第22回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(福祉サービスの知識等) 一問一答

分野別テスト→

問46

面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1共感とは、クライエントの考え方について、援助者がクライエントの立場に立って理解しようとすることをいう。

2援助者は、援助者自身の過去の重要な人との関係をクライエントに投影するように努めるべきである。

3クライエントが沈黙している場合には、援助者は、常に積極的に話しかけなければならない。

4クローズドクエスチョンは、事実の確認を行う場合に用いる。

5直面化とは、クライエントが目を背けていることに気づかせることをいう。

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正解は…1・4・5
  1. 過去の重要な人との関係を投影せず、クライエントを個人としてとらえる必要がある(バイステックの7原則:個別化)。また、自分にそのような傾向があることも十分知っておかなくてはならない(自己覚知)。
  2. 意味のある沈黙もあり、常に話しかけるのが正しい訳ではない。

問47

ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1ラポールとは、主訴を捉えてニーズを確定することである。

2アセスメントシートの順番に従い、すべての項目を尋ねなければならない。

3アセスメントは、クライエント本人からの情報のみで行うものではない。

4援助計画は、柔軟に変更できるよう、可能な限り抽象的に立てることが重要である。

5事後評価には、スーパービジョンを受けることも含まれる。

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正解は…3・5
  1. 主訴を捉えてニーズを確定するのは、インテークやアセスメントである。ラポールとは、援助者とクライエントとの間の信頼関係である。
  2. アセスメント形式を十分に理解することは重要であるが、すべてアセスメントシート通りに尋ねる必要はない。ソーシャルワーカーの力量に応じ、観察して情報収集できることはそれを活用するし、アセスメントシートにないが、情報収集として充足できない部分がある場合は、アセスメントシート以外でも尋ねる必要がある。アセスメントシートは臨機応変に使いこなす必要がある。
  3. わかりやすい具体的な目標を設定する。抽象的な目標ではなく、可能な限り、誰もが理解できる目標がよい。

問48

ソーシャルワークにおける個別援助として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1社会福祉協議会の社会福祉士による成年後見制度の利用に関する面接

2介護老人福祉施設の生活相談員によるカラオケ大会などのレクリエーション活動

3地域包括支援センターの主任介護支援専門員による家族介護者との相談

4キャラバン・メイトによる認知症サポーター養成講座

5社会福祉協議会のボランティアコーディネーターによる災害ボランティアセンターの設置準備

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正解は…1・3
  1. 集団に対するソーシャルワーク
  2. 集団に対するソーシャルワーク
  3. 地域に対するソーシャルワーク

問49

ソーシャルワークにおける地域援助として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1地域の問題や多様な社会資源について評価するために、地域アセスメントを行う。

2病院の専門職で構成されたメンバーで退院促進のためのチームアプローチを行う。

3地域におけるニーズ把握では、潜在的ニーズを掘り起こすアウトリーチを行う。

4行政機関等のフォーマルな社会資源による地域ネットワークを構築すれば、地域課題は解決する。

5障害者が福祉サービスにアクセスしやすくなるよう自治体に働きかける。

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正解は…1・3・5
  1. 集団に対するソーシャルワーク
  2. 地域課題の解決のためには、行政機関によるフォーマルな社会資源の開発だけではなく、ボランティアやサロン活動などのインフォーマルな社会資源の開発も必要である。

問50

介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1自動血圧測定器により血圧を測定することは、医療行為に当たらないため、訪問介護員が行うことができる。

2利用者が大切にしている花木の水やりは、短時間であれば、生活援助として算定される。

3ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別し、ゴミ出しのルールを理解してもらうよう援助することは、生活援助として算定される。

4ボタン付け等の被服の補修は、生活援助として算定される。

5配剤された薬をテーブルの上に出し、本人が薬を飲むのを手伝うことは、身体介護として算定される。

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正解は…1・4・5
  1. 花木の水やりは「日常生活の援助」に該当せず、生活援助における不適正事例であり、算定できない。
  2. ゴミの分別が分からない利用者と一緒に分別をしてゴミ出しのルールを理解してもらう又は思い出してもらうよう援助することは、自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助(自立支援、ADL・IADL・QOL向上の観点から安全を確保しつつ常時介助できる状態で行う見守り等)に該当し、身体介護として算定される(平成12年老計第10号・2018年身体介護の「自立生活支援のための見守り的援助」が見直され、明確化)。

問51

介護保険における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1一定の研修を受けた介護職員が喀痰吸引を行った場合には、中重度者ケア体制加算を算定できる。

2生活機能向上連携加算を算定するためには、外部の理学療法士等と当該事業所の機能訓練指導員等が共同してアセスメントや個別機能訓練計画の作成等を行わなければならない。

