第23回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(福祉サービスの知識等) 一問一答

分野別テスト→

問26

次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。選べ

1老年症候群では、高齢期において生活機能の低下がみられる。

2高齢者では、身体的な衰えや機能障害、慢性疾患の罹患、家族との死別などにより抑うつが高頻度にみられる。

3高齢者では、エネルギーの消費が多くなるため、食欲が増す。

4高齢者では、若年者に比べて体内水分貯蔵量が少なく、口喝も感じにくいため、脱水のリスクが高い。

5内耳から大脳に異常があるために生じる難聴を、伝音性難聴という。

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正解は…1・2・4
  1. 高齢者ではエネルギーの消費が少なくなり、食欲が低下する。
  2. 感音性難聴という。

問27

次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1激しく出血している場合は、出血部位よりも心臓から遠い部位を圧迫して止血する。

2誤嚥による呼吸困難では、「喉に手を当てる」などの窒息のサインやチアノーゼなどの症状が出現する。

3洗剤や漂白剤を飲み込んだ場合は、無理に吐かせる。

4衣服の下をやけどしている場合は、衣服を脱がさずその上から流水を当てる。

5寝たきりの高齢者に吐き気があるときは、身体を横向きにして、吐物の誤嚥を防ぐ。

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正解は…2・4・5
  1. 心臓から近い部位を圧迫して止血する。
  2. 洗剤や漂白剤を飲み込んだ際、無理に吐かせると、飲み込んだ刺激性の洗剤や漂白剤が気管に入って窒息や誤嚥性肺炎を引き起こす可能性がある。洗剤や漂白剤を飲み込んだ場合、まずはすぐに医療機関にかかる。その際に、容器や空き箱なども一緒に持っていく。

問28

高齢者にみられる疾病について正しいものはどれか。3つ選べ。

1変形性関節症は、高齢者に多く発症する。

2筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、筋力低下による運動障害は生じない。

3高次脳機能障害における失語症には、話そうとするが言葉が出てこないという症状も含まれる。

4パーキンソン病では、認知障害はみられない。

5骨粗鬆症は、骨折の大きな危険因子である。

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正解は…1・3・5
  1. 筋力低下による運動障害が主症状である。
  2. 進行すると認知障害がみられる。

問29

次の記述について正しいものはどれか。3つ選べ。

1稽留(けいりゅう)熱では、急激な発熱と解熱を繰り返す。

2心房細動では、心房の正常な収縮と拡張ができなくなる。

3飲酒は、起立性低血圧の原因とはならない。

4ジャパン・コーマ・スケール(JCS)では、数値が大きいほど意識レベルが低い。

5口すぼめ呼吸で息を吐くと、気管支内の圧力が高くなり、気管支の閉塞を防ぐ。

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正解は…2・4・5
  1. 稽留熱とは、熱が下がらず、1日の差が1℃以内の状態をいう。
  2. 原因となる。

問30

検査について適切なものはどれか。2つ選べ。

1高齢者では膝などの関節が十分に伸びなくなるので、BMI(Body Mass Index)は本来の値より小さくなる。

2CRP(C反応性たんぱく質)は、体内で炎症が起きているときに低下する。

3ヘモグロビンA1cの値は、過去6か月間の平均血糖レベルを反映している。

4腹囲が男性85㎝以上、女性90㎝以上の場合は、メタボリックシンドロームの診断において腹部型の肥満とされる。

524時間心電図(ホルター心電図)検査は、不整脈がある場合や狭心症が疑われる場合に行われる。

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正解は…4・5
  1. BMIは体重÷(身長)2である。関節が十分に伸びなくなり、身長が低下すると、BMIは大きくなる。
  2. CRPは上昇する。
  3. ヘモグロビンA1cは過去1 ~ 2カ月の平均血糖レベルを反映している。

