第17回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(基礎) 分野別テスト

あなたの点数は 20/25

問26正解不正解

BPSD (認知症の行動・心理症状)について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. BPSDは随伴症状、精神症状、行動障害とも呼ばれ、周囲の人々を驚かせたり、理解できない行動や言動のため、どのように対処してよいのかがわからず、介護者等との関係を悪化させることが多い。
  2. 身体合併症は症状悪化の要因のひとつであるが、要因として最も多いとはいえない。
  3. BPSDは、認知症の中核症状に伴い二次的に生じるものであり、その出現や症状には個人差があり、必ず出現するとはいえない。
  4. BPSDを緩和する方法として、回想法、音楽療法等があげられるが、これらの療法の原則は楽しくあり、精神的安定を図ることであるとされている。
  5. 記述の通り。その他、不適切なコミュニケーション、身体合併症、生理学的不調、ネグレクト・過干渉、不適切な薬物の使用などがあげられる。

問27正解不正解

老年期うつ病について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・2・5
  1. 記述の通り。その他、家庭内の対人葛藤、引っ越し、性格の関与などがあげられる。
  2. 一般的にうつ病では、うつ気分、行動の抑制、思考の抑制が主症状であるが、老年期では非定型な病像を示すことが多い。
  3. 老年期では、うつ気分に加えて、不安・焦燥感、苦悶感、情緒の不安定さを示しやすい。
  4. 老年期においては、行動の抑制が軽度であるため自殺につながる危険性が高い。
  5. 記述の通り。その他、ふらつき、尿閉などの副作用がみられる。

問28正解不正解

次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)」のことである。

解答と解説

正解は…2・3・5
  1. パーキンソン病は、ホーエン&ヤールの重症度分類に関わらず、介護保険の特定疾病に該当する。
  2. 記述の通り。
  3. 記述の通り。平成23(2011)年改正に伴い導入された。
  4. 身体障害者手帳所持の有無は、障害者総合支援法に基づく障害者福祉サービスを受ける際の要件とはなっていない。
  5. 末期の悪性腫瘍の患者については、訪問看護は医療保険から給付されることとなっており、介護保険の訪問看護は利用できない。

問29正解不正解

高齢者に接種が推奨されるワクチンとして、より適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3

肺炎球菌及びインフルエンザワクチンについては、症状悪化を緩和する目的で高齢者の接種が推奨されている。子宮頸がんワクチンは、中学1年生となる年度に接種することが標準とされており、BCGワクチンは幼児期、B型肝炎ワクチンは乳児期に接種することが推奨されている。

問30正解不正解

呼吸管理について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. 人工呼吸器は生命維持装置であり、少しのトラブルであっても命にかかわることから、緊急時への備えは重要である。
  2. 酸素ボンベの航空機内への持ち込みは、サイズや重量に制限がある場合もあるが、可能である。持ち込みが、すべて禁止されているわけではない。
  3. 在宅酸素療法の導入にあたっては、短期間の入院が必要となる場合が多いものの、通院による導入も実施されている。
  4. 在宅人工呼吸療法には、気管切開や挿管を行わず、鼻マスクや顔マスクを用いた非侵襲的方法がある。
  5. 在宅人工呼吸療法においては、緊急時に備えて、予備の吸引器やアンビューバッグの使い方や連絡方法などを家族が把握していることが重要である。

問31正解不正解

高齢者の飲酒問題に関して適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 高齢期の飲酒問題の理由としては、退職や生きがいの喪失、子どもの自立を契機にした孤独感、配偶者や家族の死亡等の心理的ストレスがあげられる。
  2. アルコール依存症の大きな要因は、本人の意志や性格の問題ではなく、本人の遺伝情報と飲酒の開始年齢とされている。
  3. 記述の通り。アルコール依存症者においては、脳萎縮や骨粗しょう症、脳血管障害のリスクが高いとされている。
  4. アルコール依存症が原因で、長期に渡り日常生活や社会生活に障害が生じている場合には、精神障害者保健福祉手帳の交付対象となる。ただし、初めてアルコール依存症の診断を受けた日から6カ月を経過していることが要件となる。
  5. 記述の通り。

問32正解不正解

褥瘡について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4
  1. 記述の通り。特に好発部位については十分に観察し、褥瘡の発生を見落とさないようにすることが重要である。
  2. 褥瘡を予防するためには、褥瘡の発生要因を介護によって取り除くことが重要であり、そのためには介護者が知識や技術を有していることが求められるため、介護者に対する教育は必要である。
  3. 褥瘡予防において皮膚のマッサージは効果的であるが、発赤部分のマッサージは避けなければならない。
  4. 記述の通り。他に、認知症などのため自分で動こうとしない人や尿・便失禁のある人、痩せている人などに生じやすい。
  5. 円座は体圧分散効果が期待できないため、褥瘡予防のために用いるのは不適切である。

問33正解不正解

次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・5
  1. 記述の通り。胃ろうを造設している場合には、唾液分泌量が減少し咀嚼による自浄作用がないため、積極的な口腔清掃が必要となる。
  2. 医師・歯科医師が麻薬を処方する場合には、都道府県に申請を行い、麻薬施用者免許を取得する必要がある。
  3. 記述の通り。
  4. インスリン注射は、たとえ医師の指示があっても、介護職員が行うことはできない。
  5. 記述の通り。パーキンソン病では、薬効だけでなく、疲労と不眠による状態悪化も起こりやすいため注意が必要となる。

