第14回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

介護支援分野 一問一答

分野別テスト→

問1

高齢者を介護する家族の状況について正しいものはどれか。3つ選べ。

1平成19年国民生活基礎調査によれば、主な介護者は、同居の子の配偶者が最も多い。

2平成19年国民生活基礎調査によれば、要介護3以上の者と同居している主な介護者の介護時間は、「ほとんど終日」が最も多い。

3平成13年連合総合生活開発研究所 「介護サービス実態調査」によれば、在宅介護を行っている家族の悩みで最も多いのは、「介護者の肉体的負担が大きい」である。

4平成19年国民生活基礎調査によれば、同居している主な介護者の約7割は女性であり、特に中高年者が半数を超えている。

5平成16年国民生活基礎調査によれば、要支援者のいる世帯は、単独世帯が最も多い。

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正解は…2・4・5
  1. 同居している主な介護者の続柄をみると、「配偶者」25%、「子」17.9%、「子の配偶者」14.3%の順となっている。
  2. 要介護3で「ほとんど終日」が30.9%を占め、要介護5では52.7%にまで至る。
  3. 家族の悩みで最も多いのは肉体的負担よりも、「精神的」負担である。
  4. 同居している主な介護者を性別にみると、男28.1%、女71.9%であり、年齢階級別では女性の「50~59歳」が31.6%で最も多く、高年齢層がそれに続く。
  5. 要支援者のいる世帯は、単独世帯が32.1%で最も多い。

問2

介護保険に関する次の記述のうち正しいものはどれか。3つ選べ。

1養護老人ホームは、住所地特例対象施設に含まれる。

2住所地特例対象施設に入所し、住所を変更した被保険者は、当該施設が所在する市町村に住所地特例適用届を提出する。

3地域密着型介護老人福祉施設は、平成17年の法改正により住所地特例対象施設から除外された。

4第2号被保険者は、要介護・要支援認定を申請していなくても、被保険者証の交付を求めることができる。

5日本に住所を有しない海外長期滞在者は、日本国籍があれば被保険者証の交付を求めることができる。

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正解は…1・3・4
  1. 住所地特例対象施設は、介護保険施設に特定施設(有料老人ホーム、養護老人ホーム、軽費老人ホーム、適合高専賃)。入居定員が29人以下の地域密着型サービスは含まない。
  2. 住所地特例適用届は転出届とともに、保険者となる住所変更前の市町村に提出する。施行規則第25条。
  3. 地域密着型介護老人福祉施設は平成17年改正で創設されたサービスであるが、住所地特例対象施設には位置付けられていない。
  4. 第1号被保険者については原則すべての者に交付されるが、第2号被保険者は要介護・要支援認定の申請もしくは、交付を申請した者に交付される。施行規則第26条の1。
  5. 被保険者となる「住所要件」を満たしていなければ、日本国籍があっても被保険者とはならず、被保険者証の交付も求められない。

問3

保険給付の内容について正しいものはどれか。2つ選べ。

1法人格のない住民参加型非営利組織の事業者の場合も、基準該当居宅サービスとして特例居宅介護サービス費の支給対象となり得る。

2被保険者が、緊急その他やむを得ない理由により、被保険者証を提示しないでサービスを受けても、特例居宅介護サービス費の支給対象となり得る。

3介護保険施設入所者の理美容代は、保険給付の対象となる。

4特定施設入居者生活介護サービスのおむつ代は、保険給付の対象となる。

5施設介護サービス費に栄養管理は含まれない。

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正解は…1・2
  1. 基準該当居宅サービスは法人格がない等の理由で、通常の都道府県指定が受けられない場合でも、保険者が一定の水準にあると認めた場合にはサービス事業者となることができる。(法第42条)
  2. 原則に則らない方法でサービスを受けても、保険者が認めた場合には「特例」として保険給付の対象となる。
  3. 理美容代、教養娯楽費等の日常生活費は保険給付の対象とはならず、全額利用者負担となる。
  4. おむつ代については、施設サービスおよび短期入所系サービスで保険給付の対象とされている。
  5. 2009年の報酬改定により、栄養管理体制は施設サービス費に包括化された。

