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社会・時事・他日本介護福祉士養成施設協会 小林光俊会長インタビュー2013年8月20日08時00分

071.JPG医療、認知症にも十分対応できる高い教育水準

 介護人材が不足する中、若い人材を養成、輩出する介護福祉士養成福祉施設に強い期待が寄せられている。残念ながら慢性的な生徒数不足を抱えながらも、医療的ケア、認知症対応など養成校サイドの教育体制は年々向上しているという。日本介護福祉士養成施設協会の小林光俊会長に養成校の現状と将来展望を伺った。

■腰痛予防も教育の大きな柱

 ――介護現場の現状をどう見ておられますか。

 小林 施設はもちろん在宅においても重度者が非常に増えている。介護福祉士の就職先は施設が圧倒的に多かったが、今後は在宅へもシフトしなければならない。それは国の要請でもある。

 重度者が増えると医療的なケアが重視されてくる。たんの吸引や経管栄養が介護職に認められたが、今回の改正は単にそうした行為の解禁のみではなく、それらを含めて医療的ケアに関する幅広い基礎知識を持ち、看護師や医師ときちんとコミュニケーションがはかれる人材を育成することが本旨だと解釈している。

 寝たきりにさせずに、いかに残存機能を維持発展させるか、それが重要だ。介護福祉士はそのことをきちんと実践し、他の職員に指導できなければならず、養成施設にはそうした人材育成が求められている。

 ――昔に比べカリキュラムも変わりましたね。

 小林 大きく変わった。2000年に受講時間が1500時間から1650時間となり、特に医療に関する受講時間が増えた。それから3年前には1650時間から1800時間となり、カリキュラムも「実践型」に大幅に見直された。特に認知症に対して合理的に対応できる介護福祉士養成カリキュラムとなった。さらに昨年度から、たんの吸引と経管栄養で50時間増えたわけだ。

 ルールでは1850時間だが教室や外部での実習授業を含めると、実際の養成校における授業時間は約2000時間。たんの吸引でも現場研修に長時間要し、50時間では収まり切れない。

 さらに介護をする人たちの健康管理にも力を入れている。ヨーロッパでは20年も前に解決されている腰痛問題が日本で起こるのは技術と知識のなさだと言われている。ボディメカニズムの知識を身につけ、機器類を活用することで腰痛は起きないことが科学的に実証されている。養成校でも北欧などから専門の講師を招いて専門研修を受講し、腰痛を起こさない科学的介護を教える体制になっている。

 ――入学定員割れが続いています。

 小林 最大の要因は小泉内閣時代の社会保障費抑制策と2回にわたる介護報酬の引き下げにより人件費が削減されたことだ。それにコムスン事件が拍車をかけた。

 それまで福祉の現場で働く人は聖域的な扱いだったのが、コムスン事件でそのイメージが崩壊し、ますます魅力のない職場になってしまった。定員割れはそのダメージから未だに回復しきれていないためだ。

 ――09年度からは離職者訓練制度介護福祉士養成コース介護雇用プログラムによる入学がはじまりました。

 小林 簡単に言えば2年間で160万円の奨学金が支給され、5年間、介護現場で働けば返済が免除される制度だ。貧しくても介護福祉士の道が開ける制度であり、介護職は国が求めている人材だから協会としても制度継続の要望を続ける。

 現在、認定介護福祉士なども検討されているところだ。内閣府でも専門性をきちんと認めるキャリア段位制がスタートしている。キャリアを積み、技術を習得したらステップアップする。医師や看護師には認定性が定着しており、介護の世界もヒエラルヒーを確立すべきだと考えている。若い人に将来展望を可視化させることを養成校が先頭を切って行う。

■15年からの国家試験では合格率90%が最低目標

 ――養成校出身の卒業生にも15年から国家試験が義務付けられます。

 小林 現場3年経験プラス450時間の実務研修を受けた人たちと、養成校で1850時間、2年間教育を受けたものが同一に扱われることには不満は残るが、低くても90%以上は合格してもらえるように育成していく。厚生労働省は1850時間の授業を受けた人のレベルにあった問題を出すと公言している。

 またこれからは現場3年間に加え、450時間の実務者研修もはじまる。養成校の中にも450時間コースを設けるところができてきている。国としても介護人材確保は大きなテーマであり、それに対しても養成校に協力してくれと言われている。

 介護は実践力が基本だが、実践力の裏付けとしてきちんと科学的検証ができ、なぜこの介護なのか説明ができる介護福祉士を養成する。

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