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社会・時事・他都医師会長インタビュー「医療と介護の連携」を面で整備2012年10月23日18時03分

 国が提唱する地域包括ケアで謳われているように、住民が住み慣れた地域で安心した生活を続けていくためには、切れ目のない医療と介護の連携が必要になる。

 中でも重要なのが、退院調整とその後のサービス担当者会議である。病状が安定して、退院が可能な状態になれば、病院は退院後に始まる療養生活に対して、どういう医療や生活支援が必要かを考える責任がある。退院時に医師、看護師、薬剤師、セラピストなどでカンファレンスを開き、具体的な退院計画を検討し、それを在宅のかかりつけ医やケアマネジャーが引き継ぐことで、患者は安心して退院ができるのである。

 その後は、ケアマネジャーがサービス担当者会議を開催しながら、多職種協働によって、その人の生活を支援していくというのが本来の姿である。国から平均在院日数の短縮の方針が打ち出されているため、これからますます退院調整が重要になってくるが、現状はこの大事な部分がおざなりになっている。この辺りの連携をどう構築していくのか。今後の病院と地域医師会の重要課題だ。

 ただ、「医療と介護の連携」がうまく進んでいないと言われるのは、連携を進めている人とそうでない人が混在し、連携の形が「面」として見えてこないからでもある。

 地域によっては、ケアマネジャーを中心に医師会も参画しながら、医療と介護の連携を進めている所もある。例えば私の地元の浅草では、「台東区の在宅医療を考える会」という組織を立ち上げ、行政をはじめ、医療や介護に関わる様々な職種が集まって、在宅医療をどうしていくのかを話し合っている。

 そうした個々の連携が、「面」として見える形にしていくため、東京都医師会として、地区ごとに連携のための窓口を設置するよう、都に要望しているところだ。

多職種協働で足りない部分を補う

 最近、医療系のサービスが必要なのに、福祉系出身のケアマネジャーが多いため、プランに位置づけられないという話を聞くが、現在のケアマネジャーの試験や受験資格には、医療系出身でないと駄目なことは、どこにも書かれていない。

 大事なのは、自分の足りない部分を研鑽することと多職種協働によるサービス担当者会議をきちんと開催することだ。多職種と連携しながら、本人の自立に向かうケアプランを作っていくのがケアマネジャーの仕事であり、自分に足りない部分は、ケアカンファレンスで補ってもらえばいい。それは医師も同じで、かかりつけ医が全ての病気に対応できるかといえばそうではない。患者の病状に合わせて、病院と連携して対応を図っている。キーポイントは多職種協働なのである。

地域包括支援センターとの連携強化

 住民が住み慣れた地域で、安心して暮らし続けることを考える時、医療と同じく重要なのが、介護予防と生活支援である。

 何らかの支援があれば、まだまだ安心して地域で暮らせる人が、診療所にはたくさん通ってくる。そうした時に、検査や治療だけでなく、生活機能を改善することで、地域で暮らせるようにサポートするのも、かかりつけ医の大切な役割。

 ただ、以前は生活機能に問題があることが分かっても、なかなか解決策がなかった。そこで06年の介護保険制度改正では、地域包括支援センターが創設され、生活機能の改善が必要と判断した場合は、地域包括支援センターにつなげられるようになった。

 ただし、現状はかかりつけ医が地域包括支援センターを必ずしも活用しきれているわけではない。地域包括支援センターには必ず運営協議会が設けられており、そこには地域の医師会が参画しているので、医師が地域包括支援センターと連携しやすい形を、もっと提案していかなければならない。

 地域の人達の安心した生活をサポートするのも医師会の役割だと認識し、そこを地域包括支援センターとどの様に協力していくのか。そうしたことを常に協議して、運営していく場こそが運営協議会である。さらにそれが前述した「面」の整備にもつながってくる。

 医師会は医師により組織されているが、何よりも地域住民の健康や生命を守るための組織である。一人の医師ではできないことも、地域の医師が集まることで、住民に対して、様々な貢献ができることを改めて認識し、活動していきたいと思っている。(談)

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  • 東京都医師会 野中博会長

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