問4

介護保険制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

1医療保険者は、第2号被保険者の保険料を社会保険診療報酬支払基金に納付しなければならない。

2年金保険者は、第1号被保険者の保険料を国民健康保険団体連合会に納入しなければならない。

3厚生労働大臣は、介護報酬の算定基準の設定について、介護給付費審査委員会の意見を聴かなければならない。

4都道府県は、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額の上乗せについて定めることができる。

5市町村は、条例により一定の場合に、第1号被保険者のほか、その世帯に属する者に対しても過料を科す規定を設けることができる。

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正解は…1・5
  1. 医療保険者が第2号被保険者の保険料を納める先は、社会保険診療報酬支払基金である。
  2. 年金保険者が第1号被保険者の保険料を納める先は、保険者である市町村である。
  3. 厚生労働大臣が介護報酬算定に際し、意見を聴くのは社会保障審議会である。(法第41条の5)
  4. 厚生労働大臣が定める支給限度基準額を上回る額を、当該市町村の支給限度基準額にできるのは保険者である市町村である。(法第43条の3)
  5. 不正行為等により過料を科す規定を設ける場合には、配偶者や世帯主なども対象とできる。(法第214条)

問5

介護保険法において市町村が条例により規定することとされているものはどれか。3つ選べ。

1介護認定審査会の委員の定数

2居宅介護サービス費等種類支給限度基準額

3保険料の徴収猶予

4第三者行為求償事務

5第2号被保険者に対する保険料率

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正解は…1・2・3
  1. 市町村に設置される介護認定審査会の委員の定数は、市町村が定める数とする。(法第15条)
  2. 個別の種類のサービスの支給限度基準額は、地域のサービス基盤の整備状況等に応じて、区分支給限度基準額の範囲内で、市町村が条例で定めることが出来る。(法第43条)
  3. 市町村は条例で定めるところにより、特別の理由がある者に対し、減免または徴収を猶予することができる。(法142条)
  4. 第三者行為求償事務は、委託を受けた国民健康保険団体連合会が行う。(法第21条)
  5. 第2号被保険者の保険料率は各医療保険者が決める。

問6

介護保険の審査請求の仕組みについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1保険給付に関する処分又は保険料その他介護保険法の徴収金に関する処分は、審査請求の対象となる。

2要介護認定又は要支援認定に関する処分は、審査請求の対象となる。

3介護保険審査会は、都道府県知事の指揮監督の下で裁決を行う。

4介護保険審査会の専門調査員は、介護支援専門員のうちから都道府県知事が任命する。

5介護保険審査会に合議体を設置する。

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正解は…1・2・5
  1. 設問の審査請求を受理し、審理・裁決を介護保険審査会が行う。(法第183条)
  2. 認定に関する処分は、保険給付に関する処分として審査請求の対象である。
  3. 介護保険審査会は都道府県知事の付属機関として設置されるが、職務執行上の独立性において、知事の指揮監督を受けるものではないとされている。
  4. 専門調査員は、保健、医療または福祉に関する学識経験を有する者のうちから任命する。(法第188条の2)
  5. 審査請求の審理・裁決は、公益・市町村・被保険者のそれぞれを代表する委員により構成される2種類の合議体で取り扱う。(法第189条)

