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社会・時事・他認知症患者鉄道事故 妻に監督責任 賠償額は半減 2014年5月13日08時42分

 4月24日、名古屋高裁で、認知症患者の鉄道事故に伴うJRからの遺族に対する損害賠償訴訟の控訴審判決があり、介護にあたっていた妻に監督を怠っていたとして約360万円の賠償を命じた。事故は、2007年12月に愛知県大府市のJR共和駅の線路上で、妻(当時85歳、要介護1)がうたた寝していた間に徘徊に出た夫(91歳、要介護4)が列車にひかれて死亡したもので、JRは人身事故に伴う振替輸送などの費用約720万円を遺族である妻と長男に賠償請求、昨年8月、第1審の名古屋地裁ではJRの主張を全面的に認めて妻と長男に請求全額の賠償を命じていた。

 第2審の名古屋高裁は、配偶者として同居していた妻の監督責任のみを認め、以前から横浜に住む長男については、経済的な扶養義務はあっても直接に介護の責任まではないとした。JRには、基本的に過失などは認められないとしながらも、駅員の監視やホームの安全対策を十分に行っていれば事故を防げた可能性があったとして、賠償額を半減させた。妻は配慮した介護を行っていたとは認めたものの、徘徊センサーの電源を切っていたなどとして監督責任が問われた。

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介護給付費の1万分の1を積み立てて対処を

 認知症介護に携わる者の監督責任が問われたことは、およそ500万人の要介護者を在宅や施設で日々支える多くの家族や介護従事者にとって、対応を迫られる判決といえる。しかし、認知症患者本人の尊厳を守り、適切なケアを続けていく限り、不慮の事故や他者への損害の発生を皆無にすることは難しいだろう。認知症初期集中支援チームや認知症ケアパスづくりなど「オレンジプラン」の推進にしっかり取組むとともに、介護給付費総額のおよそ1万分の1にあたる10億円を毎年基金として積み上げて、認知症だけでなく、高齢者介護に関わる第3者への損害を支払う仕組みを作ってはどうだろうか。家族や事業者などへの求償も柔軟に考えたい。

 また、公共交通機関は、十分な安全対策を取っていれば事故は防げていたかもしれない、という今判決を受け止めて、安全面の整備を進めてほしい。

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