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社会・時事・他グローバル人材育成交流事業団 中国に養成スクール2019年1月21日13時05分

0106global.jpg 介護人材の養成もグローバル化が進んでいる。日本の「技能実習制度」を活用して、世界で活躍する介護人材の育成と人材交流の仕組みを構築しようとしているのが、一般社団法人グローバル人材育成交流事業団(茂山多摩子理事長)だ。この度、中国吉林省にある延辺大学継続教育学院内に、国際介護人材を養成するスクールを立ち上げ、世界で活躍できる介護人材の育成に乗り出した。

少子高齢化の中国介護人材育成が課題

 人口約14億人の中国も高齢化率がすでに14%を超え、介護が社会問題となっている。同国では「一人っ子政策」を続けてきた影響で、今後、急速に少子高齢化が進んでいくため、家族に代わって介護する人材の育成が大きな課題となっている。

0106global2.jpg 「中国の介護人材は、量と質の両方の確保が必要です」。そう話すのはグローバル人材育成交流事業団メンバーの宣京哲さん。宣さん自身は、日本の大学に留学し、その後、医療・介護システムを扱う会社に就職したことで、日本の介護保険の仕組みや介護サービスが発展してく様子を目の当たりしてきた。生まれ育った中国が少子高齢化の問題に直面している現状を解決しようと、日本で培った人脈を生かして、有志たちと事業団を立ち上げることになった。

 きっかけとなったのは、2017年11月から日本政府が技能実習制度に「介護」を追加したことだ。事業団では同制度を活用して、日本の先進的な介護技能や知識を学び、それを基に、自国で活躍する介護リーダーを育成する方式を検討。ただ、技能実習制度には、失踪や使い捨て、現場職員への過度な負担など問題も多い。

 そこで、中国側でリーダーとなりうる質の高い候補生を選抜・育成し、日本側も良質なサービスを提供する施設をマッチングさせる仕組みを設け、▽現地の教育機関▽送り出し機関▽管理団体▽受け入れ施設のいずれもが「顔の見える関係」を構築して、国際介護人材を養成するスキームを構想。「最初から最後までサポートするのが当事業団の特長」と理事長の茂山多摩子さんは説明する。

全寮制で半年間日本の介護を学ぶ

 昨年11月には現地の教育機関として、中国吉林省にある延辺大学継続教育学院内に、国際介護人材を養成するスクールが開校。第1期生は、応募者の中から厳選された15人。全寮制で半年間、848時間の日本語教育と184時間の介護教育を受けた上で、技能実習生として来日する。

 延辺大学のワンフロアを使ったスクールは、実習室が2つと教室が2つ。実習室には入浴、排せつ、移乗など、介護シーンごとに日本の福祉用具、自助具などが揃えられているほか、高齢者疑似体験教材などもあり、それらを用いて日本式の介護を学ぶ。現在使われていない教室も、日本の福祉用具やリハビリ機器の展示室にしていく予定だという。さらに、フロアの入り口で靴を脱いでスリッパに履き替える、トイレをする場合は、トイレ用のスリッパに履き替えるなど、日々の教育の中で、日本の文化に慣れる工夫もしてある。

0106global3.jpg 1期生の王聡さんは、今回応募した動機について「日本の介護の基本には、笑顔や心遣いがあり、それが利用者さんの安心や安全につながっている。日本に行って、そうした知識や技術を学び、キャリアアップすることが、将来、中国の介護の発展に役に立つと考えている」と話す。

 同じく、許心寧さんも「日本の介護の印象は福祉用具が優れていること。また、人対人の考え方、特にサービス精神や接遇の部分が優れている。中国でも高齢者が増えていくので、優れた介護サービスを提供できるようになりたい」と、将来のリーダーとなるべく、意欲的だ。

0106global4.jpg 11月19日に開かれた開校式では、茂山理事長が、学生らに対し「第1期生としての誇りを持ち、日本でしっかりと学び、中国の介護現場で素晴らしいリーダーに育っていってほしい」と激励した。延辺大学継続教育学院の徐大成院長も「日中が互いに協力し合って、優れた国際介護人材を育成するブランドを作り上げていきたい」と意気込みを見せた。

 事業団の最終目標は、日本で学んだ学生らが中国の介護を発展させていくことで、将来的に日本からも中国式の介護を学びに来るといった国際交流が生まれることだ。介護人材の養成はすでにグローバルの時代に入っている――。

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