問7

介護サービス情報の公表制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

1介護サービス事業者のうち、指定地域密着型サービス事業者は、介護サービス情報を市町村長に報告しなければならない。

2都道府県知事及び市町村長は、介護サービス事業者が介護サービス情報を報告しなかった場合、期間を定めて、報告することを命ずることができる。

3都道府県知事は、介護サービス情報の調査について、調査事務を市町村ごとに指定する指定調査機関に行わせることができる。

4指定調査機関の調査員は、調査員養成研修の課程を修了し、都道府県知事が作成する調査員名簿に登録される必要がある。

5介護サービス情報の内容には、認知症の利用者、入所者又は入院患者に対する介護サービスの質の確保のための取組の状況が含まれる。

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正解は…4・5
  1. 地域密着型サービスの指定は市町村が行うが、介護サービス情報の公表制度に関する報告は、都道府県知事に行う。(法115条の35)
  2. 報告することを命ずることができるのは都道府県知事のみである。
  3. 調査機関は都道府県ごとに指定される。(法115条の36)
  4. 調査員は専門的知識および技術を有するものとして政令で定める要件を備える者のうちから選任しなければならない。(法115条の37)
  5. 基本情報・調査情報に、介護サービスを利用する者が適切に利用機会を確保できるような内容が含まれる。

問8

国民健康保険団体連合会の行う介護保険関係業務について正しいものはどれか。3つ選べ。

1市町村から委託を受けて行う居宅介護サービス費等の請求に関する審査及び支払

2市町村に対する地域支援事業支援交付金の交付

3指定居宅サービス等の質の向上に関する調査

4指定居宅サービス事業者に対する勧告

5指定介護療養型医療施設の運営

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正解は…1・3・5
  1. 介護報酬の審査および支払に関する事務を、市町村は国保連に委託できるとされている。
  2. 地域支援事業支援交付金を交付するのは社会保険診療報酬支払基金の業務である。
  3. 質の向上に関する調査や、必要な指導および助言を業務として行う。(法第176条の2)
  4. 指定居宅サービス事業者に対する勧告は、都道府県知事が行うことができる。(法第76条の2)
  5. 国保連は、介護保険施設の運営についての業務を行うことができる。

問9

他のサービスとの代替性に乏しいため、居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されないサービスの種類として正しいものはどれか。2つ選べ。

1通所介護

2通所リハビリテーション

3特定施設入居者生活介護

4地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

5短期入所生活介護

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正解は…3・4

施行規則第66条により、居宅療養管理指導・特定施設入居者生活介護・特定福祉用具販売・地域密着型特定施設入居者生活介護および地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護は、ほかのサービスとの代替性に乏しいものとして居宅介護サービス費等区分支給限度基準額が適用されない。

問10

都道府県介護保険事業支援計画で定めることとされている事項について正しいものはどれか。3つ選べ。

1認知症対応型共同生活介護の必要利用定員総数

2地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護の必要利用定員総数

3介護保険施設の種類ごとの必要入所定員総数

4域支援事業に係る費用の額

5介護保険施設相互間の連携の確保に関する事業

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正解は…2・3・5

認知症対応型共同生活介護の必要利用定員総数および地域支援事業に係る費用の額は、市町村介護保険事業計画で定めることとなっている。(法第117・118条)

問11

居宅介護支援事業者の指定取消し又は効力停止の事由として正しいものはどれか。3つ選べ。

1更新認定調査受託時に、当該調査の結果について虚偽の報告をした。

2都道府県知事による立入検査により是正命令を受けた。

3介護保険法その他の保健医療若しくは福祉に関する法律に違反した。

4省令に定める人員に関する基準を満たさなくなった。

5省令に定める設備に関する基準を満たさなくなった。

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正解は…1・3・4
  1. 指定居宅介護支援事業者の指定取消しまたは効力停止要件は、指定居宅サービス事業者と基本的に同様であるが、設問の「更新認定にかかる調査結果について虚偽の報告をしたとき」が含まれている。(法第84条の1の5)
  2. 是正命令を受けた際に、その命令に従わず、または虚偽報告をしたときに指定取消しまたは効力停止される。(法第77条)
  3. 社会保障各法に違反した場合は事由に該当となる。
  4. 指定居宅サービス事業者同様、人員基準を満たさなくなったときは指定取消しまたは効力停止の事由に該当となる。
  5. 指定居宅介護支援事業者の事業の基準は人員基準および運営基準のみで、設備基準は定められていない。(法第81条の1・2)

