棄処理しなければならない。

5胃ろうから薬剤を注入する際には、それぞれの薬剤について、錠剤を粉砕したり、微温湯で溶解させたりしてよいか、確認する必要がある。

解答と解説隠す表示する

正解は…1・2・5
  1. 記述の通り。薬剤管理指導は、最小の使用薬剤で最大の効果を得ることを目的として行われる。
  2. 記述の通り。薬剤は光によって変化する場合があり、一包化された薬剤については特にその保管場所に留意する必要がある。
  3. 中心静脈栄養に使用する注射薬は、医師の処方に基づき、薬局から届けられることもある。
  4. 在宅の患者が使用する必要がなくなった麻薬は、他の職員の立ち会いのもとで麻薬管理者等が廃棄し、30日以内に都道府県知事に対し「調剤済麻薬廃棄届け」を提出することとされている。
  5. 記述の通り。錠剤を粉砕したり微温湯で溶解する場合には、専門的な判断が必要となるため、それぞれの薬剤について確認する必要がある。

問45

次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。

1通所リハビリテーションにおける短期集中リハビリテーション実施加算は、退院日又は認定日から起算して3か月以内に行われた場合に、算定することができる。

2在宅療養支援診療所は、介護療養型医療施設の入所者に対して、往診料を算定することはできない。

3介護保険における主治医意見書は、要介護認定に用いられるものであり、介護支援専門員が介護サービス計画作成に用いることは好ましくない。

4要介護者に対して医療保険と介護保険の両方から給付が可能な場合には、原則として、介護保険が優先される。

5高額医療合算介護サービス費は、医療と介護の利用者負担額を足し合わせて、月単位で支払いが一定額を超えた場合に、申請に基づいて支給される。

解答と解説隠す表示する

正解は…1・2・4
  1. 記述の通り。
  2. 往診料は、入院中の患者以外の者に対して診療を行った場合に算定できるものであり、介護療養型医療施設の入所者に対して算定することはできない。
  3. 介護支援専門員は、本人の同意を得た上で、必要に応じて主治医意見書を介護サービス計画作成の際に活用することができる。
  4. 医療保険と介護保険による給付が重なる場合には、原則として介護保険が優先される。
  5. 高額医療合算介護サービス費は、年単位で医療と介護の利用者負担額を足した額が一定額を超えた場合に、償還払いで支給される。
分野別テスト→