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社会・時事・他在宅でも床ずれは治る(1) 多職種のチームワークが鍵2013年2月12日09時39分

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北海道大学名誉教授

大浦 武彦 氏

プロフィール

1962年北海道大学大学院医学研究科修了。同大学医学部形成外科学講座教授、同大学医学部附属病院長等を経て医療法人社団廣仁会褥瘡・創傷治癒研究所所長、日本褥瘡学会理事長(98~05年)を務める。褥瘡(床ずれ)・創傷治癒に関する著書・原著多数

 

 

ねたきり予防が基本

 床ずれ予防・治療を在宅で、多職種連携しながら取り組む実践が始まっている。治療材や機器・用具の進歩が支えだが、成功の鍵は医介連携が握る。褥瘡治療の権威である大浦武彦氏(北海道大学名誉教授)に聞いた。

 ――よく「在宅で床ずれは治らない」と言われますが。

 在宅でも床ずれを治すことはできる。医師を始め、看護師、栄養士、ケアマネジャー、ヘルパー、家族等の「人材」が、体位変換や危険因子の除去、体圧分散、栄養改善などの「技術・手法」を、マットレス、体位変換器、被覆材、薬剤、介護食などの「薬剤・用具」を活用しながら、チームとして取り組むことができれば十分可能だ。

 ――そのハードルは高いようですが。

 たしかに在宅では家族やヘルパーが、体制や設備の限られた中で実施することになる。ただ、最近では適切な湿潤環境を保持できる絆創膏タイプの製品があり、在宅でも表皮形成がしやすくなっている。コスト面でも1枚あたり100円程度と安価で、在宅での創傷治療への取り組みがしやすくなってきている。

 体圧分散も、最新の高機能エアマットを導入することにより、特に専門的な知識がなくても自動で最適な状態に制御する製品がある。介護保険制度を活用することで、在宅にも導入しやすい。

 問題は「在宅でも床ずれは治せる」という認識が各職種で共有できておらず、チームワークが生かしきれていないこと。国が掲げ推進する「地域包括ケアシステム」の中で、こうした連携がしやすい環境づくり、支援にも期待したい。

 ――具体的にどのように治すのか。

 傷を乾かさず、必要に応じて消毒し、水泡がある場合はなるべく潰さないなど、表皮形成しやすい環境を作る。同じ水泡でも、熱傷の水泡のように皮膚組織が傷んだ状態ではないので、潰さないようにすることで治りも良くなる。局所の処置として毎日の洗浄はした方がよいが、消毒はほとんど必要がないし、消毒の効果はあまりないといってもよい。洗浄の際も生理食塩水ではなく水道水でも十分だ。忘れがちなのが栄養状態。良好にしておかないと、こうしたせっかくの取り組みの効果が出にくくなってしまう。

 ――床ずれ予防については。

 寝たきりにしないことに尽きる。なるべく離床することを心がけることで、床ずれのリスクは減る。介護ベッドの背上げなどにより、本人の意志と能力で離床するようになれば、当然床ずれリスクは低減する。したがって本人の立つ、歩くの支援をすることが大切である。その際には無理に高機能エアマットでなくても、ウレタンタイプの静止型床ずれ予防マットレスの方が、起き上がり、立ち上がりがしやすい。

〈次回に続く〉

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