問31

食事について適切なものはどれか。3つ選べ。

1摂食・嚥下プロセスの口腔期では、視覚、触覚、嗅覚の認知により、無条件反射で唾液が分泌される。

2摂食・嚥下プロセスの咽頭期では、咽頭に食塊が入ると、気道が閉じられて食道に飲み込まれる。

3食事の介護のアセスメントでは、摂食動作ができているかを確認する。

4食事の介護のアセスメントでは、食欲がない場合には、痛み、口腔内の状態、服薬状況などを確認する。

5医師は、食事の介護のアセスメントに関わる必要はない。

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正解は…2・3・4
  1. 問題文は口腔期ではなく、先行期のものである。
  2. 医師が関わることにより、造影による嚥下状態の確認など食事のアセスメントがより良いものになる。したがって、関わった方が良い。

問32

褥瘡について適切なものはどれか。3つ選べ。

1褥瘡とは、体外からの圧力による皮下の血流障害により、細胞が壊死してしまう状態をいう。

2半座位や座位では、肩甲骨部には発生しない。

3発生要因には、病気や加齢による身体組織の耐久性低下がある。

4同一部位への長時間にわたる圧力を減少させるためには、体圧分散用具を用いるとよい。

5指定介護老人福祉施設において、褥瘡マネジメント加算は算定できない。

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正解は…1・3・4
  1. 発生する。
  2. 指定介護老人福祉施設は褥瘡マネジメント加算を算定できる。

問33

次の記述について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1高齢者では、特に疾患がなくても、気道の閉じるタイミングが遅れることで誤嚥が生じやすくなる。

2歯のかみ合わせは、咀嚼だけでなく、嚥下にも影響する。

3唾液腺を刺激しても、唾液は分泌されない。

4食物残渣は、口臭の原因となる。

5摂食・嚥下リハビリテーションは、医師のみで行う。

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正解は…1・2・4
  1. 唾液腺を分泌するマッサージなどをすると唾液は分泌され、誤嚥の予防になる。
  2. 医師、言語聴覚士、看護師、介護福祉士などで行う。

問34

認知症のケアや支援について適切なものはどれか。3つ選べ。

1認知症初期集中支援チームは、都道府県が配置する。

2認知症カフェは、認知症初期集中支援チームが運営することとされている。

3認知症初期集中支援チームの対象者は、原則として、40歳以上で、在宅で生活しており、かつ認知症が疑われる人又は認知症の人である。

4パーソン・センタード・ケアは、認知症を持つ人を一人の「人」として尊重し、その人の立場に立って考え、ケアを行おうとする認知症ケアの1つの考え方である。

5認知症施策推進大綱では、認知症の人本人からの発信支援を推進するよう明記されている。

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正解は…3・4・5
  1. 認知症初期集中支援チームについては、市町村が設置を推進する。その際、地域包括支援センター以外の適切な法人に委託が可能である。都道府県が配置するものではない。
  2. 認知症カフェとは「認知症の人と家族、地域住民、専門職等の誰もが参加でき、集う場」とされている。認知症カフェを運営している主体は様々で、認知症初期集中支援チームが運営するとはされていない。

問35

老年期の精神障害について適切なものはどれか。3つ選べ。

1老年期うつ病では、心気的な訴えは少ない。

2老年期うつ病では、気分の落ち込みよりも、不安、緊張、焦燥が目立つ。

3老年期の統合失調症の症状の再発は、配偶者や近親者の死が要因となることがある。

4老年期のアルコール依存症は、認知症を合併することはない。

5遅発パラフレニーは、老年期の妄想性障害の代表的な疾患とされている。

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正解は…2・3・5
  1. 老年期うつ病では、特に心気的な訴えが多くなる。
  2. 老年期のアルコール依存症は、認知症やうつ病を合併する割合が高い、という特徴がある。
  3. 高齢者にみられる人格と感情反応がよく保たれ、体系化された妄想を主症状とするものを遅発パラフレニーと呼ぶ。遅発パラフレニーは老年期の妄想性障害の代表的な疾患とされている(パラフレニーとは、情緒面の障害はほとんどないが、著しい妄想を主症状とする精神病)。

