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元気な高齢者を「介護助手」に活用 【介護人材 2】

元気な高齢者を「介護助手」に活用 【介護人材 2】

 高齢者や障がい者を支える介護人材。社会的な意義、やりがいのある仕事ですが、人材の確保が課題です。「介護の日」をきっかけに、介護の仕事についても考えてみませんか。

元気な高齢者が「介護助手」に

 三重県老人保健施設協会では、地域の元気な高齢者を「介護助手」として活用しています。介護助手は、配膳や清掃などの業務を担います。忙しい介護職員が本来の仕事である介護業務に集中できるようになり、ケアの質の向上にも繋がるといいます。
 同制度を考案した全国老人保健施設協会の東憲太郎会長(三重県津市、老健いこいの森)は「かつての看護師も看護以外の業務に忙殺されていた。しかしその負担を軽減させる看護助手が誕生したことで、専門化が進み、社会的地位も向上した。同じ現象を介護の分野でも起こしたい」と強調。労働環境が整備されれば給与や介護職へのイメージがあがり、新規人材獲得への間接的な効果もあると説明します。
 元気高齢者を介護助手にと考えたのは、東氏が診療の中で「何かをしたい」といった高齢者の声を多く聞いたことがきっかけだといいます。説明会には251人が参加し、老健9施設で57人が採用されました。申込者の約3割が看護師や介護経験者だったといいます。「潜在人材の発掘にも繋がった。元気高齢者の社会参画の意識は、予想以上に高いと実感した」と東会長は話します。
 介護助手はシーツ交換などさまざまな業務を担う

 介護助手はシーツ交換などさまざまな業務を担う

 いこいの森に介護助手として勤める中西純子さん(60歳)は、説明会の告知を見て、高齢者でも働けるという点に可能性を感じたと語ります。施設内では食器洗いや着替えの用意などを行っており、身体に触れての介助などは一切しません。無理なく働けることがメリットだといいます。
 中西さんは元は看護師でしたが、介護の分野は全く未知の世界でした。実際に現場に入って最も驚いたのは、職員の忙しさだといいます。「想像以上に大変な仕事で、尊敬の気持ちしかない。しっかりとサポートして、負担を減らしていきたい」と話します。
 仕事を始めてからは、生活にメリハリがついたと中西さん。現在は週3日4時間ほど働いていますが、施設内のさまざまな業務をこなすことは「体を動かすので、自分の介護予防にも繋がっている気がする」といいます。「元気高齢者が介護現場に触れたら、私のように介護職員さんに対しての理解も深まると思う。人材不足の中、さまざまな面からメリットがあるので活用しない手はない」(中西さん)。
 介護助手には他都道府県からも注目が集まっており、実施を検討する自治体もあるそうです。

外国人技能実習生の活躍

 介護分野の人手不足が深刻化していることを背景に、外国人技能実習生の受け入れ範囲に「介護」を追加することなどを柱とする、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律案」が昨年11月に国会で可決・成立しました。これにより、今年の11月1日から、外国人技能実習生が介護の現場にも入ってくるようになりました。
 実習期間は最長で5年間、訪問介護など、利用者の家で1対1となる訪問系サービスには従事できませんが、施設やデイサービスなどで実習することが可能になっています。実習生は最大で日本の常勤職員と同じ数だけ受け入れられることができ、6カ月間働くと介護保険で定める人員配置基準を満たせるようになります。給与は日本人と同じ「同一労働同一賃金」が条件です。
 現場で活躍する外国人 (特養「等々力の家」)

 現場で活躍する外国人 (特養「等々力の家」)

 日本語については、入国時に基本的な日本語を理解できるレベルである「日本語能力試験N4」、2年目の実習に進むには日常会話ができる「N3相当」の日本語能力が要件とされています。
 また、技能実習制度と併せて「出入国管理及び難民認定法」も改正され、在留資格に「介護」が追加されました。これにより、留学生などが介護福祉士の国家資格を取得した場合、日本で働き続けることが可能になっています。
 介護もグローバルな時代に入ってきています。

(介護の日しんぶん2017年11月11日)


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