第15回 介護支援専門員 実務研修受講試験問題【解答・解説】学校法人 藤仁館学園

保健医療福祉サービス分野(福祉サービスの知識等) 一問一答

分野別テスト→

問46

面接場面におけるコミュニケーションについて、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1面接場所の設定、いすの配置、部屋の雰囲気、職員の服装も円滑なコミュニケーションを図る上での重要な要素となる。

2面接の焦点を定める際には、クライエントが明示しなかったものは取り上げない。

3傾聴を行う上では、「もう少し詳しく話してください」とか、「例えば?」などの質問はあまり使用しない方がよい。

4相談援助者には、相手のメッセージを正確に受け取ろうとする姿勢が重要である。

5相談援助者は、相手の文化的・社会的背景を十分に配慮する。

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正解は…1・4・5
  1. これら以外にも、書類の形式、あらかじめ記入を求めるものがあればそれについての外的条件もまた、円滑なコミュニケーションを可能にするよう配慮されなければならない。
  2. 面接の焦点を定める際に、情緒の意味を考察するが、情緒は明示されたものとそうでないものを含める。
  3. 傾聴のためには、「オープンクエスチョン」(開かれた質問)がよいとされる。「もう少し詳しく…」とか、「例えば?」などの質問はその例である。
  4. 面接においては、相談援助者側に、共感的相互理解を追求しようとする誠実さが存在することが重要である。
  5. 相談援助者は、人間としての温かさ、相談援助者としての姿勢と基本的態度を、相手の文化的社会的背景への十分な配慮とともに、常に表明していなければならない。

問47

相談援助者の職業倫理について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1クライエントから相談を受けている内容が深刻であったため、その具体的内容を自分の家族に話し、よいアドバイスを得た。

2相談場面での情報は、相談の目的に照らし、クライエント本人がその必要性を納得する限りにおいて集めることができる。

3利用者宅でサービス担当者会議を行った後、同僚と近隣の喫茶店でケアプランの変更内容について検討を続けた。

4利用者の現住所について利用者の親戚を名乗る人から問い合わせがあったので、事業所の判断で情報を提供した。

5相談援助者自身が職業倫理に違反する行為を自覚していない場合があるため、スーパービジョンによる点検が重要である。

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正解は…2・5
  1. 個人の秘密を守るにあたっては、夫婦であっても親子であっても相談過程においてそれぞれ独立した個人として対応し、情報を許可なく容易に互いの間で流通させないことが必要である。
  2. 相談を受ける側の特定の関心や興味からの質問が行われるべきではなく、面接で得られる情報は、相談目的以外に用いられるべきではない。
  3. 個人情報を用いる際には、相談場所にも留意する必要がある。
  4. 職業倫理として、本人の承諾なしに情報を漏らしてはならない。またこれによって、明らかになる弱点や未解決の問題点などに他人が付け入って、被害を受けたりする危険があってはならない。
  5. スーパービジョンとは、援助や相談をする人が、援助者として自らの認識や行動、発言等について、先輩や上司に相談し助言を求める制度やその面接であり、援助専門職の教育に必須である。

問48

地域援助技術(コミュニティワーク)について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1地域にある既存の保健・福祉サービスをニーズに合うように改善することは、コミュニティワークに含まれない。

2震災被災者等に対するボランティアグループを組織化することも、コミュニティワークの一つである。

3社会福祉に関する問題を対象とするので、医療・保健機関との協力活動は行わない。

4地域住民が福祉に関する情報を入手したり、相談ができるような環境を整備する。

5コミュニティワークは、自治体や社会福祉協議会だけが実施できる。

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正解は…2・4
  1. コミュニティワークの機能として、現行のサービスを充実、改善していくことが期待される。
  2. コミュニティワークには、震災被害者等の特定の新たな利用者集団の組織化も含まれる。
  3. コミュニティワークの働きかけは、保健、医療、福祉、教育といったような領域の諸集団間の交流を活発にする。
  4. 例えば、情報センターの設置や総合相談窓口、電話相談事業の開発など、地域住民が福祉サービスをよく知り、積極的に利用できるための手段をつくり出し、それを充実改善していくことも含まれる。
  5. わが国では、国・都道府県・市町村の社会福祉協議会がその中心的機能を担っているが、同時に多くのNGO・NPOもまた多様に組織され、国の内外を問わずその活動を展開している。また、その領域も狭義の福祉にとどまらず様々な対象や問題にも拡大している。