問36

次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。

1患者が医師から説明をきちんと受けた上で同意することをインフォームド・コンセントという。

2医師個人の経験だけに頼るのではなく、科学的な根拠に基づいた医療をナラティブ・ベースド・メディスン(Narrative Based Medicine:NBM)という。

3個々の人間の感じ方や考え方に耳を傾けて自己決定を促す医療をエビデンス・ベースド・メディスン(EvidenceBased Medicine:EBM)という。

4予後とは、疾患が今後たどり得る経過のことをいう。

5疾患の予後に関する情報は、高齢者本人にのみ説明する必要がある。

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正解は…1・4
  1. 記述はエビデンス・ベースド・メディスンである。
  2. 記述はエビデンス・ベースド・メディスンである。
  3. 場合によるが、一般的には家族も疾患の予後を知っておく必要がある。もし、今後、要介護状態がしばらく続くならば、家族は介護負担の受容や、公的サービスの検討なども考えなければならない。その際、疾患の予後の知識は必須である。

問37

通所リハビリテーション又は介護予防通所リハビリテーションについて正しいものはどれか。3つ選べ。

1通所リハビリテーションに係る単位数は、事業所の規模とは無関係に設定されている。

2リハビリテーション会議は、利用者及びその家族の参加が基本とされている。

3通所リハビリテーション計画に位置付けられていなくても、事業所の屋外で指定通所リハビリテーションのサービスを提供することができる。

4介護予防通所リハビリテーションにおいて、利用者の居宅と指定介護予防通所リハビリテーション事業所との間の送迎を実施しない場合であっても、利用者の同意があれば、基本報酬を算定できる。

5指定通所リハビリテーション事業所の管理者は、もっぱら指定通所リハビリテーションの提供に当たる看護師に管理の代行をさせることができる。

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正解は…2・4・5
  1. 通所リハビリテーションに係る単位数は、事業所の規模ごとに①通常規模型②大規模型(Ⅰ)③大規模型(Ⅱ)――の3種類に設定されている。
  2. 通所リハビリテーションにおいて、屋外でサービスを提供することは可能である。しかし、事業所の屋外でサービスを提供することで、効果的な機能訓練等のサービスが提供できる旨を通所リハビリテーション計画に位置付けることが要件となる(指定介護予防サービス等の事業の人員、設備及び運営並びに指定介護予防サービス等に係る介護予防のための効果的な支援の方法の基準に関する施行要領)。

問38

次の記述について正しいものはどれか。2つ選べ。

1栄養素の摂食不足によって、メタボリックシンドロームが引き起こされる。

2摂食・嚥下機能に合わない食事形態での食事の提供は、誤嚥や窒息を招くことがある。

3介護保険の短期入所療養介護では、栄養マネジメント加算が算定できる。

4経口維持加算は、現に経管により食事を摂取している者も対象となる。

5介護保険の施設サービスにおける栄養マネジメント加算は、管理栄養士が継続的に入所者ごとに栄養管理をした場合に算定できる。

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正解は…2・5
  1. メタボリックシンドロームは栄養素の摂取過剰で起こる。
  2. 短期入所療養介護に栄養マネジメント加算はない。
  3. 経口維持加算は現に経口摂取している者が対象で、経管により食事を摂取している者は対象にならない。

問39

感染症の予防について適切なものはどれか。3つ選べ。

1標準予防策(スタンダード・プリコーション)とは、感染症の有無にかかわらず、すべての人に実施する感染予防対策である。

2感染症を予防するためには、感染源の排除、感染経路の遮断、宿主の抵抗力の向上が重要である。

3手袋を使用すれば、使用後の手指衛生は必要ない。

4インフルエンザの主な接触経路は、飛沫感染である。

5肺炎球菌ワクチンを接種すれば、すべての肺炎を予防できる。

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正解は…1・2・4
  1. 手袋を使用していても、1つのケアごとに必ず手指衛生を行う。
  2. すべての肺炎を予防できる訳ではない。