問12

地域支援事業について正しいものはどれか。3つ選べ。

1包括的支援事業は、第1号被保険者と第2号被保険者を対象とする。

2包括的支援事業の実施委託は、全体を一括して行わなければならない。

3家族介護支援事業は、必須事業に含まれる。

4市町村は、地域包括支援センターごとに運営協議会を設置しなければならない。

5介護給付等費用適正化事業の内容には、ケアプランの点検が含まれる。

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正解は…1・2・5
  1. 地域支援事業における包括的支援事業は介護保険法の被保険者を対象に、すべての市町村で行われる必須事業である。(法第115条の38の1)
  2. 市町村は、老人福祉法に規定された老人介護支援センターの設置者その他の厚生労働省令で定める者に対し、包括的支援事業の実施を委託出来るが、その場合には事業全体を一括して委託しなければならない。(法第115条の40の1)
  3. 家族介護支援事業は、任意事業として市町村が実施することができる。(法115条の38の2)
  4. 地域包括支援センター運営協議会は、原則として市町村単位で設置される。
  5. 介護給付等費用適正化事業には、介護支援専門員が作成したサービス計画の内容について、市町村職員等が点検し必要があれば指導を行うことが含まれる。

問13

介護保険の財政について正しいものはどれか。3つ選べ。

1第1号被保険者と第2号被保険者の保険料負担の按分割合は、3年ごとに見直される。

2調整交付金は、すべての市町村に一律に交付されるのが原則である。

3介護給付費・地域支援事業支援納付金は、第1号被保険者の保険料で賄われる。

4調整交付金による財政格差の調整には、災害時の保険料減免も含まれる。

5介護保険事業に係る事務費は、市町村の一般財源で賄われる。

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正解は…1・4・5
  1. 保険料負担の按分割合は、政令で3年ごとに定められる。(法第125条。)
  2. 調整交付金は市町村の財政力の強弱に応じて傾斜的に交付されるため、一律に交付されるわけではない。
  3. 介護給付費・地域支援事業支援納付金は、第2号被保険者の保険料で賄われる。(法第125・126・150~159条)
  4. 災害等の特別な理由により、市町村が条例により保険料や利用料の減免を行った場合に、特別調整交付金による財政格差の調整が行われる。
  5. 事務に要する費用は全額、市町村の一般財源で賄われる。

問14

指定介護予防支援事業者について正しいものはどれか。2つ選べ。

1市町村長が指定する。

2定期的に、指定の更新を受けなければならない。

3指定居宅介護支援事業者は、指定を受けることができる。

4指定介護予防支援の従事者は、介護支援専門員でなければならない。

5複数市町村を事業区域とするときの指導・監督は、都道府県知事が行う。

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正解は…1・2
  1. 地域密着型サービス事業者(介護予防を含む)および介護予防支援事業者の指定は、保険者である市町村の事務である。
  2. 指定の更新については、指定居宅サービス事業者等についてのものと同様であり、6年ごとの更新制である。(法第115条の28)
  3. 介護保険法におけるほかの事業と異なり、申請者が地域包括支援センターの設置者に限定されている。(法第115条の20)
  4. 指定介護予防支援の従事者は、介護支援専門員に限らず保健師や社会福祉士等の介護予防支援に関する知識を有するものとされている。
  5. 指定介護予防支援事業者の指導・監督は市町村長のみとされている。(法第115条の24・25)

問15

要介護認定の認定調査について正しいものはどれか。3つ選べ。

1特定施設入居者生活介護を行う有料老人ホームは、受託できる。

2遠隔地に居住する被保険者の申請に係る調査は、その被保険者の住む市町村に調査を嘱託できる。

3地域包括支援センターは、更新認定に係る調査を受託できる。

42005年の改正により、指定居宅介護支援事業者は、更新認定に係る調査を受託できないこととなった。

5要介護者は、被保険者資格を取得した日から14日以内に申請をしたときは、住所を移転しても改めて調査を受ける必要がない。

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正解は…2・3・5
  1. 特定施設入居者生活介護を行う有料老人ホームは 新規・更新いずれも認定調査の受託はできない。
  2. 2005年の法改正により、新規認定に係る調査については市町村による実施を原則としたため、設問の通りの嘱託ができることとされた。(法第27条第2項後段)
  3. 地域包括支援センターは新規認定に係る調査は受託できないが、更新認定に係る調査については受託できる。
  4. 2005年改正により、指定居宅介護支援事業者は更新認定に係る調査のみ受託できることとなった。
  5. 住所移転前の市町村における認定を証明する書類の交付を受け、当該書面を添えて移転後の新しい市町村に申請を行えば、改めて審査・判定を行うことなく認定を受けることができる。(法第36条)