問49

ソーシャルワークの視点から援助困難事例への対応方法について、より適切なものはどれか。2つ選べ。

1認知症のある利用者から、訪問介護員に物を盗られたとの訴えがあったため、最初に警察に相談し助言を求めた。

2認知症が疑われる利用者が、保健・医療・福祉の専門家チームが必要と考えるサービスを拒否したため、やむを得ず居宅介護支援の契約を打ち切った。

3家族が認知症からくる行動障害のために介護負担を感じていたため、介護支援専門員の判断で、本人をグループホームに入所させた。

4買い物や食事などの利用者の抱える切実な問題の解決に具体的に取り組むことも必要である。

5攻撃的な利用者に対しては、ときには距離を置いて見守りながら、その自尊心、自立心を傷つけないようにすることも必要である。

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正解は…4・5
  1. 最初に警察に相談するのは性急であり、利用者との対応困難な問題が発生したらまず訪問介護員が、所属する訪問介護事業所に相談や報告を行う。
  2. サービスを拒否したとはいえ、契約を打ち切るのではなくチームアプローチなどにより支援していく必要がある。
  3. 介護支援専門員の判断ではなく、本人や家族が自己選択できるよう支援していく必要がある。
  4. 相手のニーズ全体を考えながら、最も解決の必要な問題を探して、それへのサービス提供を申し出ることが有効である。例えば、それが食事の支度や買い物などであれば、給食サービスを受けることを勧め、それを定期的に届けることで関係が出来る例は珍しくない。
  5. 利用者の状況に応じて、距離をおいて見守りながら、特に重大な問題が発生したときに親切に援助することが有効の場合もある。

問50

介護保険における訪問介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1訪問介護員等が生活援助として買い物を行う場合は、利用者宅に訪問するための移動中に商品を購入することもできる。

2要介護1の利用者に対し行った日中における20分未満の身体介護中心型は、保険給付の対象となる。

3嚥下困難者のための流動食の調理は、生活援助として算定する。

4安否確認のための訪問は、20分未満の身体介護中心型として算定できる。

5利用者が飼育している犬の散歩は、介護保険給付の対象外である。

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正解は…1・5
  1. 訪問介護においては、居宅において提供されるサービスとして位置付けられており、生活援助における「買い物」サービスを行う場合、訪問介護員等は利用者の自宅に立ち寄ってから、購入すべき食品又は日用品等を利用者に確認し、店舗に向かうこととしてきたが、前回訪問時あるいは事前の電話等により利用者から購入すべき商品を確認したうえで、事業所等から店舗に向い、商品を購入後、利用者の居宅に向かうことができるものとする。なお、この場合の訪問介護の所要時間については、店舗での買い物に要する標準的な時間及び利用者の居宅における訪問介護に要する標準的な時間を合算したものとすることとされる。(厚生労働省平成24年度介護報酬改定に関するQ&A(平成24年3月16日厚労省通知vol.267))
  2. 日中における20分未満の身体介護中心型の算定要件のひとつに、要介護3-5かつ疾病・障害もしくはそれらの後遺症又は老衰で生じた身体機能の低下が認められ、屋内生活に介護が必要な者(障害高齢者の日常生活自立度ランクB・Cの者)とされ、要介護1の利用者は該当しない。
  3. 身体介護には、専門的知識・技術をもって行う生活援助サービスも含まれている。嚥下困難者のための流動食や糖尿食等の調理のように、特段の専門的配慮を要する場合がこれに該当し、身体介護として算定できる。
  4. 20分未満の身体介護中心型の算定要件の留意点として、単なる見守り・安否確認のみのサービスによる算定は認めないとされる。
  5. 犬の散歩等ペットの世話は、訪問介護員が行わなくても日常生活を営むのに支障が生じないと判断される行為である。一般的に介護保険の生活援助の範囲に含まれないと考えられる事例であり、介護保険給付の対象外である。