問40

在宅医療管理について正しいものはどれか。3つ選べ。

1在宅中心静脈栄養法は、医療処置として栄養を補う方法である。

2在宅中心静脈栄養法では、長期にカテーテルが体内にあるが、細菌感染を引き起こすことはない。

3ストーマには、消化管ストーマと尿路ストーマがある。

4腹膜透析の管理について、利用者や家族が在宅で処置を行うことは禁止されている。

5在宅酸素療法では、携帯用酸素ボンベを使用して外出することができる。

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正解は…1・3・5
  1. 在宅中心静脈栄養法では、長期にわたる処置の継続による発生しやすい合併症として、長期に異物が体内にあることになるため、細菌感染を引き起こすことがある。
  2. 腹膜透析のメリットは利用者の都合の良い時間に利用者自身や家族が在宅で処置を行えることである。その処置は禁止されていない。

問41

ターミナルケアに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1本人の人生観や生命観などの情報は、関係者で共有すべきではない。

2リビングウィルとは、本人の意思が明確なうちに、医療やケアに関する選択を本人が表明しておくことをいう。

3重度の認知機能障害などを有する利用者の場合に、家族に加えて複数の医療・介護専門職が集まって方針を決める方法をコンセンサス・ベースド・アプローチという。

4医学的観点だけに基づく診療方針の決定では、本人の意向に反する結果となるおそれがある。

5介護保険の特定施設では、ターミナルケアは提供できない。

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正解は…2・3・4
  1. 共有すべきである。本人の意思を確認できない場合を想定すると、関係者間で本人の人生観や生命観などを共有し、話し合うことで、本人の意思の推定に役立てることができる。
  2. 提供できる。なお、ターミナルケアを行った場合、看取り介護加算を算定できる。

問42

訪問看護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1特別訪問看護指示書があるときは、7日間に限り、医療保険による訪問看護を提供することができる。

2訪問看護事業を行う事業所は、指定訪問看護ステーションに限られる。

3指定訪問看護事業者は、主治の医師に訪問看護計画書及び訪問看護報告書を提出しなければならない。

4訪問看護の根拠法には、高齢者の医療の確保に関する法律も含まれる。

5利用者が短期入所療養介護を利用している場合には、訪問看護費は算定できない。

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正解は…3・4・5
  1. 特別訪問看護指示書があるときは、14日間に限り、医療保健による訪問看護を提供することができる。
  2. 訪問看護事業を行う事業所は、訪問看護ステーションのほか、病院または診療所がある。

問43

指定看護小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1事業所の登録定員は、29人以下である。

2事業者は、看護サービスを提供する場合は、1人の利用者について複数の医師から指示を受けなければならない。

3事業所の管理者は、必ずしも保健師又は看護師でなくてもよい。

4その利用者については、訪問介護費を算定することができない。

5事業所には、介護支援専門員を配置する必要はない。

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正解は…1・3・4
  1. 看護サービスを提供する場合、指示をする医師は複数の医師である必要はなく、1人の医師(主治医)である。
  2. 介護支援専門員は配置する。

問44

介護老人保健施設について正しいものはどれか。2つ選べ。

1要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対してサービスを行う施設と定義されている。

2従来型の多床室に係る介護報酬は、在宅強化型と基本型の2種類だけである。

3人員に関する基準には、医療分野から介護分野まで幅広い職種が含まれている。

4利用者の平均要介護度は、介護老人福祉施設の入所者のそれより低い。

5終末期にある利用者は、皆無である。

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正解は…3・4
  1. 記述は介護医療院の定義である。介護老人保健施設の定義は、要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者に対してサービスを行う施設とされている(介護保険法第8条第28項)。
  2. 従来型の多床室の場合、在宅強化型、基本型、その他の3類型である。
  3. 終末期ケアも行う。なお、その際、ターミナルケア加算を算定できる。