問16

要介護認定について正しいものはどれか。3つ選べ。

1申請書には、被保険者証とともに主治医意見書も添付する。

2介護認定審査会の委員には、医師を任命しなければならない。

3介護認定審査会の委員は、市町村長が任期付きで任命するが、再任することもできる。

4地域包括支援センターは、申請手続きを代行することができる。

5市町村は、職権により、有効期間満了前でも要介護状態区分の変更認定ができる。

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正解は…3・4・5
  1. 主治医意見書による主治医からの医学的な意見は、申請を受けた市町村が直接申請者の主治医に求める。(法第27条の3)
  2. 介護認定審査会の委員は要介護者等の保健・医療・福祉に関する学識経験者とされており、医師に限られてはいない。(法第14・15条)
  3. 介護認定審査会の委員の任期は2年であり、再任することもできるとしている。
  4. 申請手続きの代行は、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業者・地域密着型介護老人福祉施設・介護保険施設のうち厚生労働省令で定めるもののほか、被保険者の家族による代理申請、民生委員や社会保険労務士などが認められている。(法第27条の1後段)
  5. 市町村は、要介護認定を受けた被保険者の介護の必要の程度が低下したと認められるときには、有効期間満了前でも職権により要介護状態区分の変更認定ができる(法第30条)

問17

高齢者を介護する家族への介護支援専門員による支援として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1家族が要介護者に対して情緒的な支援を提供できるように支援する。

2家族の就労の継続の支援はしない。

3家族の休養を目的としたサービスの利用も検討する。

4家族と要介護者との考え方が違う場合は、家族の立場に立って指導する。

5家族がもっているケアの潜在的可能性を見きわめる。

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正解は…1・3・5
  1. 要介護者と家族には葛藤が生じていることも少なくないが、介護支援専門員は要介護者を擁護しつつも、家族が要介護者に対し情緒的な支援を行えるよう家族も支援する。
  2. 家族が介護に携わることによって就労機会を失うことは、国民経済的な問題となっている。
  3. 家族の介護負担軽減を目的とした「レスパイト・ケア」として、ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所療養介護)が提供されている。
  4. 介護支援専門員の倫理として中立性を保持するとともに、利用者本位を徹底することが重要である。
  5. 重要なインフォーマルサポートとして家族の存在がある。

問18

課題分析において、介護支援専門員が確認すべき事項について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1二親等内の扶養義務者の居所

2利用者の被保険者情報

3前年度の課税所得金額

4障害老人の日常生活自立度

5介護認定審査会の意見

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正解は…2・4・5

利用者の生活課題を客観的に抽出するための目安として、課題分析標準項目が示されており、基本情報に関する項目として、「利用者の被保険者情報」、「障害高齢者の日常生活自立度」、「認定情報(介護認定審査会の意見)」が含まれる。基準第13条第6号。

問19

ケアマネジメントにおけるストレングスについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1ケアプランに反映していくことが重要である。

2利用者の嗜好、願望、抱負は含まない。

3利用者のもつ社会資源も含まれる。

4ストレングスとは、利用者が自らの行動に対して統制や介入を受けないことである。

5ストレングスを導きだすためには、利用者との対等な援助関係が基礎となる。

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正解は…1・3・5
  1. 利用者の「強さ・力」に着目し、それを活用していくためにケアプランに反映することが重要となる。
  2. 利用者個人の属性や関心・願望などがストレングスに含まれる。
  3. 利用者の人間関係や近隣地域などの社会資源は、環境面でのストレングスである。
  4. ストレングスを引き出し活用していく上で、統制や介入を受けることもある。
  5. ケアマネジメントにおける利用者との対等な援助関係が、ストレングスを効果的に導き出す。

