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社会・時事・他在宅での皮膚創傷ケア・排泄自立最前線①2019年5月23日07時00分

在宅療養患者の褥瘡管理・スキン-テア

WOCNと訪問看護ステーションの連携

0505woc.jpg 第28回日本創傷・オストミー・失禁管理学会学術集会(会長・石澤美保子=奈良県立医科大学医学部看護学科学科長、会場:「なら100年会館」ほか)が5月25日、26日に奈良市で開催される。「WOCケアにおける個別性と普遍性~拡がり続けるケアへの挑戦~」をテーマに、皮膚・排泄ケア認定看護師(以下「WOCN」)による新たな活動領域として「スキン ― テア(皮膚裂傷)」や「同行訪問による指導」といった議論・発表が予定される。18年介護報酬改定で在宅復帰を目指して「排せつ支援加算」「褥瘡マネジメント加算」が新設された介護保険施設や、在宅復帰後の生活を支えるケアマネジャー、介護事業者にとって、多職種連携の一員として、WOCNが病院内から介護施設や在宅へ活躍が広がることに期待が高まりそうだ。WOCNでもある石澤学術集会会長に聞いた。

 ――WOCNの活動領域と現在の状況は。

 創傷や排泄管理の重要性の高まりのもと、1997年より日本看護協会が認定を始めたWOCNは全国で2,488人(2018年7月時点)を数えるまでに広がった。現在、厚生労働省は一定の技能・知識をもつ看護師に診療の補助を認める「特定行為」普及を進めていることから、日看協の清瀬看護教育研究センターではこれまでの認定看護師カリキュラムを休止し、現在は特定行為研修のみのカリキュラムを開講している(19年度までの予定)。

 そして、20年度からは特定行為研修を組み込んだカリキュラムの認定看護師教育が開始され(現行カリキュラムは26年度に終了)、27年度からは特定行為を含んだ認定看護師カリキュラムに完全移行予定。(詳細は日本看護協会HP参照)

 ――新カリキュラムのもとでWOCNと介護現場の多職種連携も進むでしょうか。

 日本創傷・オストミー・失禁管理学会でも、数年前から在宅への連携を目指している。学会の意識としては訪問を進めたいが、実際のWOCNは病院内で多忙を極めている。

 奈良県立医科大学附属病院でもWOCNが3人いるが、院内でストーマ外来があり、褥瘡回診があり、排尿自立があり、病棟を中心に活動してもらっている状況。最近、少しずつ在宅も訪問できるように取組み始めたところ。

 ――WOCNは不足しているのですか。

 在宅のことを考えると不足していると思う。地域性や病院規模、訪問看護ステーションの体制が整っていると、WOCN1人でも在宅訪問ができることもあるが、WOCNが1人の病院では、ほぼ訪問に出向くことはできず、3~4人のWOCNのいる病院で訪問ができているといった状況。そういう意味ではもっと必要だと思う。

 ――WOCNとの多職種連携を進める制度が求められます。

 現在でも診療報酬で「在宅患者訪問褥瘡管理指導料(750点)」が評価されている。ただ、周知が進んでいないことや、報酬算定のしにくさという制度上の問題もあり、在宅にWOCNの訪問を必要とする人がいるのに、あまり活用されていない現状がある。

 医療機関などに制度周知を進めることや、より使いやすい制度になるように国にも働きかけたい。

在宅療養増加で関心 在宅での 「スキン-テア」 対応

 ――スキン-テアとは何でしょうか。

 スキン-テアは摩擦やずれによって皮膚が裂けて生じる真皮深層までの損傷のことで、年齢に関係なく起こるが、特に高齢者の四肢に発生しやすい。日常の何気ないことで発生していて、介護で言えば「体位変換・移動介助」「更衣の介助」「入浴介助」などでも起こることがある。

 ――在宅ではどのような対応が必要ですか。

 加齢や低活動性、透析治療歴、低栄養状態、乾燥、浮腫、麻痺、不随意運動、不穏行動のほか、体位変換、移動介助、更衣介助などにリスクを伴うことをよく理解し、外力保護ケアや保湿ケア、栄養管理などの予防的な対応が求められる。低栄養状態や浮腫がある場合などには、ベッド柵にぶつかっただけでも発生することがある。

 また、スキン-テアが発生した場合は、必要に応じて医師やWOCNに相談の上、創傷被覆材を使用するなどして創管理をする。

 ほかにも、在院日数削減や在宅復帰促進などを背景に、在宅療養をする患者が増える中で、医療機器などによる圧迫で生じる創傷「医療関連機器圧迫創傷(MDRPU)」の対応も在宅で求められるようになることが考えられる。

 例えば「酸素マスク」「下肢の静脈還流の改善のための弾性ストッキング」「気管切開や胃ろうのチューブ」「尿道カテーテル」が原因で創傷ができることがある。こうしたことは、WOCNの在宅訪問が必要とされる背景にもなっている。

 ――在宅療養でのMDRPUの予防は困難でしょうか。

 地域にもよるが、最近では医療ニーズの高い重度者を受け入れる訪問看護ステーションや介護事業者、ケアマネジャーも増えている。当学会としても、こうした訪問看護ステーションの看護師とWOCNが連携することが必要と考えている。

 病院併設ではない訪問看護ステーションの看護師で、患者の褥瘡が大きくて困っている場合、WOCNのいる病院の地域医療連携室等を通じて紹介ができることもあるので、問合せいただきたい。

 MDRPUのベストプラクティスによれば、1日2回、機器の位置変更による圧迫回避が推奨されているが、在宅療養では訪問看護師だけでなく、家族へ周知し、協力をしてもらうことも大切と考えている。

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