問51

介護保険における訪問による入浴の介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1訪問入浴介護事業所が、その事業所と同一の建物に居住する利用者に対し訪問入浴介護を提供する場合には、所定単位数の100分の90に相当する単位数を算定する。

2利用者の身体の状況等に支障を生ずるおそれがなく、主治の医師の意見を確認した上で、介護職員3人で訪問入浴介護を提供した場合には、所定単位数の100分の100を算定できる。

3訪問入浴介護において十分な経験年数がある介護職員が訪問する場合には、主治の医師の意見の確認なしに入浴の可否を判断してよい。

4全身入浴の介助に必要な場合には、訪問介護と訪問看護を同時間に利用することができる。

5訪問入浴介護において利用者の体調が悪く、利用者の希望により部分浴のみ行った場合にも、全身入浴と同じ単位数を算定することができる。

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正解は…1・4
  1. 当該算定要件は、サービス付き高齢者向け住宅等の集合住宅(養護老人ホーム・軽費老人ホーム・有料老人ホーム・改正前の高齢者居住安定確保法に規定の高齢者専用賃貸住宅)と同一建物に併設する事業所で、当該住宅居住の利用者30人以上(前年度の月平均)にサービスを提供した場合である。
  2. 指定訪問入浴介護の提供においては、1回の訪問につき、看護職員1人および介護職員2人で行うものと定められ、利用者の身体の状況が安定していること等から、入浴により利用者の身体の状況等に支障を生ずるおそれがないと認められる場合には、主治の医師の意見を確認したうえで、看護職員に代えて介護職員を充てることができることが定められている。この場合、所定単位数の100分の95に相当する単位数を算定する。
  3. 入浴の可否の判断は、利用者個々の体調を把握し、看護判断により主治医へ連絡・相談し、主治の医師の判断を仰ぐことが原則である。入浴や部分浴、清拭を実行するにあたっては、安全であることを十分に確認し、その旨を記録しておかなければならない。また実施後の報告を主治医へ行う。
  4. 利用者は同一時間帯にひとつの訪問サービスを利用が原則である。しかし、家庭の浴槽で全身入浴の介助をする場合など、訪問介護と訪問看護、又は、訪問介護と訪問リハビリテーションを、同一時間帯に利用する場合は、利用者の心身の状況や介護の内容に応じて、同一時間帯に利用することが必要な場合に限り、それぞれのサービスについてそれぞれの所定の単位数が算定できる。ただし、訪問入浴介護は看護職員1人と介護職員2人の3人体制による入浴介助が基本であるため、訪問入浴介護従事者と別の訪問介護員等が、同一時間帯に同一利用者に対して、入浴その他の介助を行ったとしても、別に訪問介護費は算定できない。
  5. 訪問入浴介護において、清拭又は部分浴(洗髪、陰部、足部等の洗浄をいう)を実施したときは、全身浴を行った場合の所定単位数の100分の70に相当する単位数を算定する。

問52

介護保険における通所介護について正しいものはどれか。2つ選べ。

1利用者は、利用日ごとに異なる提供時間数のサービスを受けることができる。

2時間区分が同一の利用者については、サービス提供開始時刻と終了時刻は同時刻でなければならない。

3サービス利用時間が9時間を超過する場合は、延長加算を算定できる。

4通所介護事業所と同一建物に居住する利用者にサービスを提供する場合も、原則として、他の利用者と同一の所定単位数で算定できる。

5個別機能訓練加算は、機能訓練指導員の職務に従事する常勤の理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等を1名以上配置していれば算定できる。

