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「福祉用具専門相談員」をご存知ですか? ①

「福祉用具専門相談員」をご存知ですか? ①

 日常生活を支える車いすや杖などの道具を「福祉用具」といいます。介護保険の福祉用具サービスは単に物を借りたり、購入したりするだけのサービスではありません。介護の相談に乗り、道具の選定を行う「福祉用具専門相談員」など、様々な専門職の手で提供される公的サービスです。

心強い福祉用具のエキスパート

 多くの人にとって、「福祉用具」は馴染みのないものでしょう。しかし、介護を必要とする状態になったときには、車いすや杖などの道具が必要となる場面があるはずです。
 このとき、自分だけで適切な製品を選択するのはとても難しいことです。もしも、身体状況や生活環境に合わない製品を使ってしまうと、状態が悪化したり、転倒して怪我を負ったりするリスクが生まれます。
 そこで、本人や家族の心強いパートナーになってくれるのが「福祉用具専門相談員」です。介護保険制度の福祉用具サービスを受ける場合、必ずこの福祉用具専門相談員が関わる仕組みになっています。
 福祉用具専門相談員は、ケアマネジャーなどを通じて依頼を受け、利用者の自宅を訪問します。
 本人と家族に面会して、身体状況、自宅の環境などを観察し、「一人でトイレに行きたい」「抱きかかえるのが大変」などの声に耳を傾けます。そのうえで、専門職の視点から、利用者の状況に適した福祉用具を提案してくれます()。
 その後、提供した福祉用具が適切に使われているかを点検する「モニタリング」を行うことも重要な業務です。

利用者・家族に寄り添い、日々奮闘

研修を積み、外出等の希望に応える

 全国で福祉用具事業を展開するヤマシタコーポレーション。同社・港営業所の横田和也さんは、入社10年目を迎える福祉用具専門相談員です。大学ではソーシャルワークを学んでいましたが、実習先の障がい者施設でオーダーメイドの車いすを目にしたそうです。その頃からすでに介護人材不足が叫ばれている中、本人ができることを広げる福祉用具に無限の可能性を感じ、この道を志しました。
 同社は社員を「人財」と位置づけ、社員育成に力を注ぎます。例えば、新入社員は2カ月間の合宿研修を行い、ロールプレイングなどを通じて実践力を身につけます。2年目以降も、段階別の自社研修を実施し、常に研鑽を深めています。こうした研修が、「福祉用具専門相談員の自信に繋がっている」と横田さん。
 50代でALS(筋萎縮性側索硬化症)を発症した方を担当した際、「家族と一緒に食事したい」という声に、外出を支援する車いすやスロープなど、住環境のトータルコーディネートで応えました。担当看護師から、この身体状況で外出は難しいのではと懸念の声もあがっていましたが、実習や現場で得た経験で、見事にその方の希望を叶えることができました。
 担当のケアマネジャーの石間真二さんも、「介護はまったなしで、場合によっては緊急に福祉用具が必要となることも多々あります。365日、スピード感と専門性をもって対応してもらえるのでとても助かります」と信頼を寄せています。
■「福祉用具専門相談員をご存知ですか?②」に続く(リンク先)

(福祉用具の日しんぶん2018年10月1日号)

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