3入浴介助を適切に行うことができる人員及び設備を有する事業所が入浴介助を行った場合には、入浴介助加算を算定できる。

4生活相談員が要介護認定の申請にかかる援助を行った場合には、生活相談員配置等加算を算定できる。

5看護師が低栄養状態にある利用者に対して栄養ケア計画を作成した場合には、栄養改善加算を算定できる。

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正解は…2・3
  1. 問題文の要件だけでは、中重度者ケア体制加算は算定できない。中重度者ケア体制加算の要件は以下である。指定通所介護事業所に必要な従業者の員数に加え、看護職員または介護職員を常勤換算方法で2人以上確保していること。利用者総数のうち、要介護状態区分が要介護3~ 5の者の占める割合が100分の30以上であること。指定通所介護を行う時間帯を通じて、専ら当該指定通所介護の提供にあたる看護職員を1人以上配置していること。
  2. 問題文の要件では生活相談員配置等加算は算定できない。生活相談員配置等加算の算定要件は以下である。共生型通所介護事業所に生活相談員を1人以上配置し、かつ、地域交流の場の提供等の地域貢献活動を実施している場合(2018年新設)。
  3. 栄養改善加算は看護師ではなく管理栄養士を1人以上配置し、栄養改善サービスを行うことが必要。

問52

介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1サービス提供は、1回の訪問につき、看護職員1名と介護職員1名で行う。

2終末期にある者も、訪問入浴介護を利用できる。

3同一時間帯での同一利用者に対する入浴介助については、別に訪問介護費を算定することはできない。

4利用者に病状の急変が生じた場合には、速やかに事業所の管理者に連絡し、変更・中止の指示を受ければよい。

5協力医療機関は、事業の通常の実施地域内にあることが望ましい。

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正解は…2・3・5
  1. サービス提供は、原則として看護職員1人、介護職員2人の計3人で実施する。そのうち1人がサービスの提供の責任者を務める。
  2. 入浴に際して、病状の急変など体調の変化を発見した場合、事業所の管理者ではなく、主治医の指示を仰ぎ、必要により部分浴・清拭に変更、または状況によって入浴を中止する。

問53

介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1認知症行動・心理症状緊急対応加算と若年性認知症利用者受入加算は、同時に算定できる。

2医療連携強化加算と在宅中重度者受入加算は、同時に算定できる。

3医師の発行する食事箋に基づいた糖尿病食等を提供する場合は、1日につき3回を限度として、療養食加算を算定できる。

4共生型短期入所生活介護を算定している場合は、夜勤職員配置加算は算定できない。

5利用者の状態や家族等の事情により、居宅サービス計画にない指定短期入所生活介護を緊急に行った場合は、原則として、緊急短期入所受入加算を算定できる。

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正解は…3・4・5
  1. 同時に算定できない。
  2. 同時に算定できない。

問54

介護保険における住宅改修について正しいものはどれか。3つ選べ。

1転居前に住宅改修費の支給を受けた場合でも、転居後の住宅について住宅改修費を受給できる。

2リフトなど動力によって段差を解消する機器に係る工事の費用は、住宅改修費の支給対象となる。

3扉の取替えに伴う壁や柱の改修工事の費用は、住宅改修費の支給対象となる。

4ポータブルトイレの設置は、住宅改修費の支給対象となる。

5要介護状態区分が3段階以上上がった場合は、改めて住宅改修費を受給できる。

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正解は…1・3・5
  1. 段差の解消について、昇降機、リフト、段差解消機等動力により段差を解消する機器を設置する工事は、住宅改修費の支給対象から除かれる。
  2. 和式便器から洋式便器の取替えの場合は住宅改修費の支給対象だが、ポータブルトイレの設置は住宅改修費の支給対象ではない。

問55

介護保険における認知症対応型通所介護について正しいのはどれか。3つ選べ。

1利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練であっても、機能訓練指導員以外の者が行うことはできない。

2指定認知症対応型共同生活介護事業所における共用型指定認知症対応型通所介護の利用定員は、共同生活住居ごとに1日当たり3人以下である。

3利用者、家族へのサービスの提供方法等の説明には、認知症対応型通所介護計画の目標及び内容や利用日の行事及び日課も含まれる。

4既に居宅サービス計画が作成されている場合には、認知症対応型通所介護計画の内容について利用者の同意を得なくてもよい。

5事業者は、運営推進会議における報告、評価、要望、助言等について記録を作成し、公表しなければならない。

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正解は…2・3・5
  1. 利用者の日常生活やレクリエーション、行事を通じて行う機能訓練については、当該事業所の生活相談員又は介護職員が兼務しても差し支えない(指定地域密着型サービスの事業の運営基準等について第3・2③ト)
  2. 居宅サービス計画が作成されたうえで、認知症対応型通所介護事業所の管理者は、認知症対応型通所介護計画の作成をし、その内容について利用者または家族に対して説明し、利用者の同意を得る必要がある。また、認知症対応型通所介護計画の作成をした際には交付もする必要がある。