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正解は…1・3
  1. 利用者ごとのアセスメントに基づいたケアプランが作成されるため、利用者にあった日数や提供時間でサービスを利用することができる。
  2. 利用者個別のケアプランにより、サービスの提供時間が決定されるものであり、開始時間と終了時間を一律にしなければならないものではない。
  3. 7時間以上9時間未満の通所介護の前後に日常生活上の世話を行う場合、9時間以上10時間未満、10時間以上11時間未満、11時間以上12時間未満に区分してそれぞれ加算が算定できる。
  4. 同一建物に居住する者または同一建物から当該指定通所介護事業所に通う者に対し、通所介護を行った場合は、1日につき94単位を所定単位数から減算する。ただし、傷病その他やむを得ない事情により送迎が必要であると認められる利用者に対して送迎を行った場合は、この限りでない。
  5. 個別機能訓練加算はこの人員配置とともに、機能訓練指導員、看護職員、介護職員等が共同で、利用者ごとの個別機能訓練計画を作成し機能訓練を実施することが必要である。

問53

介護保険の給付対象となる福祉用具について正しいものはどれか。2つ選べ。

1認知症老人徘徊感知機器は、福祉用具貸与の対象となる。

2自動排泄処理装置は、交換可能部品も含め、特定福祉用具販売の対象となる。

3設置工事を伴うスロープは、福祉用具貸与の対象となる。

4移動用リフトは、つり具の部分も含め福祉用具貸与の対象となる。

5入浴補助用具は、特定福祉用具販売の対象となる。

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正解は…1・5
  1. 認知症老人徘徊感知機器は、玄関などに設置して、通過時に知らせる機器であり、福祉用具貸与の対象である。これには、ベッドから離れたことを検知して音などで知らせる離床センサーも含まれる。
  2. 自動排泄処理装置は、これまで特殊尿器として購入種目であったが、尿・便ともに吸引するものを対象とすることに伴い、尿だけを吸引するものも含めて2012年度より貸与の対象となった。また、レシーバーなど貸与になじまないものは自動排泄処理装置の交換可能部品として購入種目となった。
  3. 福祉用具貸与の対象は、工事を伴わず使用できるスロープに限定されている。工事を伴う場合は住宅改修費として給付の対象となる。
  4. 移動用リフトは、工事を伴わずに設置できるリフトのほとんどが対象になっている。移乗介助の介助者の負担軽減とともに介助を受ける本人も快適で安心である。人をつり上げるリフトのほかに、車いすに取り付けたり、座位のまま階段を昇降できる階段移動リフトも対象となった。ただし、つり具の部分は購入品目となっている。
  5. 入浴補助用具は、シャワーチェア(入浴用いす)やそれに車輪がついたシャワー用車いす、浴槽の縁に取り付ける手すり、入浴用介助ベルトなどが特定福祉用具販売の対象になる。

問54

認知症対応型共同生活介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の負担により、当該事業所の介護従業者以外の者による介護を受けさせることもできる。