問20

指定居宅介護支援事業所の管理者について正しいものはどれか。2つ選べ。

12005年の改正により、主任介護支援専門員でなければならないこととされた。

2介護支援専門員の職務に従事することはできない。

3当該事業所の営業時間中は、常駐しなければならない。

4指定居宅介護支援事業者が配置する。

5常勤でなければならない。

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正解は…4・5
  1. 指定居宅介護支援事業所の管理者は、介護支援専門員であれば足りる。
  2. 管理者は専らその職務に従事するものでなければならないが、その管理する指定居宅介護支援事業所の介護支援専門員の職務には従事することができる。
  3. 営業時間中、常に利用者からの利用申込等に対応できる体制を整えていれば、必ずしも常駐していなくてもよい。
  4. 指定居宅介護支援事業者は、事業所ごとに管理者を置かなければならない。
  5. 管理者は常勤でなければならないとされている。

問21

介護予防サービス計画作成の視点として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1利用者が欲するサービスをそのまま盛り込み、意欲の向上を図る。

2利用者のセルフケアは評価が困難なので、盛り込まない。

3利用者が「できること」を一緒に探し、生活機能の向上を図る。

4利用者が「できないこと」に重点を置き、積極的に指導する。

5目標は、利用者が一定の期間に達成可能なものにする。

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正解は…3・5
  1. 利用者が欲するサービスが、必ずしも適切な援助になるとは限らない。
  2. 自らが自立的に生活を送るための意志や方法を持つことは、他者からの援助よりも効果的であることもあるためケアプランに盛り込んでいく。
  3. 国際生活機能分類(ICF)において、「できること」を探すことは生活機能の向上につながるとされている。
  4. 「できないこと」に重点を置くのは国際障害分類(ICIDH)である。
  5. 目標は自信を失わせたり、プライドを傷つけることのないよう達成可能なものとする。

問22

施設における介護支援サービスについて、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1集団生活のスケジュールに基づいて画一的に行う。

2施設で生活が完結できるよう、施設内のサービスだけで施設サービス計画を作成する。

3自立した生活よりも、依存して生活できるような施設サービス計画を作成する。

4居宅と同じように、サービスの調整やその人らしい生き方を支援する。

5施設サービス計画は、居宅サービス計画と同様に、基本計画である。

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正解は…4・5
  1. 個々の入所者の希望や特性に応じてサービス提供し、漫然かつ画一的なサービスにならないよう配慮する。
  2. 地域の住民による入所者の話し相手、会食などの活動などを含めて施設サービス計画を作成するよう努めなければならない。
  3. 施設サービス利用者に対しても、自立した生活に向けた支援のためのサービス計画を作成する。
  4. 日常生活全般を支援する観点は、施設も居宅も大きな違いはない。
  5. 基本計画としての位置づけも同様である。

問23

施設サービス計画について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1施設サービス計画書は、入所者に毎月交付しなければならない。

2月1回のモニタリングが義務付けられている。

3入所時には、サービス担当者会議を開催しなければならない。

4アセスメント表は、課題分析標準項目を満たしていれば、施設独自のものでよい。

5計画担当介護支援専門員は、相談面接技術の修得に努めなければならない。

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正解は…4・5
  1. 施設サービス計画を作成した際は、遅滞なく入所者に交付しなければならないが、毎月とはされていない。
  2. モニタリングの頻度については、入所者の状況等により弾力的に考慮することとされており、月1回の義務付けはされていない。
  3. 効果的かつ実現可能な質の高い施設サービス計画とするため、施設サービス計画の原案を作成したときには位置づけた施設サービスの担当者からなるサービス担当者会議の開催等により、専門的な見地からの意見を求め調整を図ることが重要とされているが、サービス担当者会議開催の義務付けはされていない。
  4. 課題分析は、計画担当介護支援専門員の個人的な考え方や手法のみによってではなく、課題を客観的に抽出するための手法として合理的なものと認められる適切な方法であればよく、施設独自のものでも構わないとされている。
  5. 計画作成のためのアセスメントからケアの実施、実施状況の継続的管理、そして評価は利用者のみならず家族を含めた関係者との信頼に基づく共同作業で行われるため、計画担当介護支援専門員は相談・面接の技術を修得することが求められる。