問56

介護保険における夜間対応型訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1事業者は、利用者へ配布するケアコール端末に係る設置料、リース料、保守料の費用を利用者から徴収することができる。

2利用者から合鍵を預かる場合は、従業者であれば容易に持ち出すことができるような管理を行う必要がある。

3随時訪問サービスは、利用者の処遇に支障がないときは、他の指定訪問介護事業所の訪問介護員等に行わせることができる。

4夜間対応型訪問介護計画の作成後に居宅サービス計画が作成された場合は、夜間対応型訪問介護計画を必要に応じて変更する。

5看護師及び介護福祉士は、面接相談員になることができる。

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正解は…3・4・5
  1. 利用者へ配布するケアコール端末に係る設置料、リース料、保守料の費用は事業者が負担する。
  2. 指定夜間対応型訪問介護の提供に当たり利用者から合鍵を預かる場合には、その管理を厳重に行うとともに、管理方法、紛失した場合の対処方法その他必要な事項を記載した文書を利用者に交付するものとする(地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第10条第1項第7号)

問57

指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。

1虐待等のやむを得ない事由があれば、要介護1又は2の者を入所させることができる。

2感染症や食中毒の予防又はまん延防止のため、その対策を検討する委員会をおおむね三月に1回以上開催しなければならない。

3入所者に対する施設サービス計画等の記録は、その完結の日から一年間保存すれば、廃棄することができる。

4公共性の高い施設であるため、広告は禁じられている。

5健康状態によって入浴が困難な入所者には、清拭を1週間に2回以上行わなければならない。

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正解は…1・2・5
  1. 入所者に対する施設サービス計画等の記録は、その完結の日から2年間保存する。
  2. 広告自体は禁じられていない。ただし、指定介護老人福祉施設は、当該指定介護老人福祉施設について広告をする場合は、その内容が虚偽又は誇大なものであってはならない(介護老人福祉施設の運営基準第31条)

問58

生活困窮者自立支援制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1生活困窮者自立支援法は、生活困窮者対策及び生活保護制度の見直しの一体的な検討を経て国会に提出され、成立した。

2生活困窮者自立支援法の対象者は、稼働年齢層に限定されている。

3 生活困窮者自立相談支援事業は、必須事業である。

4生活困窮者就労準備支援事業は、任意事業である。

5生活困窮者住居確保給付金の支給は、任意事業である。

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正解は…1・3・4
  1. 生活困窮者自立支援法の対象者は、稼働年齢層に限定されず、「現に経済的に困窮し、最低限度の生活を維持することができなくなるおそれのある者」(法第2条)であり、具体的には、生活保護を受給していないが、生活保護に至る可能性がある者で、自立が見込まれる者である。
  2. 生活困窮者住居確保給付金は、離職等により経済的に困窮し、住居を失った、または、そのおそれがある者に対し、住居確保給付金を支給することにより、安定した住居の確保、就労自立を図るものである。生活困窮者住居確保給付金は必須事業である。

問59

生活保護制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1保護は、世帯を単位として、その要否と程度が決められる。

2介護扶助には、介護予防に関する給付も含まれる。

3介護扶助における居宅介護は、必要があれば、居宅介護支援計画に基づかないものも認められる。

465歳以上の被保護者の介護保険料は、介護扶助として給付される。

5生業扶助は、原則として、金銭給付である。

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正解は…1・2・5
  1. 介護扶助における居宅介護の支給は居宅介護支援計画に基づき行うものに限る。
  2. 65歳以上の被保護者の介護保険料は生活扶助の介護保険料加算として給付が行われる。

問60

成年後見制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1成年後見制度の利用の促進に関する法律では、国民が成年後見制度を利用する義務を定めている。

2成年後見制度の利用の促進に関する法律では、成年被後見人の意思決定の支援を定めている。

365歳以上の者につき、その福祉を図るため特に必要と認めるときは、市町村長は、後見開始の審判の請求をすることができる。

4親族が成年後見人に選任される割合は、年々増加している。

5任意後見契約は、公正証書によってしなければならない。

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正解は…2・3・5
  1. 2016年5月13日に施行された成年後見制度の利用の促進に関する法律(成年後見制度利用促進法)では、国民が成年後見制度を利用する義務は定められていない。国民には成年後見制度の重要性に対し関心と理解を深め、成年後見制度利用促進に関する施策に協力する努力義務が定められた。
  2. 親族が成年後見人等に選任される割合は年々低下傾向にあり、2017年は26.2%になっている。2001年は親族が成年後見人等に選任される割合は84%であった。専門職後見人による後見の社会化が進んでいるといえる(最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」)
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