2複数の共同生活住居がある認知症対応型共同生活介護事業所の場合は、共同生活住居ごとにそれぞれ夜勤職員を配置しなければならない。

3事業者は、利用者の処遇上必要と認められる場合であっても、居室を二人部屋にすることはできない。

4事業者は、共同生活住居ごとに非常災害対策などの事業運営についての重要事項に関する規程を定めておかなければならない。

5事業者は、食材料費、理美容代、おむつ代を利用者から受け取ることができる。

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正解は…2・4・5
  1. 認知症対応型共同生活介護事業者は、利用者の負担により、当該共同生活住居における介護従業者以外の者による介護を受けさせてはならない。法第99条第2項。
  2. 夜間・深夜の勤務を行う介護従業者について、以前は、利用者の処遇に支障のない場合は併設される他の共同生活居住(ユニット)の職場に従事されるとされていたが、2012(平成24)年4月以降は兼務は不可となり、共同生活居住ごとに配置が必要である。
  3. 居室の定員は、1人とする。但し利用者の処遇上必要と認められる場合(夫婦等)は、2人とすることができるものとすると設備基準に規定されている。法第93条第3項。
  4. 事業者は共同生活住居ごとに、次の事業の運営についての重要事項に関する規定を定めておかなければならない。(1)事業の目的及び運営の方針(2)従業者の職種、員数及び職務内容(3)利用定員(4)指定認知症対応型共同生活介護の内容及び利用料その他の費用の額(5)入居に当たっての留意事項(6)非常災害対策⑦その他運営に関する重要事項(運営規定)。法第102条。
  5. 事業者はサービス利用料のほかに、これらの支払いを利用者から受けることができると運営基準に規定されている。法第96条第3項。

問55

介護予防訪問介護について正しいものはどれか。3つ選べ。

1介護予防訪問介護事業者は、利用者の意欲が高まるように利用者とのコミュニケーションを十分図るなどの働きかけに努めなければならない。

2介護予防訪問介護計画の様式は、法令で定められたものを使用しなくてはならない。

3介護予防訪問介護の提供に当たっては、他の福祉サービスの利用可能性についても考慮しなければならない。

4自らの事業所でサービス提供が困難と判断した場合には、申込者の担当介護予防支援事業者に連絡し、他の事業者等を紹介するなど必要な措置を速やかに講じなければならない。

5サービス提供責任者は、少なくとも1月に1回は、介護予防訪問介護計画の実施状況の把握を行わなくてはならない。

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正解は…1・3・4
  1. 基本取扱方針で事業者は、サービス提供に当たり、利用者とのコミュニケーションを十分に図ることその他の様々な方法により、利用者が主体的に事業に参加するよう適切な働きかけに努めなければならないとされる。法第38条第5項。
  2. サービス提供責任者は、利用者の日常生活全般の状況及び希望を踏まえて、介護予防訪問介護の目標、当該目標を達成するための具体的なサービスの内容、サービスの提供を行う期間等を記載した介護予防訪問介護計画を作成するものとする(法第39条)が、標準様式であり、法令で定められた全国一律の様式ではない。
  3. 介護予防訪問介護は、あくまでも利用者ができる生活行為を増やしていき、日常生活の自立に向けて支援することを目的としているため、通所系サービス(運動機能の向上等)の利用を通して生活行為の改善を図っていくことを考える必要がある。
  4. 運営基準にサービス提供困難時の対応として規定されている。法第10条。
  5. サービス提供責任者は、介護予防訪問介護計画に記載したサービスの提供を行う期間が終了するまでに少なくとも1回は、介護予防訪問介護計画の実施状況の把握を行うものとする。(具体的取扱方針)法第39条。