問34正解不正解

高齢者の栄養・食生活について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・3・4
  1. 記述の通り。
  2. 食事だけでは十分な栄養を摂取できない場合などには、必要に応じて栄養補助食品を活用するのも、ひとつの方法である。
  3. 記述の通り。
  4. 記述の通り。その他、食事内容や体調、食卓の雰囲気、運動不足、便秘なども食欲不振の原因となり得る。
  5. 経管栄養剤には、薬品として扱われ、医療保険が適用されるものもある。

問35正解不正解

次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. 記述の通り。経口摂取では、唾液等による口腔内の自浄作用が期待できる。
  2. 食事をとる際はできるだけイスに座り、頭部と体幹をわずかに前傾させた姿勢をとらせるとよい。
  3. 流動食の注入後は、逆流を防ぐため、30~60分はファーラ位を保持する。
  4. 記述の通り。嚥下機能が低下しているからといって、一律にキザミ食を提供するのではなく、ピューレ状やゼリー状、粥状など、個人の嚥下機能に合わせて食形態を検討する必要がある。
  5. 記述の通り。口腔ケアは毎食後行うのが望ましいが、1日1回しか行えない場合には夕食後に実施する。

問36正解不正解

訪問看護について正しいものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・4
  1. 緊急時訪問看護加算は、24時間体制で利用者及びその家族からの問い合わせに応じられる体制をとっている場合に、1人の利用者に対し1か所の事業所に限り算定することができる。(介護報酬の実施上の留意事項について)
  2. 訪問看護事業所の人員基準においては、保健師、看護師のほかに、准看護師、理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士を配置することができると規定されている。(居宅サービス等の運営基準 第60条)
  3. 記述の通り。
  4. 記述の通り。
  5. 訪問看護においては、死亡日及び死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを行った場合にターミナルケア加算を算定できる。

問37正解不正解

高齢者虐待について正しいものはどれか。3つ選べ。(注)『厚生労働省調査』とは、厚生労働省老健局高齢者支援課認知症・虐待防止対策推進室による「平成24年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査」のことである。

解答と解説

正解は…1・2・3
  1. 記述の通り。(高齢者虐待防止法 第9条第2項)
  2. 記述の通り。養護者による高齢者虐待においても、種別で最も多いのは身体的虐待、次いで心理的虐待である。
  3. 記述の通り。通報者で最も多いのは、介護支援専門員など介護保険事業所職員であり、次いで家族・親族、被虐待高齢者本人となっている。
  4. 養護者による高齢者虐待の虐待者の続柄で最も多いのは、息子、次いで夫、娘となっている。
  5. 高齢者虐待の通報においては、刑法その他の守秘義務に関する法律の規定が、通報を妨げるものとなってはならないと規定されている。(同法 第7条第3項)

問38正解不正解

次の記述について適切なものはどれか。2つ選べ。

解答と解説

正解は…3・4
  1. 短期入所療養介護は、要介護認定を受けた者が利用できるサービスであり、要介護4又は5と認定された者に利用が限定されるものではない。
  2. 介護保険施設において、食事代や理美容代などの費用を徴収する場合には、あらかじめ入所者又はその家族に対し、サービスの内容及び費用を記した文書を交付して説明を行い、入所者の同意を得なければならないとされている。(介護老人福祉施設の運営基準等)
  3. 記述の通り。
  4. 記述の通り。入所前後訪問指導加算は、利用者が居宅へ退所することを想定した加算であるが、利用者の同意があれば、社会福祉施設等に入所する場合にも算定することができる。
  5. 認知症行動・心理症状緊急対応加算は、医師が認知症の行動・心理症状のため在宅での生活が困難であり、緊急に入所することが適当であると判断した者を入所させた場合に、入所日から7日間を限度として算定できる。

問39正解不正解

介護老人保健施設について正しいものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…1・4・5
  1. 記述の通り。
  2. 記述の通り。その他、入所者の家族との連絡調整を行っていることが要件となる。
  3. 医師による診療は、一般に医師として必要性があると認められる疾病又は負傷に対し、妥当適切に行うものとされている。
  4. 従業者として、実情に応じた適当数の薬剤師を配置するものとされている。(介護老人保健施設の運営基準第2条第1項)
  5. 記述の通り。小規模介護老人保健施設とは、29人以下の小規模な介護老人保健施設をいう。(介護老人保健施設の運営基準について)

問40正解不正解

次の記述について適切なものはどれか。3つ選べ。

解答と解説

正解は…2・4・5
  1. 療養通所介護は、難病等を有する重度要介護者又はがん末期の者であって、サービス提供にあたり常時看護師による観察が必要なものを対象として行われる通所介護をいう。介護療養病床に入院中の者が利用するサービスではない。(居宅サービス等の運営基準第105条の2)
  2. 記述の通り。(同基準第142条)
  3. 管理者は、4日以上継続して入所することが見込まれる利用者については、短期入所療養介護計画を作成しなければならない。(同基準第147条第1項)
  4. 記述の通り。サービス提供時間に応じて介護報酬が設定されている。
  5. 記述の通り。(介護老人福祉施設の運営基準第32条等)
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