問45

介護医療院について正しいものはどれか。3つ選べ。

1要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要な者に対してサービスを行う施設と定義されている。

2入所対象者には、身体合併症を有する認知症高齢者も含まれる。

3介護医療院の創設により、介護療養型医療施設は2018(平成30)年4月にすべて廃止された。

4定員100人のⅡ型療養床の場合には、常勤換算で1人の医師の配置が必要である。

5入所者1人当たりの療養室の床面積は、8㎡以上とされている。

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正解は…2・4・5
  1. 記述は介護老人保健施設の定義である。介護医療院の定義は、要介護者であって、主として長期にわたり療養が必要である者に対してサービスを行う施設とされている(介護保険法第8条第29項)。
  2. 介護療養型医療施設は2024年3月で廃止する(健康保険法等の一部を改正する法律<平成18年法律第83号>附則第130条の2第1項)。

問46

面接場面におけるコミュニケーション技術について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1オープンクエスチョンとは、チェックリストに従って質問していくことである。

2クローズドクエスチョンとは、面接を一方通行にしないために有効である。

3観察は、非言語的なメッセージを感知することを含む。

4面接を効果的に実施するためには、面接の焦点を的確に定めることが重要である。

5明確化とは、クライエントの言葉をそのまま反射することである。

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正解は…3・4
  1. オープンクエスチョンはチェックリストのように構造化せず、来談者に自由に語らせる。
  2. 「はい」「いいえ」のクローズドクエスチョンの質問は、内容の確認などには有効だが、どうしても自由な回答が得られず、一方通行になりがちである。
  3. クライエントの悩みなどを言い換え・要約などで明確化する技法である。例えば、「今までお話を聞かせて頂いて、私は○○様がおっしゃったことを○○と感じたのですが、どうですか?」「そうです。そうなんです」と明らかにし、相手に納得と共感を与える技法である。

問47

ソーシャルワークの視点から、支援困難な高齢者に関する基準として、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1近隣住民からの「一人暮らしの高齢者宅から異臭がする」との訴えに対し、まずその高齢者に施設への入所を勧める。

2支援を拒否している高齢者には、信頼できる人を探し、支援に繋げることが有効である。

3アウトリーチによる対応には、支援のためのネットワークの構築が含まれる。

4高齢者が不平・不満を何度も訴えるため、担当の介護支援専門員が地域包括支援センターにスーパービジョンを依頼する。

5セルフ・ネグレクトには、親族による介護放棄が含まれる。

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正解は…2・3・4
  1. ソーシャルワークの視点で、バイスティックの7原則に、クライエントの自己決定の最大限の尊重がある。本文は自己決定を尊重していない。
  2. セルフ・ネグレクトの定義は以下である。「セルフ・ネグレクトとは、高齢者が通常一人の人として、生活において当然行うべき行為を行わない、あるいは行う能力がないことから、自己の心身の安全や健康が脅かされる状態に陥ること」。本文はセルフ・ネグレクトではなく、ネグレクトの事例である。

問48

ソーシャルワークに関する次の記述のうち、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1インテーク面接で得られた情報が少ない場合には、それを記録する必要はない。