問56

介護老人福祉施設の介護支援専門員について適切なものはどれか。3つ選べ。

1計画担当介護支援専門員は、定期的に利用者と面接し、サービスの実施状況を把握しなければならない。

2施設サービス計画の作成に当たり、地域住民による自発的な活動等の利用を含めて施設サービス計画上に位置づけるよう努めなければならない。

3入所者が要介護状態区分の変更の認定を受けた場合には、計画担当介護支援専門員は、担当者の意見を求めることなく、自らの判断で施設サービス計画の変更ができる。

4介護支援専門員が必要と認めた場合であれば、入所者の負担で居宅療養管理指導等の居宅サービスを利用することができる。

5介護老人福祉施設には、常勤の介護支援専門員を1名以上置かなければならない。

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正解は…1・2・5
  1. 計画担当介護支援専門員はサービスの実施状況の把握に当たっては、入所者及びその家族並びに担当者との連絡を継続的に行うこととする。特段の事情のない限り、定期的に入所者と面接、定期的にモニタリングの結果を記録することを実施しなければならない。運営基準法第12条第10項。
  2. 施設サービス計画の作成に当たっては、入所者の日常生活全般を支援する観点から、当該地域の住民による自発的な活動によるサービス等の利用も含めて施設サービス計画上に位置づけるよう努めなければならない。法第12条第2項。
  3. 入所者が要介護更新認定、要介護状態区分の変更を受けた場合は、計画担当介護支援専門員はサービス担当者会議の開催、担当者に対する照会等により、施設サービス計画の変更の必要性について、担当者から、専門的な見地からの意見を求めなければならない。運営基準法第12条第11項。
  4. 介護保険施設の利用者は居宅療養管理指導等の居宅サービスの利用はできない。
  5. 従業者の員数において介護支援専門員は、1名以上(入所者の数が100人またはその端数を増すごとに1を標準とする)とし、専らその職務に従事する常勤の者でなければならない。ただし、入所者の処遇に支障がない場合は、当該指定介護老人福祉施設の他の職務に従事することができる。人員基準法第2条第1項第6号・同第9項。

問57

社会資源について、より適切なものはどれか。3つ選べ。

1一般的に、インフォーマルなサポートは柔軟な対応が可能だが、安定した供給が困難な場合もある。

2インフォーマルな社会資源には、明確には制度化されていない当事者組織や相互扶助団体は含まない。

3介護支援専門員には、雪落としやごみ回収などのサービスの活用は求められていないが、配食サービスや移送サービスの活用は求められている。

4介護支援専門員には、フォーマルサービスとインフォーマルサービスの連携を図ることも求められている。

5介護支援専門員には、要介護者等自身の能力・資産・意欲といった内的資源を活用することも求められている。

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正解は…1・4・5
  1. インフォーマルサポートの中で家族は柔軟に対処できる主たるものである。
  2. 当事者組織や相互扶助団体もインフォーマルな社会資源に含まれる。
  3. 介護支援専門員には配食サービスや移送サービスを始め、雪落としやゴミ回収などのサービスなども含まれ、幅広く社会資源の活用が求められている。
  4. インフォーマルな社会資源とフォーマルな社会資源の関係は不連続の側面が強く、要介護者等に提供するにあたってそれらを連続したものにするために、フォーマルな側での調整的な役割が求められる。ここに介護保険制度ではケアマネジメント(居宅介護支援サービス)の意義を見つけることができ、フォーマル側に介護支援専門員を置くことにより、フォーマルな分野はインフォーマルな分野との連続した支援を行うことが可能となる。
  5. 介護支援専門員は、社会資源以外にも内的資源を活用していくことが求められている。

問58

生活保護制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

1生活保護受給者である介護保険の第1号被保険者の保険料は、介護扶助の対象となる。

2介護扶助の対象者は、介護保険の第1号被保険者に限定される。

3介護予防支援計画に基づく介護予防は、生活扶助の対象である。

4介護施設入所者基本生活費は、生活扶助として給付される。

5介護扶助の対象でも、住宅改修など現物給付が難しいサービスについては金銭給付が認められている。

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正解は…4・5
  1. 第1号被保険者の保険料は、介護扶助ではなく、生活扶助の対象である。
  2. 介護扶助の対象者は(1)65歳以上の介護保険の被保険者(第1号被保険者)(2)40歳以上65歳未満の医療保険加入者(第2号被保険者)であって、介護保険法施行令(平成10年政令第412号)第2条各号に掲げられた特定疾病により要介護または要支援の状態にある者③医療保険未加入のため介護保険の第2号被保険者になれない40歳以上65歳未満の者であって、特定疾病により要介護または要支援の状態にある者である。
  3. 介護予防支援計画に基づき行う介護予防は、介護扶助である。介護扶助の範囲には、(1)居宅介護(2)福祉用具(3)住宅改修(4)施設介護(5)介護予防(6)介護予防福祉用具(7)介護予防住宅改修(8)移送がある。(生活保護法第15条の2)
  4. 介護保険施設に入所している場合の日常生活費については「介護施設入所者基本生活費」として生活扶助から給付される。
  5. 介護扶助の給付方法は、介護サービスの性質上サービスそのものを保障することが重要であるため、原則として現物給付により行われるが、住宅改修や福祉用具等現物給付によりがたいサービスについては金銭給付により行われる。

