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「装着型」スーツで移乗支援 進化する福祉用具(1)

「装着型」スーツで移乗支援 進化する福祉用具(1)

 移乗介助を省力化し、介護職員の腰痛等を軽減する福祉用具はリフトやスライディングボードなどが多く使用されているが、近年では介助者が装着するタイプも。

 介護現場では「負担軽減」「ケアの質向上」などを目的に、さまざまな福祉用具・機器・ICTシステム等が開発されている。介護人材定着や自立支援に向けたデータ分析、また地域への参加・活動支援など、用具活用によって様々な社会の 課題に解決の糸口が見出されようとしている。新技術を搭載した移乗介助機器、利用者の状態・生活状況をつぶさに把握する見守り機器や排尿予測機器、外出を前向きな気持ちにさせるモビリティなど、機能性・デザイン性の両面で進化する 福祉用具の一部を紹介する。

  ■(1)「装着型」スーツで移乗支援(本ページ)
  (2)見守りを助けるセンサー技術(リンク先)
  (3)「魅せる」屋外移乗機器(リンク先)
  (4)排尿予測でトイレも安心(リンク先)

 移乗介助を省力化し、介護職員の腰痛等を軽減する福祉用具はリフトやスライディングボードなどが多く使用されているが、近年では介助者が装着するタイプも。もともとは工場の重労働向けに開発され、その後介護市場に参入した製品などもある。

 装着型は、持ち上げ・抱え上げの際にアシスト力が働き、介助者が負担軽減を直に感じることができる点が特徴。介助動作は従来と大きく変わらず、身体で使い方の感覚をつかみやすい。また、据置きタイプの移乗機器と異なり、介助者が装着し移動できるため、介助を行う各場所へ複数台設置する必要もなくなる。

 近年、介護現場で導入が進んでいる「マッスルスーツ」(イノフィス)は空気圧がアシスト力を生み出す機器。腰痛の原因となる前傾・中腰姿勢の際に、上半身を上方へ引き上げる力が働く。軽量(3.8㎏)かつ着脱が簡便で、ロボット機器の使用に対する煩わしさや抵抗感を極力排除する。
 現在14台導入している特別養護老人ホーム「砧ホーム」(東京都世田谷区)では、移乗介助のほかにも清掃や運搬、書類整理業務などの軽作業でも活用。鈴木健太施設長は「慣れれば体の一部です」と話す。

 同施設ではマッスルスーツの導入以後、腰痛による離職者はゼロ。ヘルニア持ちながら移乗介助を行う職員もいる。
 運搬・清掃など介助以外の軽作業でも活躍。特養「砧ホーム」にて

 運搬・清掃など介助以外の軽作業でも活躍。特養「砧ホーム」にて

(福祉用具の日しんぶん2020)

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