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社会・時事・他老筋力トレーニングで高齢者の自立を支える2012年10月23日18時23分

高齢者の筋力アップで身体機能を回復

 以前は高齢者への筋力トレーニングはタブーとされていた。筋繊維は布きれと同じで、扱い方を間違えると破けて修復できなくなるリスクが大きい。だから新たに筋繊維を作っていく方法を考えた。

 特に高齢者が自立歩行に必要な筋肉は股関節内転筋、大腿四頭筋、ハムストリングスなど。これらを維持、強化することで立ち上がりや移乗動作、歩行力がアップし要介護の改善にも大きく貢献する。

誰もが手軽に行える「クノンボール」開発

 高齢者の筋力トレーニングは無理なく、簡単に行えることが継続性につながる。10年に開発したクノンボール(販売元:キョーリンメディカルサプライ)は老筋力アップの代表的なツールの一つ。

 一見普通のボールだが、ゴム製で弾力を持たせて筋肉に適度な負荷をかけるのが特長。取り扱いやすいように表面は滑りにくくしている。

 まずは指でもむ、足で踏むなどしてボールに慣れることが大切。具体的なトレーニング方法は①両膝に挟んで立ち上がる運動。脚力と腹筋を強化することで膝痛を緩和し立位に安定感が出てくる②座った状態で両足でボールを挟む運動。股関節内転筋を鍛えO脚、尿もれ、膝痛を予防③ボールを両手で上下に挟む運動。上側の上腕三頭筋を強化し、起き上がり時に上体を起こしやすくする――など。

 クノンボールは一定時間触れていることでバランス感覚を刺激し脳を活性化させるメリットもある。回数、秒数を声に出して数えながら行うとより効果が高い。遊び感覚で楽しく行え、方法も簡単に覚えられるので自宅でも継続的にトレーニングが可能。

 注意点は、力を入れすぎて息を止めると血圧上昇や筋肉が緊張して身体に負荷がかかるため、できるだけ自然呼吸が乱れないようにすること。
 また高齢になると新陳代謝による自覚症状に時差があるため、運動回数や種類を増やした後は本人が感じているよりも疲労が蓄積しているケースが多い。個人のレベルに合わせ、運動の合間に休息をこまめにとるなど調整が必要となってくる。

きんさんの歩行トレーニングもサポート

 老筋力がひときわ注目を浴びたきっかけが「きんさん・ぎんさん」で全国的に有名になった成田きんさんの歩行トレーニングを行ったこと。98年に初来院した当時は歩行困難でベッドに上がることもできないほど筋力が低下していたが、ふくらはぎに負荷をかけて片足ずつ上下するトレーニングを毎日実施した。

 効果が出はじめたのは1カ月後。3カ月後には自立歩行が可能になるまで脚力が回復し、105歳で再び歩けるようになった。加えて、最初は認知機能も少し衰えていたため回数を数えるのも苦労していたが、筋力アップとともに意識レベルも改善。100まで数えられるようになった。

 きんさんのトレーニングは勇気のいることだったが、いつ始めても遅くはなく、本人が日常生活を取り戻したいと意識し続けることで必ず効果がでると、自分自身が老筋力の大切さを実感した。(談)

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  • 久野信彦院長
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  • 成田きんさんと久野先生
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  • 同院には久野先生オリジナルの
    リハ用具が並列

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