問59

成年後見制度について正しいものはどれか。2つ選べ。

1成年後見人は、本人の居住用不動産の処分を含め、本人の財産に関する法律行為を家庭裁判所の許可なく本人に代わって行うことができる。

2市町村長は、65歳以上の者の福祉を図るため特に必要があると認めるときは、後見開始等の審判を請求することができる。

3成年被後見人による法律行為を、当該成年被後見人が自らこれを取り消すことはできない。

4任意後見契約の委任者(本人)と任意後見受任者は、公正証書で任意後見契約を交わさなければならない。

5任意後見制度では、家庭裁判所が、任意後見人の四親等内の親族の中から任意後見監督人を選任する。

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正解は…2・4
  1. 本人の居住用の不動産を処分する場合には、家庭裁判所の許可が必要である。
  2. 法定後見制度における申立権者は、本人、配偶者、四親等内の親族、未成年後見人、未成年後見監督人、後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人、補助監督人、検察官(民法第7条)、任意後見受任者、任意後見人、任意後見監督人(任意後見契約に関する法律第10条第2項)とされている。しかし、65歳以上の者、知的障がい者、精神障がい者について、その福祉を図るために特に必要があると認めるときは、市町村長は後見開始の審判等の請求ができると規定されている(老人福祉法第32条、知的障害者福祉法第28条、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第51条の11の2)。
  3. 成年被後見人による法律行為は、当該成年被後見人が自らこれを取り消すことができる。
  4. 本人と任意後見受任者とが、公正証書で任意後見契約をすることになる。公正証書以外の方式で契約をしても、任意後見契約として使用することはできない。
  5. 任意後見制度では、認知症等により判断能力が不十分になったときのために、後見人になってくれる者と後見事務の内容を、あらかじめ契約によって決めておく制度である。一方、本人または四親等内の親族等の申立てに基づいて、家庭裁判所が成年後見人等を職権で選任する制度を法定後見制度という。

問60

「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「高齢者虐待防止法」という。)について正しいものはどれか。3つ選べ。

1高齢者虐待防止法で対象となる養介護施設には、有料老人ホームは含まれない。

2市町村は、養護者の負担の軽減を図るため緊急の必要がある場合に高齢者が短期間養護を受けるために必要となる居室を確保するための措置を講じなければならない。

3養護者による虐待で高齢者の生命又は身体に重大な危険が生じているおそれがある場合には、市町村長は、高齢者福祉に関する事務に従事する職員をして、当該高齢者の居所に立ち入り、必要な調査を行わせることができる。

4市町村長は、養介護施設従事者等による高齢者虐待の状況やそれに対する措置等を、毎年度、公表しなければならない。

5養介護施設従事者等は、業務に従事する施設内において虐待を受けたと思われる高齢者を発見した場合は、速やかにこれを市町村に通報しなければならない。

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正解は…2・3・5
  1. 養介護施設は、老人福祉法に規定の有料老人ホームのほか、介護保険法に規定の地域包括支援センターや介護老人福祉施設等とされている。高齢者虐待防止法第2条第5項。
  2. 措置を採るために必要な居室を確保するための措置を講ずるものとする。同法第10条。
  3. 市町村長は、地域包括支援センターの職員その他の高齢者の福祉に関する事務に従事する職員をして、当該高齢者の住所又は居所に立ち入り、必要な調査又は質問をさせることができる。同法第11条。
  4. 市町村長ではなく、都道府県知事が、毎年度施設・事業者による高齢者虐待の状況等について厚生労働省令で定める事項を公表する。同法第25条。
  5. 養介護施設従事者等による高齢者虐待に係る通報を義務付けられている。同法第21条。
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