問24

自宅で暮らしている利用者Aさんは、最初の面接で「自分ができないことをやってもらえばいいし、サービスを使うのは権利だ。ケアプランはいらないから、何曜日にどんなサービスが使えるかを書いた紙だけをくれればいい」と言っている。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1「私は専門職で、いろいろな指導もできますし、生活はきちんと管理して差し上げますから、まずは私の言うことを聞いてください」と話した。

2「サービスを利用する権利があることはそのとおりです。しかし、ケアプランを作らないと規則違反になりますから、そのようなご意向でしたらほかの事業者と契約してください」と話し、利用者宅を辞した。

3「あなたがサービスを利用して楽しく幸せに暮らせるように願っています。それを実現するために、どんなサービスが必要か相談させてください」と話した。

4「サービスは一緒に考えましょう。でもケアプランは必要なものです。良いものを作りますから私に任せてください」と話した。

5「私の仕事は、できないことを補うサービスを入れて終わりではありません。どのように毎日暮らしたいと考えておられるか教えていただいたら、それをケアプランに目標として書き込んで、一緒に持っていましょう」と話した。

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正解は…3・5
  1. 援助は利用者自身の自立を促進し、自己決定の力を強めていくという方向を持つものであり、介護支援専門員の価値観を押しつけるような管理をするものではないため、適切ではない。
  2. ケアマネジメントを展開する上でケアプランの作成は欠かせないが、作成拒否を理由に援助を止めてしまうことは介護支援専門員の基本倫理である主体性の尊重などの点から、適切ではない。
  3. 利用者Aさんが表出した感情に対し、相談技術である統制された情緒関与を示し、相談を通じた共同による援助を展開させようとしている点で、適切である。
  4. ケアプランはいらないとの意思表示を受け止めておらず、介護支援専門員の役割である利用者本位の徹底がされていないため、適切ではない。
  5. 高齢者ケアの原則である生活の継続性の支援や、利用者の想いを受容しているなどの点から、適切である。

問25

Aさん(92歳)は重度の認知症である。女家族と同居しながら自宅で生活を続けていたが、肺炎を発症し緊急入院した。ある日、入院先の病院の医師より「嚥下の機能が低下しているため、今後経口摂取は難しい。胃ろうを造設して退院しますか?」と言われ、家族が悩んでいる。病院から介護支援専門員に、家族の相談にのってくれるよう依頼があった。介護支援専門員の対応として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1Aさんが延命処置についてどのような価値観や意向を持っていたかを家族と話し合い、冷静に判断できるように支援した。

2「注入した栄養剤が逆流して誤嚥性肺炎が起きることがあるので、胃ろうはしない方がよい」と家族に勧めた。

3自宅で生活する際の主治医の意見を聞いてから、家族と話し合うことにした。

4病院と在宅サービスの関係者を招集したカンファレンスの開催について、病院と相談した。

5退院後についても病院の医師の判断に任せてはどうかと家族に伝えた。

解答と解説隠す表示する

正解は…1・3・4
  1. 介護保険法第1条に明記されている尊厳の保持、介護支援専門員の基本姿勢である利用者の人権尊重などの点で、適切である。
  2. 胃ろう造設のリスクを説明することは良いが、医療行為を受けないことを断定的に示すことは 主体的に援助を受けるための選択を妨げるため、適切ではない。
  3. 医療との連携への十分な配慮は介護保険法における基本的理念であり、適切である。
  4. カンファレンスの開催等、保健・医療・福祉の関係者の協働を調整するのは介護支援専門員の役割・機能であり、適切である。
  5. 医師の判断に任せることを勧めるのは自己決定の尊重などの点で、適切ではない。
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