2クライエントの主訴のとおりに援助計画を立てることが、重要である。

3モニタリングとは、援助計画の進捗を定期的、継続的に観察して評価することである。

4多職種連携の際は、誰もが支援できるように、それぞれの役割を曖昧にすることが重要である。

5クライエントとソーシャルワーカーとの契約とは、両者の間で焦点となる問題や目標を明らかにして、援助に関する合意をすることである。

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正解は…3・5
  1. インテーク面接で得られた情報が少ない場合でも記録する必要がある。理由は2点。1点目は、インテークであろうと情報は記録し、他職員・他職種と共有できる状態にしなければならないためである。2点目は、インテークの大きな目的の1つに緊急性の把握がある。インテークの段階で緊急性が高いとされ、それにも関わらず記録がない場合、インテークした者が何らかの理由で事業所にいないときに何らかの突発事項が起こった場合、対応が困難となってしまうからである。
  2. 主訴をすべて充足することがソーシャルワークではない。主訴の要素としては①デマンド(欲求・欲望)②ニーズ(解決すべき課題・生活課題・専門職として把握した課題)――の2つである。このとき、ニーズこそがソーシャルワークの課題となるものであり、デマンドは主訴であっても必ずしもすべてソーシャルワークの対象ではない。
  3. 役割が曖昧だと多職種連携に支障をきたす。介護施設であり得るのが、施設マネジメントをきちんとせず、役割を曖昧にしたまま施設運営した結果、看護師が上、介護福祉士が下という状況が生まれ、連携が機能しなくなる場面がある。これは、施設におけるマネジメントが行われておらず、役割を曖昧にしたままだから起こる事例である。看護師の役割はこれ、介護福祉士の役割はこれ、と組織として役割を明確にすることで多職種連携は円滑に機能するようになる。

問49

ソーシャルワークにおける集団援助として、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1地域包括支援センターの社会福祉士による一人暮らしの高齢者を集めた生きがいづくりのためのプログラム活動

2医療機関における医療ソーシャルワーカーによる入院中のクライエントへの相談支援

3社会福祉協議会の職員と民生委員による「福祉マップ」の作成

4精神科クリニックで行われるアルコール依存症患者の家族を対象とした交流活動

5NPO法人のスタッフと地域住民による高齢者の見守り活動

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正解は…1・4
  1. 個人・家族に対するソーシャルワークである。
  2. 地域に対するソーシャルワークである。
  3. 地域に対するソーシャルワークである。

問50

介護保険における短期入所生活介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1利用者20人未満の併設事業所の場合には、管理者は常勤でなくてもよい。

2利用者20人未満の併設事業所の場合でも、生活相談員は常勤でなければならない。

3利用者20人未満の併設事業所の場合でも、機能訓練指導員は他の職務と兼務することはできない。

4利用者40人以下の事業所の場合には、他の施設の栄養士との連携があり、利用者の処遇に支障がなければ、栄養士は配置しなくてもよい。

5食事の提供と機能訓練に支障のない広さを確保できる場合には、食堂と機能訓練室は同一の場所とすることができる。

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正解は…4・5
  1. 管理者は常勤である(指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について第八12項(1)②併設事業所について)
  2. 管理者は常勤である(指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について第八12項(1)②併設事業所について)
  3. 機能訓練指導員は兼務可である(指定居宅サービス等及び指定介護予防サービス等に関する基準について第八1項(1)②ロ)

問51

介護保険における福祉用具貸与の対象となるものとして正しいものはどれか。2つ選べ。

1エアマットレスなどの床ずれ防止用具

2移動用リフトのつり具の部分

3入浴用介助ベルト

4浴槽内いす

5特殊寝台からの起き上がりや移乗の際に用いる介助用ベルト

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正解は…1・5
  1. 福祉用具購入の対象である。
  2. 福祉用具購入の対象である。
  3. 福祉用具購入の対象である。

問52

介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1指定訪問介護事業所の管理者については、特段の資格は不要である。

2サービス提供責任者は、介護福祉士でなければならない。

3介護支援専門員は、一定回数以上の生活援助中心型の訪問介護を居宅サービス計画に位置づける場合には、その居宅サービス計画を市町村に届け出なければならない。

4利用者が保険給付の範囲外のサービス利用を希望した場合には、訪問介護員は、居宅介護支援事業者又は市町村に連絡するものとする。

5指定訪問介護事業者は、利用申込者の要介護度が重いことを理由として、サービスの提供を拒むことができる。

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正解は…1・3・4
  1. 訪問介護事業所のサービス提供責任者の資格要件は、設問の通り介護福祉士であること、もしくは実務者研修修了者でも可となっている。
  2. 要介護度が重いことはサービス提供を拒む正当な理由に当たらない。

