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社会・時事・他経口補水液によるケアが高齢者を守る2013年8月30日08時00分

 東京都新宿区にある都内有数のマンモス団地・都営戸山ハイツ。同ハイツの一角に、暮らしや健康・医療・介護相談に応じている「暮らしの保健室」が事務所を開いている。白十字訪問看護ステーションの秋山正子氏は、その室長でもある。

 同保健室は開設以降、毎年夏になると地域住民に向けて、熱中症・脱水症状を防ぐためのミニ講座を開いてきた。今夏も講座を開催、秋山氏は講座で、日ごろから「かくれ脱水」を防止し、早期に脱水症状に対応することの重要性を強調、経口補水液によるケアが、脱水状態に陥りやすい高齢者を守ると指摘する。

■水分摂取の確認には尿の色を尋ねよ

 ――毎年、夏になると熱中症・脱水予防のセミナーを開いている。

 秋山 2011年7月に「暮らしの保健室」をオープンした。その前年の10年の夏が猛暑で脱水症の高齢者が続出し、近隣の国立国際医療センターに多数、運び込まれる事態が生じた。そのため、同センターから、地域で予防啓発をしてくれないかと要請を受けたことがあり、翌年の「暮らしの保健室」オープンに当たり、脱水予防セミナーを2週間連続して開催した。これには地域住民が計116人受講した。以後、毎年開催し、今年で3年目になる。

 ――在宅療養者の症状の重度化が、脱水をきっかけにしたケースが少なくないと指摘している。

 秋山 20年間の在宅訪問看護の経験から、脱水を契機に症状が重度化する方を多く見てきた。重度化を防ぐために「かくれ脱水」を平素から防止し、早めに脱水状態に対応することが重要と考えている。

 ――高齢者を支援する実務者にとって、どのような方を、特に注意しなければならないのか。

 秋山 部屋を閉め切っている方や、クーラーの電気代を節約するために使用しない高齢者が少なくない。また、夏でもセーターを着込んでいる方や、厚い布団を使い続けている高齢者もいる。そうした方々の中に、脱水傾向の方がいる。

 そうした高齢者に、「お水を飲んでいますか?」と尋ねても、明確な返事が得られない場合が多い。きっとご本人も本当に分からないのだと思う。特に、認知症を患っている高齢者は、水を飲んだかどうかは覚えていない。そのため質問を変える必要がある。「おしっこの色は濃いですか、薄いですか?」と尋ねると、意外と答えてもらえるケースが多い。また、「水分は摂っている」と答えた場合でも、「食事量を質問し、「少ない」と答えた場合は、「脱水と低栄養」を疑わなければならない。食物からの水分摂取も欠かせないので、食欲と食事量を尋ねることが重要と考えている。

■経口補水液は自宅でも簡単に作れる

 ――脱水を疑われる高齢者を発見した場合、どのような対応が必要か。

 秋山 まず窓を開け、部屋に風を通して室温を下げ、服を緩めてあげたい。その上で経口補水液を飲ませてほしい。経口補水液は薬局やドラッグストアなどで販売されているので、手軽に利用できる。是非、脱水予防に活用してほしい。ただ、買うとなると負担も生じるので、敬遠されがちだが、経口補水液は自宅でも作れる。方法は簡単だ。空の500ペットボトルを用意し、それにペットボトルキャップすりきり3杯の砂糖(20g)、プリンなどに付いてくる透明スプーンすりきり1杯の塩(1.5g)を入れ、水を500加え、よく振って塩と砂糖を溶かせば出来上がる。簡単なので、ぜひ試してほしい。

 ――脱水を契機に熱中症を発症した場合の典型的な症状は?

 秋山 滝が流れるように発汗していた状態から、一瞬にして汗が引くことがある。直後から気分が悪化したり、手足がしびれたり、意識が遠のくような場合は、熱中症を疑わなければならない。即、涼しい場所で横にし、医療機関に運ばなければならない。

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  • ケアーズ社長、
    白十字訪問看護ステーション統括所長
    秋山正子氏
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  • 暮らしの保健室が開催している
    脱水予防セミナー

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