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社会・時事・他潜在的な腰痛リスク評価し正しい姿勢で福祉用具活用を2013年10月10日18時59分

 19年ぶりに改訂された「職場における腰痛予防対策指針」の普及への取り組みとして、8月26日に「第三次産業労働災害防止対策支援事業検討委員会」の初会合が開かれた。11月を目途に施設管理者向け講習会のカリキュラム策定などを行っていく。同委員会メンバーでもあるテクノエイド協会(東京都新宿区、大橋謙策理事長)寺光鉄雄普及部長に、腰痛予防のポイントと普及課題を聞いた。

■腰痛の要因は「姿勢」と「回数」

 省力化の概念無くして腰痛予防と介護技術向上は実現しない。その具体的な手段として福祉用具の活用は重要な役割を担う。

 ただし、福祉用具を導入すれば万事が解決するわけではない。例えば電動ベッドの高さが不適切で、おむつ交換が前かがみ姿勢になっている場合や、車いすの介助グリップが低くて前傾姿勢となっている場合など、自然な介助として見過ごされていることも多い(図)。

 特に腰痛原因の3大介助と言われる「移乗」「入浴」「おむつ交換」は一動作の負荷が低くても、業務の反復により腰痛リスクは確実に蓄積される。

 実際の研究では、前かがみで20㎏の物を両手で持ち上げた場合、立位姿勢時に比べ腰椎3番、4番に加わる圧力が3.8倍になるという結果も出ている。

 まずは福祉用具の基礎知識と具体的な利用シーンを共有し、職員自身がそのメリットを理解すること。特にリフトなどの移乗用具はベッドや車いすに比べ、教育基盤がまだまだ弱い。前述のようなエビデンスや成功事例を活用するのは有効となる。  そのためには、リフトリーダーのような福祉用具のスペシャリストを施設内で育てることは極めて重要だ。ケアの質、介助負担、安全性を含め、本当にその用具が適切に利用されているかを評価する目を施設で持っておきたい。

■事業主の強い予防意識が現場の体制強化を促す

 同委員会での主な検討事項は①職場内の危険の見える化②個別コンサルティング③腰痛予防対策講習会――の3点。腰痛予防で重要なリスクアセスメントとマネジメント力を養うための具体的なツール作成をめざしている。

 危険の見える化はマーカーやステッカー等を用いて、転倒や転落などのリスクが高い場所を注意喚起するもの。例えば福祉用具そのものに「腰痛リスクマーク」をつけるのも1つの方法だ。

 また、個別コンサルティングでは介助作業、健康管理、環境管理等に関してリスク評価のためのチェックリストを作成する。

 そして腰痛予防対策講習会は今後、施設管理者を対象に各都道府県で実施していく。労働安全衛生マネジメントの考え方など、施設全体での体制づくりが主題となる。

 同指針が示すように、腰痛予防は施設管理者が主体となり推進していかなければならない。まずは雇用主が腰痛に対する責任を強く意識するきっかけづくりとして、普及策に取り組んでいきたい。(談)

  • 寺光氏.jpg
  • 「用具の普及には事業者・職員
    両方の教育が不可欠」と寺光氏


  • 図 腰痛リスク.jpg
  • 図 腰痛リスクの高い姿勢例(出典:テク
    ノエイド協会「腰を痛めない介護・看護」)


  • 職場における.jpg
  • 「職場における腰痛予防対策指針」
    の主なポイント


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