問53

介護保険における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1通所介護費は、事業所の規模によって2つに分けて設定されている。

2通所介護費は、サービスの所要時間によって3つに分けて設定されている。

3サービスの所要時間が同じ区分の利用者については、サービス提供開始時刻を同じにしなければならない。

4送迎時に実施した居宅内での介助は、1日30分以内を限度に、通所介護を行うのに要する時間に含めることができる。

5通常の事業の実施地域以外に住む利用者の送迎にかかる費用は、利用者以外の料金として支払いを受けることができる。

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正解は…4・5
  1. 通常規模型、大規模型(Ⅰ)(Ⅱ)の3つに分けて設定されている。
  2. サービスの所要時間によって6つに分けて設定されている。
  3. そのような規定はない。

問54

介護保険における訪問入浴介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1利用者宅に浴室があっても、訪問入浴介護を提供することができる。

2利用者が訪問入浴介護事業所と同一の建物に居住する場合でも、訪問入浴介護を提供することができる。

3利用者が短期入所生活介護を利用している間は、訪問入浴介護費は算定しない。

4訪問入浴介護は、事業所数が少ないため、通常の事業の実施地域を定めなくてもよい。

5サービスの提供の責任者は、専らその職務に従事する常勤のものとする。

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正解は…1・2・3
  1. 通常の事業の実施地域を定める。
  2. そのような規定はない。「サービス提供は、原則として看護職員1人、介護職員2人の計3人で実施するが、そのうち1人がサービスの提供の責任者を務める」とのみある(指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準第50条第1項第四号)。

問55

介護保険における小規模多機能型居宅介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1小規模多機能型居宅介護は、宿泊を中心として、利用者の様態や希望に応じて、随時訪問や通いを組み合わせてサービスを提供するものである。

2従業者は、介護福祉士又は訪問介護員でなければならない。

3小規模多機能型居宅介護の本体事業所とサテライト事業所の距離は、自動車等でおおむね20分以内の近距離でなければならない。

4利用者は、複数の小規模多機能型居宅介護事業所への登録を希望しても、1つの事業所にしか登録できない。

5運営推進会議は、当該事業所を指定する市町村が設置する。

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正解は…3・4
  1. 中心は通所である。
  2. 介護支援専門員を必ず配置しなければならない。
  3. 小規模多機能型居宅介護事業所が設置する。

問56

介護保険における認知症対応型共同生活介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1事業所の立地場所については、園芸や農作業を行いやすい自然の豊かな場所でなくてはならない。

21つの共同生活住居の入居定員は、5人以上9人以下である。

3複数の共同生活住居がある事業所の場合には、認知症対応型共同生活介護計画の作成担当者のうち1人は、介護支援専門員でなくてはならない。

4認知症対応型共同生活介護計画を作成した期間についても、居宅サービス計画を作成しなければならない。

5認知症対応型共同生活介護事業者は、提供するサービスの質について、定期的に外部評価を受けていれば、自己評価を行う必要はない。

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正解は…2・3
  1. 「利用者の家族との交流の機会の確保や地域住民との交流を図る観点から、住宅地または住宅地と同程度に家族や地域住民との交流の機会が確保される地域にあるようにしなければならない」(指定地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第93条第1項第六号)
  2. 認知症対応型共同生活介護計画のみで、その期間は、居宅サービス計画は作成しない。
  3. 外部評価と自己評価の両方を行わなければならない(地域密着型サービスの事業の人員、設備及び運営に関する基準第97条第8項)。

