第16回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(総合) 一問一答

分野別テスト→

問41

認知症について正しいものはどれか。2つ選べ。

1BPSD(認知症の行動・心理症状)とは、認知症の中核症状のことで、認知症の高齢者に必ずみられる症状である。

2BPSDの悪化要因として最も多いのは、家族の不適切な対応である。

3BPSDの治療としては、非薬物療法が優先され、薬物療法は必要最少にとどめるべきである。

4アルツハイマー病の治療薬は、組合せによって2剤併用が可能である。

5アルツハイマー病の治療薬の効果は、認知症初期の進行防止に限られる。

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正解は…3・4
  1. BPSDとは、徘徊、異食、不潔行為などの認知症の周辺症状のことであり、認知症高齢者に必ずみられるわけではない。
  2. BPSD悪化の原因としては、聴力や視力の低下などの身体的要因、睡眠障害などの精神的要因、家族との離別などの社会的要因などが考えられる。
  3. BPSDの治療においては、非薬物療法が優先される。
  4. 近年、アルツハイマー病の治療薬の開発が進み、患者の状態に合わせた投薬が行われており、2剤併用による優れた効果も報告されている。
  5. 現在は、進行状況に対応した治療薬が用いられている。

問42

高齢者のうつ病について正しいものはどれか。3つ選べ。

1背景因子として、社会的役割の喪失や慢性疾患の合併などがある。

2若年期と比べ、気分・感情の落ち込みが目立ち、不安・焦燥感が目立たないことが多い。

3若年期と比べ、頭痛や肩こりなど身体症状を伴うことが多い。

4治療には薬物療法と精神療法があるが、高齢者の場合、精神療法は効果がないので、薬物療法のみを行う。

5抗うつ薬によるうつ症状への効果の発現には時間を要するため、効果がないからと勝手に服薬を中断しない。

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正解は…1・3・5
  1. 老年期に初発するうつ病の背景因子としては、配偶者や親族などとの死別、社会的地位の喪失、家庭内の対人葛藤、引越し、身体疾患などがあげられる。
  2. 老年期のうつ病においては、不安、焦燥感、苦悶感など否定形な病像を示しやすい。
  3. 頭痛や全身倦怠感、易疲労性など、さまざまな身体症状を訴えることが多い。
  4. 精神療法が有効であることもあり、薬剤療法と併用される。
  5. 服薬については、効果がみられない場合も含め、医師の判断を仰ぐ必要がある。

問43

高齢者の感染症について正しいものはどれか。2つ選べ。

1高齢者のノロウイルス感染は、すべて汚染された食品からの感染である。

2インフルエンザ様の症状があっても、インフルエンザ迅速判断キットの判定が陰性であれば、他人に感染させるリスクはない。

3MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)感染者に対しては、処置前後に、流水と石鹸での手洗いや消毒を行う。

4ノルウェー疥癬(角化型疥癬)では、タオルなど肌に直接触れるものは共用しないが、予防衣や手袋の着用は不要である。

52週間以上続く咳や微熱がある場合には、結核を疑い、早期発見に努める。

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正解は…3・5
  1. ノロウイルスの感染経路には、食品媒介感染、接触感染、飛沫感染がある。
  2. インフルエンザに感染した直後は、診断キットの判定が陰性で出ることもあり、この場合であってもインフルエンザではないと断定されたわけではなく、感染のリスクがないとはいえない。
  3. MRSA感染者については、ケア時に流水と石鹸での手洗いや消毒を励行する。
  4. ノルウェー疥癬では、予防衣や手袋の着用と手洗いを徹底することが重要である。
  5. 2週間以上続く咳や微熱がある場合には、結核を疑い、早期に発見することが重要である。

問44

介護老人保健施設が提供するサービスについて適切なものはどれか。3つ選べ。

1要支援1の者は、介護予防短期入所療養介護を利用できる。

2分館型介護老人保健施設とは、病院又は診療所に併設され、入所者の在宅復帰の支援を目的とする定員29人以下の介護老人保健施設をいう。

3口腔機能維持管理加算は、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔ケアを月4回以上行った場合に、算定できる。

4入所前後訪問指導加算は、本人の同意があっても、退所後、居宅でなく他の社会福祉施設等に入所する場合には、算定できない。

5認知症行動・心理症状緊急対応加算は、認知症行動・心理症状が認められるため在宅でも生活が困難であり、緊急に入所することが適当であると医師が判断した場合に、算定できる。

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正解は…1・3・5
  1. 要支援者については、介護老人保健施設における介護予防短期入所療養介護を利用することができる。
  2. 分館型介護老人保健施設とは、過疎地域等に整備された小規模な介護老人保健施設をいう。記述は、医療機関併設型小規模介護老人保健施設についてである。
  3. 記述の通りである。なお、口腔機能維持管理加算は、口腔機能維持管理体制加算を算定していない場合には算定できない。
  4. 入所前後訪問指導加算は、入所者が居宅に退所することを想定した加算であるが、入所者が居宅ではなく他の社会福祉施設等に入所する場合であっても、当該入所者の同意を得た場合には同様に算定することができる。
  5. 認知症行動・心理症状緊急対応加算は、記述の場合に、入所した日から起算して7日を限度として算定できる。

問45

次の記述のうち正しいものはどれか。2つ選べ。

1高齢者の介護施設における介護事故で最も件数の多いのは、転倒である。

2通所リハビリテーションには、医療保険による給付と介護保険による給付がある。

3訪問看護におけるターミナルケア加算の要件として、医療との連携が十分にとれている場合には、必ずしも24時間連携できる体制は必要ではない。

42011(平成23)年度厚生労働省調査によれば、高齢者への虐待件数としては、養護者によるものより、養介護施設従事者等によるものが多い。

5定期巡回・随時対応型訪問介護看護においては、医師及び看護師も随時対応サービスのオペレーターになることができる。

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正解は…1・5
  1. 2009年度の厚労省調査では「転倒」が6割以上を占めている。
  2. 「通所リハビリテーション」は介護保険での給付のみとなっている。ただし、医療保険において重度認知症患者デイケアや精神科デイケアなどは現在でも行われており、これらも通所リハビリテーションと表現される場合がある。
  3. ターミナルケア加算の算定要件として、24時間連絡体制が確保されていることがあげられる。
  4. 2011(平成23)年度厚生労働省調査によると、養護者による虐待は16,599件、養介護施設従事者等による虐待は151件と、養護者による虐待の方が多い。
  5. オペレーターは、看護師、介護福祉士、医師、保健師、准看護師、社会福祉士又は介護支援専門員でなければならないとされており、医師及び看護師も随時対応サービスのオペレーターになることができる。
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