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「私は河童ですわ」 世界記録のエース登場

「私は河童ですわ」 世界記録のエース登場

「頭の皿が乾かないよういつも水に入っている」と話すのは、兵庫県西宮市の佐藤久子さん(82)。国内外で数々の記録を樹立した競技水泳のエース。5年ぶりにねんりんピック大会に出場する。

水泳漬けだった日々

  生まれは、宮崎県。5人きょうだいの末っ子。父親が林業を営んでおり、子どものころは切り出した木材を筏に組んで流す父親について行って、終日川で遊び、育った。
 高校ではバスケットボール部に入ったが、友達に誘われて水泳部に移った。すると、すぐに自由形で国民体育大会に出場するほどの実力だった。それからは泳ぐことが楽しくて、水泳漬けの毎日。
 卒業後は水泳の出来る場を求めて奈良の天理短大、さらに旭化成に就職、実業団で活躍する。
 旭化成の野球部監督だった夫と結婚。11歳上の人だったが、家事まで手伝ってくれる優しい人だったという。その後、夫の転勤で大阪へ。
 選手を辞めても水泳は止められない。小柄ながら、腕や足はたくましい。
 47歳からマスターズ大会に挑戦を始めた。ここでも世界大会にバタフライで10回以上出場。世界大会は自費で行くので、「強い人ばかりではない」といいながらも、優勝メダルは数え切れないほど。カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、アメリカ、イタリア、フランスなどで泳いだ。
 本人はすっかり国際人だが、「言葉がもっとしゃべれたらもっと楽しくできたのに」という。長女は夫(日本人)が園長を務めるベルギー・私立ブラッセル日本人幼稚園の保育士、妹も3年間シンガポール日本人学校の教諭を務めるなど母親ゆずりの国際派。

マスターズ世界大会で優勝

イアン・ソープから表彰される2006 年西日本マスターズ(コナミ西宮プール)

選手として、コーチとして

 年齢別の日本記録は数多い。近年は年齢別の記録に熱心な高槻のスイミングスクールで、自身の記録だけでなく、混合4×100mフリーリレー(280~319歳)や女子4×100mフリーリレー(240~279歳)などで世界記録を樹立している。
 昨年までは鳴尾浜スポーツセンターなどで、水泳のインストラクターを務めていた。実績をもとにしたアドバイスは的確。「もっと教えて」といわれるが、長い間にしみついたフォームなどは簡単に直せない、その人に合ったアドバイスのみにとどめるという。40、50歳の手習いではない、私はいわばプロなんだから、という自負がうかがえる。
 話好きで明るい。街の中でも、スイミングスクールの教え子から「先生」「先生」と声がかかり、呼び止められることが。すると話の輪が広がる。
 「私は河童ですわ」。子どものころから今までを振り返って、しみじみと語る。河童と同じように、皿が乾かないよういつも水に入っているのだとか。
 ねんりんピックには、宮城大会(2012年)以来久しぶりの出場。腰痛があって出場を控えていたが、もう痛みは気にならない。混合4×25mメドレー(261歳以上)、混合4×25mフリーリレー(261歳以上)、80歳以上50m自由形、80歳以上25mバタフライの4種目に出場予定。久々のエース登場だ。

(ねんりんピック新聞2017in秋田)

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