問57

指定介護老人福祉施設について正しいものはどれか。3つ選べ。

1身体的拘束等の適正化のための指針を整備している場合には、その対策を検討する委員会は開催しなくてもよい。

2入所者が居宅での生活を営むことができるかどうかについて、生活相談員、介護職員、看護職員、介護支援専門員等の従業者間で協議しなくてはならない。

3施設サービスを受ける必要性が高いと認められる入所申込者を優先的に入所させるよう努めなければならない。

4夜間には、常勤の介護職員が介護に従事しなくてもよい。

5サービス提供上必要と認められる場合であれば、1の居室の定員を2人にすることができる。

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正解は…2・3・5
  1. 委員会を開催しなくてはならない。「指定介護老人福祉施設は、身体拘束等の適正化を図るため、次に掲げる措置を講じなければならない。身体拘束等の適正化のための対策を検討する委員会を三月に一回以上開催するとともに、その結果について、介護職員その他の従業者に周知徹底を図ること」(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第11条第6項第一号)
  2. 夜間にも、常時一人以上の常勤の介護職員を介護に従事させなければならない(指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準第13条第7項)。

問58

生活保護制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1すべての被保護者に対する要介護認定は、介護扶助の必要性を判断するため、生活保護制度で独自に行う。

2生活に困窮する外国人は、生活保護の取扱いに準じて必要な保護を受けることができる。

3居宅介護支援事業所が生活保護受給者に対して居宅介護支援を行う場合には、介護保険法の指定のほかに、生活保護法による指定を受ける必要がある。

4葬祭扶助は、原則として、現物給付である。

5福祉事務所で生活保護を担当する査察指導員と現業員は、社会福祉主事でなければならない。

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正解は…2・3・5
  1. 全てではなく、例外がある。例えば、第1号被保険者は医療保険の加入・未加入は要件にならないため、第1号被保険者は生活保護であっても、介護保険被保険者となるため、要介護認定は生活保護独自のものではなく、通常の要介護認定となる。
  2. 葬祭扶助は現金給付である。

問59

成年後見制度について正しいものはどれか。3つ選べ。

1本人以外の者の請求により補助開始の審判をするには、本人の同意が必要である。

2後見開始の申立は、本人の所在地を管轄する地方裁判所に行う。

3市町村は、当該市町村における成年後見制度の利用の促進に関する施策についての基本的な計画を定めるよう努めることとされている。

4後見開始の審判は、事実上婚姻関係と同様の事情にある者も請求することができる。

5任意後見人の配偶者、直系血族及び兄弟姉妹は、任意後見監督人となることができない。

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正解は…1・3・5
  1. 後見開始の申立は、家庭裁判所に行う。
  2. 事実婚の者は申立できない。後見開始の審判の申立権者は本人、四親等内の親族、検察官、市町村長などである。

問60

高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律について正しいものはどれか。2つ選べ。

1養護者による高齢者を衰弱させるような著しい減食は、高齢者虐待に当たる。

2市町村又は市町村長は、虐待の通報又は届出があった場合には、高齢者を一時的に保護するために老人短期入所施設等に入所させることができる。

3養介護施設には、地域包括支援センターは含まれない。

4養護者による高齢者虐待により高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがあると認める場合であっても、市町村の職員は、警察の許可なく高齢者の居所に立ち入ることはできない。

5都道府県は、養護者の負担軽減のため、養護者の相談、指導及び助言その他の必要な措置を講じなければならない。

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正解は…1・2
  1. 養介護施設には、地域包括支援センターも含む。
  2. 市町村長は被虐待者が生命または身体に重大な危険が生じているおそれがあると認める場合、市町村職員に命じて、立ち入り調査を行うことができる。なお、必要に応じて市町村長は警察署長に援助を求めることができる(高齢者虐待防止法第11条、第12条第1項)。
  3. 相談、指導、助言を行うのは市町村である。
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