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社会・時事・他ケアポート板橋 EPA候補者受け入れ現場活性化 2013年8月20日08時00分

職員主体の業務改善で雇用安定はかる

 経済連携協定(EPA)に基づく外国人の介護福祉士候補者受け入れ制度は、介護人材不足の解消策として期待される一方で、受け入れ事業者側の適切な教育管理体制が求められる。特別養護老人ホーム「ケアポート板橋」(東京都板橋区、不二健育会運営)は同制度開始の08年より教育体制を構築し、候補者の受け入れを続けてきた。独自の業務改善策を積極採用し、候補者の育成だけでなく既存職員の定着化にも好影響を与えている。

■現場主体の教育とメンタルサポートを重視

 ケアポート板橋を運営する不二健育会は介護人材の安定化と国際交流の重要性を提言しており、同制度がはじまる以前には都内日本語学校の留学生向けインターンシップなどを実施してきた。

 EPA候補者は12年度までにインドネシア人2人、フィリピン人2人、計4人を受け入れ、3人が介護福祉士試験を受験し合格。うち1人は家庭の事情で帰国したが、11年度より就労・研修中の1人とあわせて、現在3人が同施設で働いている。

 週5日間のシフトは現場仕事4日、勉強1日と明確に分類。人事企画室が現場職員の中から選任した現場担当・教育担当がそれぞれ管理を行う。

 また、EPA管理者は住まいや生活面での問題に取り組む。「外国人就業者にとってホームシックは重要な問題」と同施設長の小清水一雄さんは話す。有給休暇を取得する1年~1年半後のタイミングで帰国の機会を与えるなど、メンタル面にも配慮している。 さらに、現場では候補者自身の強みを生かした業務改善を導入。「得意分野はストレスにならない」と小清水さんが話すように、得意のバリ舞踊を利用者へ披露する候補者や、英語教員の経験を生かし近くの保育園でボランティア学習を行う候補者など、施設に新たな付加価値をもたらしている。 小清水施設長は候補者について「介護に対する意識が高く、コミュニケーション能力も長けている。何より雰囲気が明るい」と評価。現場のチームワーク活性化につながっていると述べる。

■現場参加型の目標・評価制度で職員定着率を大幅に改善

 EPA候補者受け入れの開始当初、施設内では必要性を疑問視する声や現場の反発もあったという。

 「短期的に見れば業務負担増や意思疎通の問題など、抵抗感があるのは当然」と小清水施設長。受け入れ体制と並行して施設全体の業務改善や人事制度の見直しに着手し、職員の意識改革をはかった。

 2年前よりはじめた「月間MVP」は、受賞テーマを毎月設定し職員間投票を行う制度。「縁の下の力持ちで賞」や「介護ソフト使いこなしているで賞」などバラエティにあふれ、受賞者のネームプレートには星が1つ付与される。

 また「名案プログラム」は業務改善内容と方法を自由投稿する取り組み。採用案は施設の掲示板に常時貼り出し、全職員が共有できるようになっている。

 「職員が主体的にケアの現場をつくる意識が芽生え、競争原理がはたらいてきた」と小清水施設長は効果を語る。5~6年前は24%だった離職率が現在は10%にまで改善し職員の定着化にも寄与。育休復帰率もほぼ100%を維持している。12年には「介護甲子園」でEPAへの取り組みを発表し最優秀賞を受賞した。「日々の忙しさに追われると業務が単調になる」と小清水施設長。施設内外で仕事が認められる場を提供することで自信とモチベーションを高め、それが個々、チーム間でつながることがケアの現場を活性化させると語った。

  • 小清水一雄施設長.JPG
  • 小清水一雄施設長


  • 11年度か.JPG
  • 11年度から就労し介護福祉士を
    目指すリィゼルさん(左)


  • 新たな取り組み.JPG
  • 新たな取り組みを啓発する
    「名案プログラム」は施設全体で共有

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