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社会・時事・他福祉用具国民会議 厚労大臣へ署名提出2016年10月27日07時00分

1024fk.jpg 9月20日(火)、福祉用具国民会議は、財務省の福祉用具自己負担化提起に端を発した18年介護保険給付制限の政府の動向に対して、利用者・家族など21万9,461筆の制度維持を求める署名を厚生労働大臣に提出した。受け取ったのは福祉用具・住宅改修を所管する老健局の佐藤守孝高齢者支援課長で、「難しい状況ではあるが、自立支援に向けた方向で対応を考えていければ」と応えた。

 署名は国に対して介護保険の福祉用具貸与、福祉用具販売、住宅改修について制度の継続を求めるもので、氏名と住所を自著した署名は22万筆近くに達した。署名の提出には、大阪府豊中市在住で福祉用具を利用して自立生活を送る友田淳子さん(88歳、要介護1)や、母の介護を続けてきた元朝日新聞論説委員で国際医療福祉大学大学院教授の大熊由紀子さんらも厚労省に赴き、署名と要望書を手渡した(写真)。

1024fk2.JPG 地方議会での給付制限に反対する意見書採択は、その後も増えており、新たに岡山県と長崎県が増えて24府県、鹿児島県薩摩川内市や埼玉県春日部市などが増えて143市町に及んでいる(9月30日時点、日福協調べ)。

 16年3月に始まった三重県議会での意見書採択後、日本福祉用具供給協会などの働きかけを受けて、公明党を中心に与野党が各地でこぞって採択側に回ってきたという経緯がある。署名の集約や地方議会の意見書採択は、それ自体、法的な拘束力を持たないとはいえ、財政面から給付制限を推進しようとする政府の動向を明らかにして、被保険者や利用者の立場から制度継続を求める発信へつなげていった効果は大きかったと言えるだろう。

1024fk3.JPG 福祉用具貸与は、16年7月審査分で、要支援者40.4万人、要介護者157.5万人の計197.9万人が利用し、通所介護(155.8万人)、訪問介護(137.7万人)と並んで在宅介護を支える重要な役割を果たしている。

 国は、財務省の提起を受ける形で、骨太の改革や「経済・財政再生計画改革工程表」において、福祉用具の給付制限策の検討を盛り込み、軽度者の福祉用具の給付は、負担のあり方や給付の適正化を関係審議会で検討し、今年12月までに結論を出すとしてきた。

10月12日介護保険部会で福祉用具俎上に

外れ値対応で自由価格に制限かかるか

 福祉用具に関する部会での検討は、7月20日に1巡目が行われて、厚労省は①地域ケア会議の活用②利用者負担のあり方③外れ値の解消④レンタル・販売の対象品目の見直し⑤住宅改修の実態把握と価格・施工水準の適切化――を論点に掲げた。

 委員が同部会で強く主張したのは、「外れ値が出ないように基準価格を設定してもよい」(日本医師会鈴木邦彦委員)など、福祉用具の外れ値問題だった(囲み1)。 

 岩村部会長代理は、「外れ値の問題は何らかの形で国の役割を期待する声があがったと思う」と取りまとめた。 議論の的となった外れ値について記③サービス付き高齢者向け住宅などの囲い込み(家賃などを下げ、レンタル価格をに引き上げて帳尻を合わせる)――などの要因が考えられている。

 一方、価格に関する行政指導ができないという側面もある。「現に要する価格」(自由価格)である貸与価格については、行政による直接的な指導が独禁法上許されていないため、外れ値があることを掌握しても行政は価格是正を求めることが困難とされる。しかし逆に、低所得者の居住確保は常に行政課題であるために、独禁法を理由に、正面からは外れ値問題に踏み込まずにきたともいえる。

 10月12日に予定されている介護保険部会では、福祉用具の議論が2巡目を迎え、いよいよ結論へ大きく一歩を踏み出しそうだ。18年改正に限定すれば、これまで自由価格できた福祉用具の価格のあり方が見直される可能性が出てきた。

 ただ、04年10月29日国会答弁で山井和則議員の質問に答える形で、当時の小泉純一郎内閣総理大臣が「現行の実際の貸与価格を用いた保険給付が適当である」と答弁している(囲み2)。どのような形で外れ値問題に切り込めるか注目を要する。

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